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【J2:第25節 横浜FC vs 東京V】レポート:お互いのストロングポイントを繰り出す好ゲーム。PK決着で勝点3をモノにしたのは東京V。(13.07.21)

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冒頭から筆者の感想になるが、できればもう一度、いや何度でも同じメンバーでこの対戦を見たいと思えるほど、横浜FCと東京Vの良さを出し合った好ゲームだった。東京V・三浦泰年監督がいみじくも試合後の記者会見で、「サッカーは不特定多数のアクシデントが起こるし、思ってもみなかったことが起きるから、サッカーは世界中で魅力を感じているし熱狂する。そういうことが起きて勝敗が左右するもの」と述べたように、同じ対戦でもどちらに結果が転ぶかわからないもの。この試合は、終了間際のPKが勝敗を分けたが、そのPK以外の場面にこそ、サッカーの素晴らしさが詰まっていた。

前半は、お互いにシュート3本ずつと数字は少ないが、コンパクトな陣形の中で中盤の潰し合いが激しく、一方で早い球離れでスピーディーな展開となる。その上で、東京Vは守備時には5バックにしてやや守備重視の姿勢を取るが、14分に初めて小池純輝と森勇介の両ウイングが上がる時間を作り出すと、森のクロスから石神直哉がヘディングシュート。このシュートはシュナイダー潤之介のビッグセーブで防ぐが、その続きのCKを井林章がゴールにたたき込む。東京Vの最大のストロングポイントである両ウイングを見事に生かした先制劇だった。

その後、5バックで守る東京Vに対して、横浜FCもサイドチェンジを繰り返して隙を作ろうとするが、最初は攻撃の糸口は作れず。しかし「ジャンさん(大久保哲哉)をおとりに使って中から崩していこうという話をして、クサビが入ると攻撃のスイッチが入るし、いいテンポで崩せるようになった」(中里崇宏)というように、その努力が実り、東京Vの1ボランチの周囲に少しずつ隙ができると、前半の残り10分間は、バイタルエリアでのダイレクトパスで攻略の糸口を見つける。37分の中里崇宏のクロスバーを叩くシュートをはじめスペクタクルな切り崩しを見せる。ゴールは奪えなかったものの、勢いを持って前半を終了する。

そして、その前半終了時の勢いそのままに、後半横浜FCが鮮やかな逆転劇を見せる。48分に、カウンター気味に森の上がったスペースを使い、寺田紳一のシュートのこぼれを武岡優斗が押し込んで同点に。そして59分に寺田からの裏へのパスに大久保哲哉が左足で優しく合わせるビューティフルゴールで逆転。東京Vのお株を奪うように、横浜FCが磨いてきたパスワークを見せつける。

しかし、東京Vも黙ってはいない。徐々にコンパクトさが失われる中で、右サイドの森が躍動。65分、右でフリーになっている森にパスが出ると目の覚めるようなクロスを上げて、最後は逆サイドのウイングである小池がヘディングをたたき込み同点にする。後半は、横浜FCが7本、東京Vが5本とシュートの数が増え、空いたスペースを使いながら打ち合いの展開となる。そして、結末は89分、森の突破に対して中島崇典がスライディングしたところでPKの判定。そのPKを高原直泰が決めて勝ち越し。アディショナルタイムの4分にも激しい攻防があったが、スコアは動かず、スペクタクルな激戦を東京Vが制した。

勝った東京Vにとっては、前節の札幌戦でも輝きを見せた両ウイングがこの日も躍動。そのストロングポイントを十分に見せつけての勝利だった。「後半逆転されたけど、そこから追いついて逆転したというところで、慌てなくなったし、続けていこうという感じで2点取れたのは良かった」と飯尾一慶が振り返ったように、これからJ1昇格プレーオフへ挑戦していくのに必要な粘り強さを見せた試合だった。

横浜FCにとっては、狙い通りのサッカーで逆転劇を見せただけに勝点が手からすり抜ける展開となったのは、非常に悔しい結果だろう。数字的には、6位を狙うにしても厳しい状況になったのは間違いない。ただ、一方で6位を狙うチーム力をピッチ上に見せつけたのも事実。まだまだ有資格者であると胸を張って良いサッカーを展開したのではないだろうか。山口素弘監督は「悔しさを次のエネルギーに変えればいいだけですし、正直僕のチームの選手はそんなにヤワではないので、またより強い姿を見せてくれる」と語ったが、残り17試合に向けて「反骨心」を刻むことができるような敗戦になったのは違いない。「俺たちは間違いなく弱い」という宣言をした札幌戦から上昇が始まったように、この試合を契機として残り17試合でこの日のサッカーに誇りを持ち続け、勝ち続けること。それが試合後最大級の「ヨコハマ」コールをしてくれたサポーターに対する答えとなる。

ピッチ上に見えたものは、昇格争いの直接対決のような、テンションの高い、死力を尽くした好ゲームだった。お互いのストロングポイントの質の高さも見えた。試合後の両チームのゴール裏から起きた盛大な拍手は、ピッチ上のプレーの価値の証明に他ならない。

以上

2013.07.21 Reported by 松尾真一郎
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