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[ 2006 ゆく年くる年:清水エスパルス ]
【2006 Memorial Scene】
第32節川崎F戦、その4日後に逝去した長谷川監督の母・澄代さんはすでに危篤状態にあったが、長谷川監督は動揺を表に出すことなく、川崎Fを破って(4-3)目標のトップ5に大きく前進。「今日は最高のゲームでした。まずは選手の頑張りに感謝したい」という試合後の言葉には、今思えばさまざまな深い思いが込められていた。(写真はハットトリックの藤本淳吾と3点目を決めたチョ・ジェジン)
【清水エスパルス Playback 2006】
1月の始動時に長谷川監督が掲げた目標が「トップ5入り、勝ち点50以上、得点は昨年のプラス10、失点はマイナス10」。それに対して12月に出された結果は、リーグ4位、勝ち点60、得点60(昨年のプラス20)、失点41(昨年のマイナス8)。失点数だけがわずかに届かなかったものの、それ以外は余裕で目標を上回った数字が、今季の躍進を象徴している。内容的にも大幅な進化が確認でき、特に夏場の戦いでは、攻守のバランスが非常に良く、玄人受けする充実した組織サッカーを見せた。
攻撃では、相手に守りを固められた状況からでもスペースを作り出して攻め崩すことができるようになり、守備では昨年から作り上げてきた守備組織をベースに、個々の力が向上して最後の踏ん張りが効くようになった。長谷川監督2年目のチーム作りが、順調に進んできたことは間違いない。
ただ、より難しいのは、ここから先。来年は、常に優勝を狙えるポジションを確保できるチームとなり、そこからチャンスがあれば優勝を、という段階になる。G大阪も浦和も、そこを経て実際に優勝するまでかなりの苦労があった。清水がその壁を一気に乗り越えられるかどうか、そのためには身・技・体すべての面での選手個々の成長という部分が欠かせないものになるだろう。
Text by 前島芳雄2006年12月31日(日)













