ガンバ大阪にとって、3試合ぶりとなるホームゲームは、3位のV・ファーレン長崎を迎えての上位決戦。両者の勝点差は首位のG大阪が67に対し、長崎が53と、数字的にはやや開きはあるが、直接対決は勝点3の倍の価値があると考えても、G大阪にとっては盤石に終盤戦を戦い昇格を決めるために、長崎にとっては自動昇格圏への望みを繋げるために、是が非でも勝点3が欲しい一戦となる。両者の勝利への意欲がピッチで熱くぶつかり合うことになるだろう。
前節、横浜FC戦をドローで終え連勝が4で止まったG大阪。だが、その前節も含めて8戦不敗と「負けなし」の状況に変わりはなく、それゆえ、チームにダメージもない。今節もこれまで同様、自分たちの戦いを追究する中で勝利を目指すことになりそうだ。
ただ、修正すべきところはいくつかある。その1つが、ここ2試合続いている早い時間帯での失点だ。7月以降に示している得点力、またJ2リーグの中でも他を寄せ付けない圧倒的な得点数(71)を見る限り、仮に先手を取られたとしてもそれを取り返すだけの攻撃力を備えているG大阪だが、『先制点』を先に与えることのダメージは少なからずある。MF大森晃太郎が「獲られても獲れているとはいえ、先手を与えることで自分たちに何らかの負荷がかかることになるのは間違いない」と話す通りに。しかも、特にこの終盤戦は、首位のG大阪から先制点を奪うことによって相手チームがより強固に守備を固め、勝点を確実に手にする策を敷いてくることも十分に考えられる。だからこそ「今のガンバには、チーム全体に点を獲れるという確信があるとはいえ、より自分たちの意図した形で90分間試合を進めるためにも、僕らが先に先手を獲って試合を進めたい」とMF宇佐美貴史は言う。その上で「確実に勝点3を掴み、下位のチームを引き離したい」と。
ちなみにその宇佐美は、ここまで出場した7試合で7ゴールとハイペースでゴールを量産し続けている。単純に1試合1ゴールの計算だが、残り11試合でこのペースが続けば、得点王争いも決して夢ではない。6戦7発のFWロチャと共に、その得点力でチームを牽引して欲しい。
長崎は前節の鳥取戦を勝利し、2試合続けての完封勝利。それにより順位も3位にあげるなど、右肩あがりの勢いを示す中で万博記念競技場へと乗り込んでくる。前回の対戦、ホーム、長崎県立総合運動公園陸上競技場にG大阪を迎えての一戦は同スタジアムの「こけら落とし」にふさわしく、18153人もの観客が注目する一戦となったが、前半のうちに3点を奪われ出ばなをくじかれる結果に。後半は運動量を活かして盛り返しはしたものの1点を返すのが精一杯となり、同じ『J2初参戦』ながらも力の差を認めざるをえない内容で1−3で敗れた。その試合後には「ガンバのボール回しについていけなかった。相手のスピードに慣れる前に失点し、更に追加点を獲られたのが残念」と高木琢也監督。試合の入りの悪さを悔やんだが、それ以降の戦いを続ける中では、毎試合、そうして浮き彫りになった課題を着実に改善し、チームとしての安定した力を備えてきたからこそ、今の順位がある。その自信を胸に、ホーム戦とは明らかにチームが『変化』していることを長崎サポーターに、そして、対戦相手であるG大阪に示す一戦になることを期待したい。加えて、ここ2試合の完封勝利にも表れているように、神戸と並んでリーグ最少の失点数を誇る守備が、G大阪の攻撃力をいかに押さえ込むのかも見どころの1つになりそうだ。
以上
2013.08.31 Reported by 高村美砂
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