今日の試合速報

開幕招待
開幕招待

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J1:第18節 甲府 vs 仙台】レポート:新システムには一定以上の手応えを掴んだ甲府だが、ウイルソンの股抜きゴールに沈んで8連敗。仙台は後半開幕戦をアウェイで勝って自信という活力を得た(13.08.01)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
甲府はFWパトリック加入後初の公式戦で、マッチデーの予想も裏切りシステムも4−4−2から3−4−2−1に変えて初の公式戦。仙台はケガ人などの台所事情だが、梁勇基をボランチに下げたり、石川直樹をサイドバックにズラすなどシステムは一緒でも人は違う配置。前半の立ち上がりはワントップのパトリックにロングボールを当てて、ツーシャドーの柏好文・金子昌広の国士舘OBコンビが拾って攻撃に繋げることができていた甲府がある程度のゆとりを持っていた。ただ、「甲府、悪くない・・・」とは思っていたものの、7連敗中なので謙虚というか、不安というか、「サッカーは90分」と自動的に戒める機能も働いていた。

そして、その機能もショックを受けたのは22分のウイルソンのゴール。決められた瞬間は思わず声が漏れたが、後でビデオを見返して改めて素晴らしいゴールだったと感じる。甲府のマークの緩さを利用して左サイドハーフの武藤雄樹の動きを引き出してからパスした梁、それを受けてラストパスを出した武藤のドリブルとパスもよかったが、斜めに走りながらワンタッチでDF青山直晃の股を抜いたシュートを打ったウイルソンは凄い。ストップを繰り返しながらビデオを見ると、甲府の守備の瑕疵や判断ミスを挙げることができるが、流れの中で見た印象は「わぁ〜、やられた〜」。会見で城福浩監督が「(失点の)原因は言えるがそれを言って選手個人の問題にすることは好ましくない。あえて言うなら僕が伝えきれなかったことに悔いが残る」と話したが、甲府の選手の瑕疵や判断ミスを探し出して責める、ミスの連続が失点に繋がったというよりも、仙台の選手が3連続で素晴らしいプレーをして挙げた1点という気がする。

ただ、時間は22分。こんなに深くは考えられてはいなかったけれど、「まだまだこれから〜」という時間だし、内容。2回の表に内野安打と送りバントで2塁に進まれた後に、三塁線にツーベースを打たれたようなもの。ウイルソンほどの高級車ではないけれど、甲府にはパトリックの強さを活かして同点に追いつく時間も可能性も十分にあった。しかし、期待に反して徐々にパトリック効果が薄れてきて、ボールを前に運べなくなることが増える。水野晃樹は最初からパトリックを積極的に使っていたが、システム全体が後ろに重くなってパトリックに入れても、落としたボールは自陣という場面もあった。パトリックがある程度高い位置でボールを受けることができなければ、前を向いたドリブル機動を繰り返すことができる選手が柏くらいしかいない甲府は厳しい。もう1枚のシャドーの金子は開幕当初はスマッシュヒット的なプレーをみせたが今はプロの壁に当たっていて、能力を生かし切れていなかった。後半の早い時間帯(51分)に同期の河本明人と交代することになるのだが、次節からジウシーニョが登場するだけに悔しさが強く残るだろう。前半の内に同点に追いつきたかった甲府は、柏のドリブルシュートやセットプレーで青山が頭で決定機を作るが、決めきれず重い1点を背負って後半を迎えることになった。

後半はシステムを4−4−2に戻して前からボールを奪うことを意識してスタートした甲府。主導権を取る時間帯もあったが、仙台に決定機を作られることもあって、慣れ親しんだ4−4−2で新加入パトリックを活かせていた印象は持ちにくい。74分に平本一樹を投入してからは、4−4−1−1のパトリックと平本のFW縦関係が機能して決定機が増えたが、シュートはほとんどGK林卓人の正面に飛んでキャッチされる。ドッジボールなら林も怖がっただろう。サッカーはできればGKが取れないところにシュートを打った方がいいのだが、勝てない流れにいるチームのシュートはGKに吸い寄せられるのだろうか。

おしりの決まっている地上波の中継局にとっては長い6分間のアディショナルタイムに甲府は猛攻を仕掛け、スタンドのファン・サポーターもかなり熱くなって声で選手の背中を押したが、甲府の連敗は電車か船みたいになかなか止まらない。選手は自分たちのやるべきこと、やっていることを信じると話す。”わずか1点差”、”内容でも大きな差はない”。でも、勝てない甲府。ウイルソンのアシストをした武藤は「相手が引くことは分かっていたので、その間を狙っていた」と話しているが、内容がある程度よくても、見逃したところで決められるのは運が悪いだけなのか・・・。ベテランのコンディショニングを重視せざるを得ない日々のトレーニングで、ベンチ・ベンチ外の若手を伸ばす全体練習が不足しているのではないだろうか。同時に、若手にも自分で目的意識を持ってやるという自主性の不足もあるのではないだろうか。これも日々の積み重ね。3−4−2−1という新しいオプションの目処も立ち、パトリックも機能しそうなプレーだったので成熟させればよくなる希望はあるけれど、何か心にひっかったまま連敗が続いている。

仙台は、赤嶺真吾や松下年宏をベンチスタートさせて中2日の次節(ホーム 川崎F戦)向けて19人しか稼働していないフィールドプレーヤーの体力をセーブして後半戦最初の試合に勝利。内容には不満が残る部分もあるだろうが、武藤の台頭やウイルソンのキレの良さを見れば勝利が活力となって目標であるACL圏内以上に向けてアクセルを踏めそうな雰囲気。相当踏まないと難しい目標であることは確かだが、勝利がもたらす勢いが未知数なだけに武藤のような若手を30歳前後の経験豊富な選手がもり立て、活かしていけば前半戦になかった力が出てくるかも知れない。

残り試合は16。J1残留という目標に向かって難しい戦いが続く甲府、仙台も中位に甘んじないためにはケツに火がついたようなつもりで戦わないといけないだろう。共に燃料タンクに危機感の添加剤を入れてアクセルを踏めるか。16試合後にお互いに目標達成して、来年もアウェイ仙台戦を楽しみたい。

以上

2013.08.01 Reported by 松尾潤
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着