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【J1:第4節 名古屋 vs 神戸】レポート:若手の活躍で逆転した名古屋はリーグ3連勝。順位を4位にジャンプアップさせ、一躍上位陣の仲間入りに。(14.03.24)

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西野・名古屋のレベルアップが止まらない。劇的な成長ではなく、着実な成長をもって、リーグ3連勝である。敗戦の中に可能性を見せた開幕戦、見事な連係で得た得点を守り逃げ切った2節、そして膠着した展開から1点をもぎ取り勝利した3節。3日前のヤマザキナビスコカップ開幕戦では、若手たちが大いなる可能性を見せてくれた。停滞することなく進歩を続けるチームが今節で見せたのは、先制されても追いつき、逆転しての勝利である。その歩みは実に確かで、実に頼もしい。

リーグ4節目にして、名古屋は選手の入れ替えを施して試合に臨んできていた。一つは意図せぬスタメンの変更だ。開幕から右サイドバックの一番手としてプレーしてきた田鍋陵太が気管支の不調でこの日はメンバーにも入れなかった。代役はヤマザキナビスコカップでこのポジションを務めた森勇人が有力視されていたが、西野朗監督はここまでベンチにも入れていなかった刀根亮輔をチョイス。試合前には「フィジカルが90分持つかがわからない」と不安要素を口にしていた指揮官だったが、神戸のサイドアタッカーの強力さを考えれば、本職がトップ下の森ではなく、CBもこなす刀根を選んだのもうなづける。意図的な入れ替えとしてはベンチに望月嶺臣が加わった点だ。カップ戦でゲームメイカーとしての能力を存分に発揮した2年目の19歳は、同じ試合で精彩を欠いた永井謙佑に代わってメンバー入り。健全な競争原理がそこにあることがわかるこの起用は、今後のチーム全体のモチベーションも大いに上げていくことだろう。

対する神戸もリーグ戦前節とカップ戦とのハイブリッドでメンバーを構成。負傷の高橋峻希に代わり右サイドバックを奥井諒が務め、ボランチにはシンプリシオが出場停止から復帰。左サイドハーフには好調の松村亮ではなく、負傷から2試合ぶりに復帰したキャプテン小川慶治朗が入った。そしてDFラインの中央には初の古巣対決となる増川隆洋もおり、負傷の高橋を除けばベストメンバーといえる11人が瑞穂のピッチに揃った。

試合は前半早々から動きのある展開となった。3分、5分と小川佳純がシュートと直接FKで神戸ゴールを脅かした名古屋が先手を取ったものの、前がかる名古屋の裏を突くように神戸がパスカットからのショートカウンターでいきなり先制。森岡亮太のスルーパスに抜け出し、追いすがるDFを振り切ったペドロ ジュニオールがGKとの1対1も制したのは8分のことだ。

しかし名古屋は気落ちせずに挽回し、すぐさま同点に追いつく。16分、こちらも田中マルクス闘莉王のインターセプトから左サイドの小川、中央の玉田圭司、右サイドに開いたケネディと一気にボールを動かし、グラウンダーの折り返しを走り込んだ磯村亮太がダイレクトでゴール左隅へ。低くインパクトされた良いシュートだったが、闘莉王のインターセプトからの流れ自体も非常にスムーズでスピーディーなもの。ショートカウンターは名古屋の一つの武器になりつつある。

早々に振り出しに戻ったゲームはその後は膠着する。互いに攻め合うも決定機には至らず、前半のシュート数も名古屋5本に神戸3本と、スコアに見合わぬ数字に。ハーフタイムに西野監督が「組み立てのポイントをもう少し前に置け」と言い、神戸の安達亮監督も「ピッチを広く使ってどんどんボールを動かしていこう」と選手たちに指示したのは当然のことだった。

後半は流れとしては互角も、攻撃の積極性からすれば名古屋が主導権を握った。開始早々の48分にケネディが得たPKは自身が蹴ってGKに止められたが、直後の4分にケネディがヘディングシュート、6分には左からのクロスに玉田が飛び込みチャンスを作った。65分には神戸のペドロ ジュニオールが抜け出しシュートを放つもこれはGK楢崎正剛の正面。23分には森岡が持ち込みミドルシュートを狙うも、枠をとらえきれなかった。

そして1−1のまま引き分け濃厚かと思われた87分、西野監督の采配が的中する。スローインの浮き球を粘り強くケネディが小川につなぐと、迷いなく出したスルーパスに反応したのは81分に玉田に代わってピッチに投入されていた松田力。並走するDFを切り返し一発でかわし、GKの上を抜く冷静なシュートをゴール左隅へ流し込む。昨季は特別指定選手として9戦4得点を挙げた期待のストライカーの、プロとしては初となるゴールで名古屋は逆転に成功した。その後は西野監督が「守備と全体をコントロールしてほしい」という中村直志を投入し試合をクローズ。交代の意図と展開ががっちり一致した試合運びで、そのまま逃げ切った。

どちらの指揮官も選手も異口同音に「自分たちのサッカーはできた」と言う中で、その後に続く言葉は、神戸は「最後の部分の精度。決定機にいかに持っていくか」だった。それは前後半3本ずつというシュート数に最も現れている。だが、ポゼッションとプレッシングを軸としたスタイルは実に好感が持てるもの。増川が「これをやり続ければ面白いサッカーができる。次は勝ちますよ」と語ったのは決して強がりではない。

3連勝で4位に浮上した名古屋だが、それでも兜の緒を締める。玉田は「後半になるとプレッシャーがかけられなくなって、引いてボールを回されてしまう」と試合運びに反省点を見出し、闘莉王は「チャンスはいっぱいあって、そのあと逆襲を喰らう。多少は攻め疲れのところもあった」と決定力に注文をつけた。ダニルソンは「ミスが多くて余計なエネルギーを使ってしまう」と言い、指揮官も同様にミスから流れを悪くしていると問題点を挙げた。課題の列挙は勝利しているからこそポジティブに映る。慢心を排除し、改善に勤しむ。勝点3を奪う勝負強さは、そうした部分に依拠するものだ。この一戦でもまた成長の糧を手にした名古屋はどこまで連勝を伸ばすのか。次戦は苦手とする等々力での川崎F戦だけに、進化は勝利への必須条件となる。

以上

2014.03.24 Reported by 今井雄一朗
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