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【J1:第17節 広島 vs 甲府】レポート:共に悔しい勝点1。慢性的な課題に苦しむ広島、甲府の対策を跳ね返せず。(14.07.28)

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やはり、広島はボールをつながないと、安定した戦いはできない。最近はつくづく、それを実感する。
中断前、何度かつなぎのミスから、何度か失点したシーンがあった。その体験がネガティブな思考へとつながったとしても、確かに無理はない。「割り切って蹴って、ゲームを切ることも必要」と選手たちは言葉を発するが、それは「時に必要」というレベルであって、蹴ることに頼るのは広島のサッカーに合わない。

失点前から、広島はボールを後ろから何度か蹴っていく傾向にあった。前線の選手やサイドにしても、プレスをかけてくる甲府をいなして裏をとるのではなく、一気の縦パスを狙っていた。だがそれはある意味、甲府にとっての思うつぼだ。
21分の甲府のゴールは、林卓人のロングボールを受けに入った石原直樹に佐々木翔がプレッシャーをかけてボールを奪ったところからスタート。ワイドに開いていた水本裕貴の位置を把握した石原克哉がフリーでボールを受ける。クリスティアーノも当初は塩谷司のマークを受けてはいたが、石原があまりにフリーだったために塩谷が位置取りを迷ったその隙をついて、スルーパスを呼び込んだ。甲府の動きは広島の最近のプレーを研究し尽くしたからこそ生まれたものであり、それは「ここ最近の失点パターン」という森崎和幸の指摘が証明する。
「前からプレスにこられた時、そこで(ボールをつないで)打開できずクリアボールを拾われ、守備で後手に回ってしまっての失点。この部分は、どんな相手も狙ってくるはずだから」
パスをつなげないという状況は、決してパスの出し手だけの問題ではなく、受け手も含めたチームとしての組織的な課題である。受けにくるタイミングが出し手との呼吸が合わないとボールは有機的な形につながらないことは、物理的な真理。失点シーンも、ストッパーはそれぞれサイドに開いてボールを受けようとしたが、林の選択は真ん中。それは悪くはない。だが、そこで「次の受け手」が現れないと、ハイプレッシャーをかけられてボールは失ってしまう。逆に言えば、サポートさえあれば、たとえ最初の受け手が失ったとしても、攻守共に次の一手が打てるわけだ。全ての局面でそれができていないとは言わないが、ミスが起きた時に対処できないのが今の広島である。

33分のアクシデントも、広島にとっては不利益に働いた。右からのクロスに石原克哉が飛び込む。林も飛び出す。ところが、ジャンプしてきた石原の足の裏が林の肉体にめり込んでしまった。もちろん事故ではあるが、当たり所が悪ければ大けがにもつながる場面。今村義朗主審が掲げたレッドカードも致し方ない。
ただ甲府にとっては、これでやり方が明確になった。もし11人であれば、やはり攻撃をもっと意識したくなる。確かに前からのプレスで主導権も握っていたが、それは一方でリスクも伴う。相手が前にかかってきた時に生まれる隙を広島は狙っていることも現実だ。ところが、10人になったことで甲府はクリスティアーノを一人残して、全員が引かざるをえない。右サイドに1対1に強さを持つ松橋優を入れ、稲垣祥を本職と言える中盤において運動量を増幅させた。もちろん、守備を意識しての采配である。
広島は後半、塩谷を右に置いて中央にファン・ソッコを配置。前半戦、得点を量産した33番の攻撃力にを期待した。また森崎和幸が自らの判断で攻撃時も最終ラインのサポートに入らず、より前に厚みを持たせるように工夫した。さらに皆川佑介を入れて高さを増強し、ミキッチでサイドの破壊力を増し、森崎浩司の「3人目の動き」をオプションとして加えた。引いた相手にできることは試みたが、ネットを揺らすことはできない。それでも諦めずに続けた結果として、ミキッチのクロスを皆川が落とし、今節は再三にわたって前線に絡んでいた柴崎晃誠のダイレクトシュートがネットに突き刺さった。広島は、救われた。

両チームとも、勝点3を取れた試合だった。甲府はあと少し守り切れれば勝利を得られたし、広島は10人の相手を崩しきれなかった。共にストレスがたまり、共に勝点1に不満と安堵を交錯させる戦いとなった。ただ、自分たちのサッカーを徹底できていたのは、どちらかといえば甲府である。11人の時の躍動感、10人になった時の粘り。「ザ・甲府」と言える全員サッカーで広島を徹底的に苦しめた。
一方の広島は、非常に厳しい戦いが続いている。失点が連続しているのは、決して偶然ではない。そしてそれは、守備陣だけの課題ではないこともまた、明白だ。鹿島戦まで時間はある。全員で意識を高く持ち、問題意識を共有していくこと。うまくいっていることもある。ネガティブにもポジティブにも振れすぎず、チームを冷静に見つめたい。

以上

2014.07.28 Reported by 中野和也
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