今季、アウェイでの勝率すこぶる悪い。１勝８分５敗。高松大樹が、「混戦から抜け出せないのはアウェイで勝っていないから」と言うように、連勝が２度しかないチームは、勢いに乗れずにいる。

なぜか。要因は様々だが、やはり長距離移動が挙げられる。クラブハウスから大分空港までバスで１時間、福岡空港までは２時間はかかる。そこから飛行機で各空港に飛び立ち、また、バスで移動。これを２週に１度は強いられるのだから、慢性的な旅疲れである。

しかし、逆を言えば、ホーム戦では相手チームが強行移動を強いられるのだから五分五分ではある。おかげでホームの勝率は10勝１分３敗と利を生かしている。

今節、愛媛戦は『バス→フェリー→バス』と船旅になる。「フェリーは旅行気分になるから、フワッとなり引き締めるのが大変」とヤキモキしているのは田坂和昭監督。今季のアウェイでは、当日の朝にトレーニングを組み込んだり、試合会場のロッカールームにテレビを持ち込み試合の映像を流したりと、試行錯誤を繰り返し、何とか結果を出そうとしている。

アウェイの長旅と付き合って14年の高松は、「移動の時間の使い方が大事」と心得ている。旅の達人は、いかにリラックスした状態を保つかを考えているらしい。「大樹さんはDVDを観て突然大笑いしていたかと思えば、いびきをかいて寝ている」とはチームメイトの証言だが、敢えて何も考えないことが必要なのかもしれない。

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2014.08.29 Reported by 柚野真也