私事で恐縮だが、札幌は私にとって特別な町である。中学生から大学生までの最も多感な10年間を過ごし、さらにサラリーマンとしても3年半を過ごした町。言わば、福岡が産みの親なら、札幌は育ての親にあたる。その町にホームタウンを置くチーム同士の対戦には、いつも様々な想いが交錯してきた。勝利の雄叫びをあげるのは福岡であってほしい。けれど、札幌には内容ある試合をしてほしい。そして、シーズン終了後には、ともに笑顔であってほしい。それは1998年のJ1参入決定戦の第3参入クラブ決定戦で両クラブが対決して以来の私の望みだ。
まあ、そんなに都合よく事が運ぶわけもなく、いつも試合が終わった後には複雑な気分に襲われる。第23節の札幌戦もそうだった。互いに力を出し合う好ゲームを期待していたが、「今までのリーグ戦の中で一番悪い試合をしてしまった」とマリヤン・プシュニク監督が話したように福岡が悪すぎた。結果は0−3で福岡の敗戦。スコアも、内容も完敗だった。それでも「敗戦から学ぶこともある」とプシュニク監督が試合を振り返ったように、翌節の栃木戦では見失っていたアグレッシブな姿勢を取り戻して2−0の勝利。さらに続く第25節・岐阜戦では、今季一番とも言える内容で完勝。札幌のお母さんがカツを入れてくれたと思えば、敗戦という結果も意味があるものだったのかもしれない。
さて、試合が終われば、気持ちを切り替えて札幌の町を楽しむしかない。特に夏の札幌は1年で最も気候がいい時期。試合の結果に落ち込んでいてはもったいないと、札幌グルメを満喫することにした。
まず欠かせないのはジンギスカン。札幌では、何か行事がある度に必ずと言っていいほどジンギスカンを食べる。市民の生活とは切っても切り離せない食べ物だ。昨今では、鍋の上に野菜を敷き詰め、その上に肉を並べて蒸し焼きにするのが正しい食べ方のように言われているが、それは邪道。野菜は鍋の周りの溝の部分に並べ、山盛りの肉をジンギスカン鍋に直接乗せる。ジュッという音とともに沸き上がる煙と羊肉の匂い。程良く火が通ったら、片っぱしから口に運ぶ。とにかく豪快に食うべし。それがジンギスカンの王道の食べ方だ。
そして、ジンギスカンと並んで札幌の人たちのソウルフードと呼べるのが「ザンギ」だろう。「札幌では鶏の唐揚げをザンギと呼ぶ」という説明を何かの本で読んだことがあるが、「ザンギ」は唐揚げのようであって、決して唐揚げと同じではない。あらかじめタレに付け込んだ鶏もも肉に衣をまぶして揚げる「ザンギ」の熱々を頬張れば、カリッとした衣の食感に続いて、あふれ出る肉汁と秘伝のたれの味が口の中いっぱいに広がる。居酒屋に行けば、どこにでもある定番メニュー。味付けはそれぞれの店で異なるが、札幌へ行ったら必ず味わってもらいたい食べ物でもある。
もちろん、海の幸も外せない。毛ガニ、ダラバガニ、バフンウニ、きんき等々、最高級の海の幸は、ぜひ味わってほしい。しかしながら、いずれも高値。ほどほどの値段で北海道を感じたいのなら、お勧めはイカだ。細作りにしたイカの刺身を生姜を溶いた醤油か、あるいは麺つゆに付けて口に運べば、ほかでは味わえない強い甘みが口に広がる。そしてホッケ。今は全国で食べられるようになったが、札幌で食べるホッケと、それ以外の場所で食べるホッケは、別の魚ではないかと思うくらい味が違う。その違いを味わってほしい。ほかにも甘エビ、ツブ貝等々、味わってほしい食材は豊富だ。
締めは札幌ラーメン。黄色みを帯びた、やや太めの縮れ麺が札幌ラーメンの特長。その麺に味噌、醤油、塩それぞれのスープが見事に絡む。一番人気は、やっぱり味噌ラーメン。こちらも、札幌に行ったら外せない。ガイドブックには様々なラーメン屋が紹介されているが、観光客相手の店よりも、街中にある何の変哲もないラーメン屋で食べれば、本物の札幌ラーメンが味わえる。
さて、札幌の魅力は食べ物だけではない。大自然を身近に感じることができるのも札幌の魅力の一つだ。遠出をしなくても、試合帰りのわずかな時間を使うだけでも自然に触れることができる。その紹介は次回で。乞う、ご期待。
以上
2013.07.25 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
一覧へ【J2日記】福岡:アウェイに行こう〜札幌編(グルメ編)(13.07.25)
札幌へ来たら、まずはジンギスカン。これなくして札幌グルメは語れない
札幌の人たちにとってのソウルフード「ザンギ」
イカ刺しの甘みは北海道ならでは。絶対に食べたい一品
ホッケも北海道を代表する魚の1つ。ほかで食べるものとは、全く味が違う
海鮮は北海道グルメの王様。甘エビのほか様々な食材が楽しめる
締めはもちろん札幌ラーメン。味噌、醤油、塩の3種類あるが、やはり味噌ラーメンを楽しみたい















