ホッとしている暇はまったくない。群馬は前節千葉戦で一時逆転されながらも執念で追いつき価値ある勝点1を獲得。最近5試合を2勝3分の負けなしで乗り切り、じわじわと勝点を積み上げている。今節、20位群馬がホーム正田スタに迎え撃つのは、勝点4差で上を走る16位愛媛。群馬にとっては愛媛との勝点差を一気に詰める絶好のチャンス。群馬は、2004年のJFL時代にJ2昇格を懸けて凌ぎを削ったライバルを倒して残留争いへ引きずり込む。
前節、千葉戦のドローはチームの底力を示すゲームだった。小林竜樹のゴールで先制しながらもその後に逆転を許す嫌な展開。だが群馬はあきらめなかった。途中出場の横山翔平がミドルレンジから放ったシュートが相手守備陣の足に当たってゴールへ転がり込む。群馬県は夏の甲子園で全国優勝を果たした前橋育英の話題で持ち切りだが、同校出身の小林と横山のゴールで勝点1を得たのも、何かの巡り合わせ。最近3戦2ゴールの横山は「母校の大きな感動を自分の力に変えて、ホームでの自身初ゴールを決めたい」と話す。群馬は地域に吹く強烈な追い風に乗って愛媛撃沈を狙う。
また新ブラジル人FWロビーニョの出現も群馬にとっては心強い。来日2戦目となった千葉戦では後半12分からピッチに登場。パワフルなチェイスで相手DFからボールを奪うと、キレ味鋭いドリブルで敵陣を突進しゴールを脅かした。ドリブルで仕掛けるプレーと、きっちりとボールを繋ぐプレーの使い分けもできるクレーバーなプレーヤーで群馬にとっては大きな戦力となるのが確実。ロビーニョは「一日でも早くゴールを決めてチームの勝利に貢献したい」と初ゴールを待ちわびる。ロビーニョの存在は、今ゲームのリーサルウェポンとなる。
愛媛は前節札幌に0−3で敗れはしたもののそれまでの3試合は負けなし。ホームで京都を2−0、北九州を3−0破るなど勢いに乗せると手がつけられない。ただ愛媛が得意とするのはホームでの戦い。今季の愛媛はホームで7勝3分6敗と勝ち越しているがアウェイでは2勝2分9敗と大きく負け越している。愛媛は前節札幌戦後、札幌市内に留まり、そのまま前橋入りしてゲームに備える。北海道と群馬はかなりの気温差があり、愛媛にとってはコンデション面を含めて過酷なアウェイ連戦となるのは間違いない。
群馬が警戒しなければいけないのは、愛媛の前線3枚だ。1トップの重松健太郎、シャドーの加藤大、河原和寿は3人の流動的なアクションでゴールを奪い切るアグレッシブさを持ち合わせる。その中でも特にケアが必要なのは河原。8節のアウェイ戦でも先制ゴールを決められているが、河原が栃木にいたときから煮え湯を飲まされ続けている。河原がゴールを決めるとチームが勢いづくだけに群馬守備陣はゴールを許してはいけない。北は「愛媛に勝って8月を無敗で乗り切りたい」と気持ちを込める。
残留争いの断崖絶壁を登る群馬にとって愛媛戦は越えなければいけない難所だ。勝てば愛媛との勝点差は1となり、下位争いは混沌としてくる。逆に敗れれば再び奈落の底が待っている。5戦負けなしの群馬はチーム好調の一方で、気持ちの隙も散見される。自信を持つのはいいが、それが過信につながったらチームは簡単に失速する。好調だからこそチーム全体を引き締めなければいけない。「愛媛戦がタフなゲームになることは間違いないので心の隙をみせてはいけない」(秋葉監督)。20位の群馬はまだ何も手にしていない。歯を喰いしばって壁を登り続けた先にだけ勝点3という報酬がある。
以上
2013.08.24 Reported by 伊藤寿学
J’s GOALニュース
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