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[ 2006 ゆく年くる年:水戸ホーリーホック ]
【2006 Memorial Scene】
10月8日 ―― 水戸サポーターなら決して忘れられない日だろう。天皇杯3回戦で地域リーグ・静岡FCに敗戦。クラブ史上はじめてアマチュアに負けたのである。この負の歴史をバネにすることができるか。審判は来季の結果に下されるだろう。
【水戸ホーリーホック Playback 2006】
3歩進んで2歩下がるような1年であった。昨季から大幅に変わったメンバーの中、前田監督はまず守備の組織づくりを徹底。そして、攻撃は個人技に長けるアンデルソンを生かしてのカウンターという戦いが功を奏し、第2クール終了までに8勝をマーク。下位争いからは抜け出す格好となった。だが、攻撃力の貧弱さは顕著で、シュート数が5本以下という試合も珍しくなかった。
そこで前田監督は第3クールからポゼッションサッカーへと切り替え、攻撃面へのテコ入れをすることとなった。徐々にチーム全体に攻撃の意識が身につき、第30節から5連敗を喫しながらも着実にサッカーの質は上がっていった。しかし、内容は向上しながらも結果が出ないことで選手たちは自信をなくしてしまい、動きに切れがなくなっていった。そして、第39節から7連敗という泥沼に陥ることとなってしまったのだ。攻撃も守備もすべてが崩壊。前田監督も頭を抱える日々が続いた。そして、終盤は再び原点回帰の守備的サッカーで復活。東京Vに4−1で勝つなどチームは息を吹き返すこととなった。
決して多くのことを積み上げられた1年ではなかった。だが、苦しみながらも泥沼にはまるたびに這い上がってきたことはいい経験になったはず。来季はその経験を生かしてたくましい水戸を見せてほしいものである。
Text by 佐藤拓也2006年12月31日(日)
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