新潟が2-1で川崎Fに逆転勝ちした。0-1で迎えた72分、FW川又堅碁の今季13得点目で追い付くと、その2分後には途中出場のFW岡本英也が逆転ゴール。畳みかける攻撃の中でツートップが得点した。川崎Fは前半23分に、得点ランキングのトップを走るFW大久保嘉人のゴールで先制するが、新潟の勢いを止めることはできなかった。
わずか2分の間で、一気にひっくり返した。その中で川又と岡本は、サポーターとともに喜びを爆発させた。
最初に形にしたのは川又だった。左サイドを突破した金珍洙からのクロスを、岡本がヘディング。それを相手GKがはじいたところを、頭で押し込んだ。「もっと上を狙っていたんですが…」と泥臭いゴールに照れ笑い。それでも「詰めていれば、ボールが来ると思っていた」と得点への集中力が結果につながった。
お膳立てをした岡本が、その2分後に主役に躍り出た。田中亜土夢のパスを中央で受けると、フォローに入った川又とワンツー。最後は、相手に触られながらも、強引に左足でマウスに納めた。「堅碁とのワンツーは、練習でもあまりなかったけど、いい形ができた」。大事な場面で勝負強さを発揮した。
スタメンの川又と、田中達也に代わって後半から出場することが多い岡本。起用のされ方は異なるが、ピッチの上でのコンビネーションは抜群だ。「1歩引いて受けることと、堅碁と近い距離でいるように」(岡本)、「お互いがいい距離感でできている」(岡本)と、距離を大切にする共有意識がある。休日にはそろって外出するなど、プライベートでも仲がいい。ピッチに入ったとき、そこがあうんの呼吸となり、プラスに働いた。
新潟はこの勝利が今季9勝目。そのうち8勝が先制点を挙げた試合だ。先制を許しながら、逆転勝ちしたのはこの試合が今季初。「先制されたけど、慌てなかった。うちの方がアグレッシブだったので」。川又が言うようにチームに焦りは見られなかった。
立ち上がりから行っていた、前線からのプレスを継続。相手が後手に回った瞬間を逃さずに前に。その成果が、後半の逆転劇だった。柳下正明監督は「勝ちたい、という気持ちをピッチで表現できるようになった」。劣勢を跳ね返しての勝利に、選手たちの成長を見て取った。
川崎Fは、「らしさ」が見られなかった。23分、相手のミスからボールを奪った大久保が、隙を逃さずにミドルシュート。それまで攻勢に出ていた新潟にダメージを与えたかに思われた。
だが、リードしてから積極性を欠く。後半に入っても、普段の積極的に仕掛ける姿勢が見られたのは立ち上がりだけ。ハーフウエー付近で守備を固める形になり、攻め込まれたところでのバックパスも。プレスをかけ続ける新潟にとっては、絶好の流れになった。
「相手を勢いづけるようなパスが多かった。自滅です」。風間八宏監督は消極的なプレーを敗因に挙げた。大久保も「攻める気持ちがないように見えた」と厳しい口調で反省の弁。アウェイでいい形でリードを奪いながら、その流れを自ら手放した内容に悔いが残った。
新潟は順位こそ12位と変わりないが、ムードが高まる内容に結果が伴った。中3日で迎える次節磐田戦もホーム。連勝を狙う状況が整った。川崎Fはポテンシャルを発揮するためのメンタルが課題として表れた。ともに短期間で迎える次節までの調整に、この試合を生かすことが必要になる。
以上
2013.08.25 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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