9月最初のゲームとなるこの第32節。北海道札幌市の厚別公園競技場では現在勝点47で7位につける札幌が、同44で9位の岡山を迎えて対戦する。この節の結果によっては札幌がプレーオフ圏内の6位に入り込む可能性もあり、その札幌と岡山も僅か1ゲーム差。季節も徐々に秋へと近づくに連れて、いよいよリーグは本格的な混戦となってきた。
ホームの札幌は前節、敵地で水戸に3−1のスコアで勝利。水戸に先制点を許す苦しい展開となるも、76分に上原慎也、85分フェホがそれぞれ頭で決め、試合終盤に高さを生かして一気に逆転。アディショナルタイムに内村圭宏がダメ押して勝利を決定づけた。
この試合は、前述したように高さのある選手の活躍が大きかったことは間違いないが、財前恵一監督のベンチワークも冴えた。後半途中に河合竜二を中盤の底に入れたことでチーム全体が一気に引き締まったし、エース内村を敢えて途中から起用したことも最後の得点につながったはず。「内村は最初から、後半から使おうと思っていた。調子が悪いから先発から外したわけではなく、コンディションを考えて」と説明。河合についても「ここ最近、先に失点することがあって、バタバタすることがあった。その辺を含めて、河合を入れたことで落ち着いた」と話す。
3連戦の最後の試合であることを考えたうえでのエースの使い方、さらに、チーム状態を見極めての精神的主柱の投入。選手の頑張りも見事ではあったが、監督のマネジメントも非常にうまく機能したと言っていいだろう。
また、その3連戦を前に財前監督は「3連戦も含め、ここから先は2勝1敗のペースを目指して戦おう、と選手に話した」という。最初のG大阪戦には敗れてしまったものの、そこからしっかり愛媛、水戸を倒し、最初の3試合でしっかりペースを維持できたことも、チームにとっては大きいだろう。いい流れが生まれつつあると言える
一方で、アウェイに乗り込む岡山の前節はホームで栃木と対戦して1―3で敗戦。ここで勝っていれば3連戦を3連勝で終えることができていただけに、「残念な結果になってしまった」と影山雅永監督は悔しそう。後半立ち上がりに2点を先行されてしまい、相手は堅守速攻を得意とする栃木だけに、その後はうまくコントロールされてしまった試合だった。
ただし2点を先行され、相手が守備ブロックを強固に形成してからも、岡山は丁寧にボールをコントロール。慌てることなくバイタルエリア、サイドになんとかスペースを生み出すべくボールを動かしてチャレンジを続けた。結局、金民均の1得点のみに終わってしまったものの、そうしたプレーは岡山のスタイルをしっかりと打ち出しているし、結果にはつながらなかったものの悪いゲームはしていない。
そんな自チームに対して指揮官は「いろんなことを選手たちはある程度リスクを背負いながらやってくれた」と称え、「こういうチームを破れるような、攻守にわたって躍動できるチームにしていきたい」としっかり前を見据える。3連勝こそ果たせなかったものの、チームの流れはうまく保たれていると見ていいだろう。
さて、そんなチーム同士の対戦だが、それぞれがどういった試合の入り方をしてくるのか。そこに注目したい。札幌も岡山も、基本的にはどちらもボールをしっかり動かしながら攻めていくチーム。デーゲームとはいえ、9月の北海道はすでに涼しくなっていることが予想できるだけに、運動量も保てるはず。
ただし、冒頭で前述したように、どちらも6位以内がしっかりと視野に入っている立場。勝ちたい気持ちは強いだろうが、同時に、勝点ゼロは避けたいという気持ちも強いはず。その辺りで攻守のバランスを取ってくる可能性がどちらもあるだけに、そこは注目したいところだ。そして札幌は奈良竜樹、上原慎也、フェホの3選手が出場停止。こうした部分がどれだけ試合に機微に影響してくるのかもまた、注視したい。
以上
2013.08.31 Reported by 斉藤宏則
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第32節 札幌 vs 岡山】プレビュー:6位入りのチャンスが見えてきたチーム同士の対戦。どちらも3連戦を2勝1敗の好成績と、いい流れがあるだけに、好ゲームになること間違いなし。(13.09.01)
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