岐阜にとっては辛島啓珠新監督になって3試合目となる今節。初采配となったアウェイ・北九州戦では0-2で敗れたが、前節は3位の千葉を相手に、1-1のドロー。貴重な勝点1を積んだ。
辛島監督に変わってから、これまでのマンツーマン気味で、個の判断に任せていたディフェンスから、組織として約束事を決めて、その中で全体で持ち場を持って連動してプレスをかけるゾーンディフェンスに切り替えた。北九州戦はそれがうまくフィットせず、クロスから先制点を決められると、終了間際に手痛い追加点を奪われて敗れた。
だが、千葉戦は相手が積極的にくさびを打って攻めるのではなく、中盤でつないでラストパスを裏に狙ってきたこともあり、大きなほころびを見せることなく、ゾーンディフェンスを機能させることができた。痛かったのは開始早々の失点であり、それ以降は全体がうまく連動し、特に益山司のスーパーゴールで同点に追いついてからは、危なげない対応を見せていた。
それだけに3試合目となる今節は、この2試合で出た課題をしっかりと修正し、どこまで守備を機能させられるかが大きなポイントになる。千葉戦でも不安要素はあった。それはサイドバックのポジショニングだ。特に守備から攻撃に切り替わって、そこからさらに奪われて守備に転ずる時にサイドバックのポジショニングが中途半端になり、そのスペースを相手に狙われるシーンが多々あった。ゾーンディフェンスはポジショニングが大事で、スタートのポジショニングを修正しきれないでいると、そこからほころびが生まれてしまう。いかにDFラインがスタートポジションを意識した中で、状況に応じて適したポジショニングが取れるか。岐阜はショートカウンターが攻撃の軸だけに、カウンターのカウンターのケアは必要不可欠のもの。この質をどこまで上げられるか。ここに注目したい。
対する東京Vは、ここに来て3連敗と非常に苦しい状態にある。第27節の福岡戦を0-2から後半に3点を奪って3-2で逆転勝利を飾り、さらに第28節の長崎戦も2-1で勝利し、2つの引き分けを含めて6戦無敗としていた。だが、この6試合とも完封試合はなく、6試合で10失点。福岡戦の試合後にFW高原直泰が「もっと戦う気持ちを最初から持たないと前半のようになってしまう。技術よりも勝ちたい気持ちをもっと前面に出さないといけない。今日は後半に巻き返すことができたけど、今日のような試合はなかなか無い。教訓にしてやらないと、成長していかないと思う。勝ったからOKではなく、なぜ追いかける展開になってしまったのかを考えないといけない」と、チームに大きな警鐘を鳴らしていた。
しかし、3連敗という事実を見ると、高原の指摘がうまく改善されていないことが分かる。3連敗において、岡山戦は42分に失点、神戸戦は18分に失点、松本戦は43分に失点と、すべて前半のうちに先制点を取られている。常に追いかける展開からスタートをしてしまい、勝ちきれないままに終わっている。それだけにこの試合はいかに全員が立ち上がりから集中力を切らすことなく、先制点を与えないかがポイントとなる。
石神直哉、刀根亮輔、井林章の3バックがいかに、両ウィングバックと連携を取りながら、中央を固められるか。岐阜は3バックの両サイドを狙ってくるだけに、サイドの攻防で後手を取らず、かつ高い位置で勝負できるか。ボランチの鈴木惇のプレーも大きなカギを握る。
最下位の岐阜はもう一つも落とせないところに来ている。「守ってばかりでは勝てない。最近あまり点が取れていないので、守から攻の切り替えの質を高めて、しっかりと点が取れるようにしていきたい」とDF新井辰也が語ったように、岐阜は全員で守って全員で攻めて、勝ちきるために意識を高めている。もう後がなく、捨て身で来る相手に、東京Vはどう対応するか。メンタルの差が、そのままスコアと勝敗に直結する試合になるだろう。
以上
2013.08.30 Reported by 安藤隆人
J’s GOALニュース
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