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【第93回天皇杯 4回戦 清水 vs 仙台】レポート:アウェイで結果にこだわる戦いを見せた仙台が思惑通りのアイスタ初勝利。清水はチャンスを決めきれず、相手の術中にはまる(13.11.17)

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「これがトーナメントメンタルだ」。
手倉森誠監督が試合後に選手たちに伝えた言葉が、仙台の戦い方を象徴していた。手倉森監督自身が就任してから勝ったことがない相手・清水に対して、これまでは「自分たちの力を示してやろうと、主導権を握ってねじ伏せようと気負った戦いで、逆にカウンター気味に敗戦を喫してきました。だから今日は、我々が敵地でチャレンジャーとして、守備から入ろうという話をして入りました」。
その言葉通り、立ち上がりの仙台は無理に主導権を握ろうとせず、ややセーフティーに守備から入る戦い方を見せた。それに対してエースの大前元紀を欠いた清水は、村松大輔をベンチスタートにさせて、杉山浩太と本田拓也の2ボランチという初めての形にトライ。ビルドアップの際には、杉山が1列下がってDFラインから的確に配球し、その前で本田が自由に動いてスペースでボールを受け、もうひとつの起点になった。さらに2列目にも右に竹内涼、左に河井陽介とボールを持てる選手が入ったため、パスを回してボールを前に運ぶという面では、最近の試合の中でも出色の出来だった。さらに、ボールを保持できているため全体をコンパクトに保つことができ、中盤でボールを奪ってからの速攻も生きた。サイドからクロスを供給してチャンスにつなげる場面も多かった。
ただ、仙台もここぞという場面では鋭い攻撃を見せ、清水のスキをついてチャンスを作り、決定機の数や質では負けていない。押される展開ではあったが、清水のGK・櫛引政敏の好守がなければ、仙台が先制してもおかしくない展開で前半は0-0で折り返した。ここまでは、仙台にとって思惑通りの展開。指揮官も選手も、後半勝負に向けて態勢を整えていた。

後半は、「向こうがFW2枚でしっかり前から追ってきて、相手のボランチもしっかりついてきたから、間、間でボールを受けられなかった」(本田)と仙台が守備を引き締め、逆に清水のプレスが少し落ち着いたことにより、前半よりも仙台がボールを保持して押し込む時間が多くなっていく。逆に清水のほうで光ったのが、ボランチ杉山の鋭い出足によるインターセプトで、そこからのカウンターで清水がチャンスを作る場面が多くなった。
仙台として無理に主導権を握りにいったわけではないが、流れとしてはこれまでのイヤな記憶を呼び起こすような展開。しかし、「カウンターに出てくる勢いというところで、清水が精度を欠いてくれている部分は、ゲームを通じて感じていた。それを選手たちも感じていたと思うし、敵地で落ち着いて冷静にやろうという話をして、選手たちはその通りに状況を見て慌てずに対応してくれたと思っています」(手倉森監督)と、危ない場面も全員で身体を張ってしのいだことが先制点につながった。
迎えた後半37分、清水がヨン ア ピンの右ロングスローからビッグチャンスを作り、それをセーブしたGK林卓人のロングキックから一気に逆襲をスタート。戻りが遅れた清水の選手たちを尻目に、途中出場の佐々木勇人が右の裏に抜け出し、早いタイミングでクロスを入れると、逆サイドから飛び込んだ梁勇基が頭で合わせて、きれいに右隅に押し込む。ピンチを耐えた仙台が、ものの見事にカウンターから値千金の先制点を奪った。しかも、この場面で生かしたのが、清水のウィークポイントのひとつである右サイドバック・石毛秀樹(本来は守備が本職ではない攻撃的MF)の背後。冷静に勝負所をうかがうという意味では、仙台のほうが一枚上手だったと言わざるを得ない。

その後は、清水がケガの完治していない高木俊幸を強行出場させて反撃に出る。高木俊と村田和哉の両翼がダイナミックに動き、セットプレーも絡めてビッグチャンスも作ったが、終盤はGK林が好セーブを連発して仙台が最後まで無失点に抑えきり、貴重なアイスタでの初勝利と準々決勝進出をつかみとった。この勝利の大きさは、試合後の会見で見せた手倉森監督の子どものような笑顔と「うれしいです!」という第一声がよく物語っていた。

一方、リーグ戦の終了前に天皇杯が終わってしまったのは、2004年以来9年ぶりとなる清水は、チャンスの数では明らかに上回ったが、とくにラドンチッチが不発だったのは痛いところ。身体の切れがもうひとつなのか、周囲が何本もクロスを彼に合わせたにも関わらず、ヘディングに力がなく、ボールが浮いて枠に飛ばなかったり、GKにキャッチされたりするシーンが目立った。「いくら良いつなぎをしても、最後に決めなかったら負けてしまう」(本田)。当たり前だが、なかなか思うようにいかないサッカーの難しさを、あらためて痛感させられる敗戦となった。

以上

2013.11.17 Reported by 前島芳雄
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