練習は、2部練習の日を除いておおむね午前中に行っている北九州。4月3日も練習場の新門司球技場で午前10時から1時間半ほどトレーニングを行い、取材陣も正午過ぎまで選手や監督を囲んでいた。
そのあと選手たちはそれぞれランチに向かったりジムに行ったりと思い思いの目的で新門司を後にしたわけだが、柱谷幸一監督や大嶽直人コーチはずっと残ったまま。試合に備えたミーティングもあるので当然と言えば当然ではあるものの、残った理由の1つは育成への強い関心があるからだ。
この日は午後から北九州のユース選手約20人がフィジカルテストに臨むことになっていて、コーチングスタッフ全員が鋭いまなざしで視察を行ったのであった。ユースのテストへの現コーチングスタッフの視察は今回が初めて。練習場所が異なったり、スケジュールが合わなかったりと、ユースとトップチームの交流はなかなかできていなかった。
ウォーミングアップでは吉満樹フィジカルコーチが直接指導。「サッカーはボールを蹴るだけじゃなく、いろいろな動きが出てくる」と身体の柔軟性やバランスなどを説きながら徐々に体を温めた。
北九州は3月28日にユースから福岡県立折尾高校3年の梶原夕希也選手がトップチーム2種登録されたばかり。梶原選手が北九州ユースからは初めての登録。クラブのJリーグ参入から5年が経って「初めて」ということからも育成がまだまだ発展途上にあることはうかがえるが、指導体制や練習環境も整備されつつあり今後が楽しみなところだ。
フィジカルテストでは走力、跳躍力なども計った。柱谷幸一監督も熱心に記録用紙をのぞき込み、「なかなかいい記録だな」「ちょっと遅いかな」とほかのコーチらと話していた。
「小さなクラブだからできることがあるんですよ」とは豊島幸一GKコーチ。「トップチームのコーチがいるという緊張感の中で、いい記録が出せれば目に止まるかもしれないし、僕らもユースや普及の発展のために今後はトレーニングにも参加してみたい」と話し、小さなクラブだということを逆手に、緊密に連携していきたい考えを示してくれた。
もちろんトップチームとユースでは記録にも大幅な違いがあるし、ユースで優秀だからといってトップチームで対等に渡り合えるわけでもない。でもその差を体感し、自分磨きに生かせるチャンスが多いのは、ユースとトップの距離が近いクラブだろう。北九州市に生まれ、北九州で育った選手たちがより多くピッチで躍動するようになれば、もっと身近なギラヴァンツ北九州ができていくはず。ユースにもしっかり目を配っていきたい。
以上
2014.04.07 Reported by 上田真之介
J’s GOALニュース
一覧へ【J2日記】北九州:小さなクラブだからできることがある! 柱谷監督などがユース視察(14.04.07)
(C)上田 真之介
身体の使い方について熱心に説明する吉満樹フィジカルコーチ
(C)上田 真之介
ユースのフィジカルテストを視察し、記録を見つめる柱谷幸一監督(右から2人目)らトップチームの関係者
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