チケットは今季初の完売。試合前には磐田のJリーグ昇格20周年記念イベントとして中山雅史氏、名波浩氏、藤田俊哉氏らクラブの“レジェンド”たちによるエキシビジョンマッチが行われ、スタンドを盛り上げた。
この試合、磐田は前節の[4-4-2]から[4-2-3-1]へ布陣変更。関塚隆監督のメインフォーメーションである[4-2-3-1]へ戻し、松浦拓弥が先発に復帰。ボランチには前節の湘南戦で加入後初出場を果たしたカルリーニョスを起用。小林裕紀と共に中盤で攻撃の舵取り役を担った。対するF東京は日本代表・高橋秀人がベンチスタート。米本拓司と長谷川アーリアジャスールがダブルボランチを組み、石川直宏を2列目に置く布陣でアウェイに乗り込んできた。
独特の高揚感に包まれたピッチで始まった試合。先にチャンスを作ったのは磐田だった。試合開始直後に右サイドから攻撃を仕掛け、最後は駒野友一がクロス。これをファーサイドの前田遼一が頭で合わせたが、シュートはゴール横に外れた。試合開始直後にチャンスを作った磐田は前半、F東京を上回る決定機を生み出している。打ったシュートは前半だけで『11』。36分には左サイドバック・宮崎智彦の縦パスを起点としたコンビネーションで山田大記がF東京・権田修一と1対1に。さらに山本康裕が2度惜しいシュートを放つなど相手ゴールに迫ったが、得点は奪えず。0-0で前半を折り返すことになった。
後半は前半無失点で耐えたF東京に流れが傾く。前半に打ったシュートはわずかに2本だったが、ハーフタイムにランコ ポポヴィッチ監督に「全員が受け身になっている!」と叱咤されると、攻撃のスイッチが入った。後半立ち上がりに太田宏介のFKをチャン ヒョンスが頭で合わせて磐田ゴールを脅かすと、60分には東慶悟がバー直撃のFK。さらにその直後には敵陣左サイドからのFKを石川直宏が合わせ、ゴールネットを揺らしたが、ゴール前でシュートの軌道を変えた渡邉千真にオフサイドの判定。後半は磐田の2本を上回る7本のシュートを放ったが、前半の磐田同様、ゴールを決めきることはできなかった。
試合後、F東京・ポポヴィッチ監督は「前半、後半で出来に非常にひらきが出てしまった」とゲームを振り返ったが、F東京とすればその言葉に尽きる。盛り返した後半は持ち前のパスワークで磐田守備陣を揺さぶり、ゴールまであと1歩のところまで迫っている。守備面でも59分にチャン ヒョンスの負傷退場というアクシデントがありながら、後半磐田に許したシュートをわずか2本。後半の戦いをよりコンスタントに発揮することが上位進出の鍵だろう。
一方、磐田・関塚隆監督は「守備面では(監督就任後)初めて無失点だったが、(攻撃面で)F東京さんをこじ開けることができず、非常に残念」と唇をかみ締めた。これで7戦未勝利。けが人が続出した守備陣の踏ん張りという収穫はあったが、“残留ライン”の甲府が勝利したことを踏まえれば、やはり勝点3という結果が欲しかった。それでも、ボランチとして存在感を見せた新戦力・カルリーニョスはこう言いきる。「チームが正しい道を歩んでいると確信している。とにかくそこを突き進むしかない」。
結果的に前節・湘南戦と同じ勝点1。だが、湘南戦の試合後、選手たちに厳しいブーイングを浴びせたサポーターはこの日、選手たちに最後の最後までポジティブな声援を送った。指揮官が「11人が一つになり、攻守に渡っていい距離感で戦ってくれた」と語った通り、チームとしての一体感、球際の攻防などスタンドに“伝わるもの”があったということだろう。依然として17位と厳しい状況にいる磐田だが、力強いサポーターと共に降格圏脱出を目指す。
以上
2013.08.25 Reported by 南間健治
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