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[ 2006 ゆく年くる年:ザスパ草津 ]
【2006 Memorial Scene】
熱く燃え上がるスタンドを背に円陣を組む選手たち。今季の草津は、熱狂的な応援に支えられ、ホームで勝点を伸ばした。サポーターの声量は、すでに「昇格圏内」。来季も熱いサポーターがチームを牽引していくことだろう。
【ザスパ草津 Playback 2006】
開幕戦(3/4)で神戸を相手にジャイアントキリングをぶちかまし(3-0の勝利)、絶好のスタートを切った草津。だが、過酷なJ2を戦い抜くだけのチーム力は整っていなかった。最終的には9勝15分24敗で12位。第4クールで1勝しか挙げられなかったことが順位に大きく影響をおよぼした。
最終クールで1勝5分6敗、しかも10試合連続で勝ち星から遠ざかるドロ沼状態でシーズンを終えた草津。だが、残り3試合(すべて1-1のドロー)で、選手たちが魅せた気迫は凄まじかった。50節(11/23)神戸戦でのFW太田のダイビングヘッド、51節(11/26)水戸戦で挙げたFW高田の執念のゴール、最終節(12/2)東京V戦で戦力外通告を受けたFW堺が演出したゴール。3試合で奪った3ゴール、そして勝点3は、草津のサッカーの方向性をハッキリと示していた。
崖っぷちに追い詰められたチームは、土壇場で底力を発揮した。草津と他クラブとのいちばんの差は戦力でも戦術でもなく、ゲームへの意識だったのではないか。昇格争いに絡んだクラブは毎試合、極限の心理状態の中で試合を続けた。1試合1試合での意識の微かな差が、年間を通じての勝点差となって現れたのだ。
草津にとって、来季はJ2・3年目のシーズン。もはや甘えは許されない。スタンドを埋め尽くすサポーターのためにも、ラスト3試合の闘志をベースに戦うことが義務付けられる。J2のピッチは互いの魂と魂が音を立ててぶつかり合う場所だ。
Text by 伊藤寿学2006年12月31日(日)
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