残り8試合となった明治安田生命Ｊ１リーグは、首位の鹿島の強さが際立つ展開となっている。追いかける川崎Ｆ、柏といった他の上位陣が意地を見せられるかが、今節の見どころとなるだろう。
鹿島はホームにＧ大阪を迎える。4連勝と盤石の強さをみせるなか、水曜日に行われた天皇杯でも浦和に快勝を収め、さらに勢いに乗る。ここ4試合で5得点と絶好調のレアンドロのパフォーマンスが今節もカギを握りそうだ。対するＧ大阪は2試合勝利がなく、足踏みを強いられている。ＡＦＣチャンピンズリーグ（ＡＣＬ）出場権を獲得するためにも、これ以上の敗戦は許されない。主軸に成長した井手口 陽介が重要な役割を担うだろう。
2位の川崎Ｆはアウェイで神戸と対戦。前節は清水に3-0と快勝を収め、7試合負けなしとしている。得点源の小林 悠に加え、森本 貴幸も調子を上げているのは好材料で、充実の攻撃陣を軸に、3連勝を狙う。神戸も2連勝と復調の気配を示す。ルーカス ポドルスキがフィットしてきたのが何よりの要因で、自ら得点を狙うだけでなく周囲を生かすプレーも増加。今節も確かな技術を駆使し、違いを生み出すプレーを見せてくるはずだ。
3位の柏はホームにFC東京を迎える。前節は終了間際のゴールで横浜FMとドロー。優勝争いに踏みとどまった。今節も頼れるエース、クリスティアーノにかかる期待は大きい。一方のFC東京は、前節、安間 貴義新体制下で初勝利を挙げた。攻撃面に改善が見られており、柏の堅守をいかに打ち砕くかに注目が集まる。
4位のＣ大阪はホームに仙台を迎える。前節は広島の守りを崩せずに0-1と敗戦。ここ5試合でわずか1勝と思うような結果を残せていない。首位・鹿島との勝点差は10。優勝の可能性をわずかに残しているだけに、今節をきっかけに再び勢いに乗りたいところだ。対する仙台は、前節、FC東京に完封負け。チャンスは作れていただけに、前線の決定力が求められるだろう。
Ｃ大阪と同勝点で5位の横浜FMも、優勝争いに踏みとどまるためにも負けられない一戦となる。今節はアウェイで甲府と対戦。エースの齋藤学にようやく今季初ゴールが生まれており、流れは悪くない。終盤の失点を防ぐことが今節のテーマとなりそうだ。甲府は前節、鳥栖に逆転負けを喫してついに降格圏に沈んだ。終了間際の失点で逆転負けとダメージの大きい敗戦となったが、そのショックを振り払い、残留圏への再浮上を狙う。
上位争いに踏みとどまりたい磐田は、ホームで大宮と対戦。前節はリードを守り切れずに浦和と引き分けた。逃げ切れない戦いが続いているだけに、リード時の試合運びを徹底したいところだ。大宮は4試合勝ちがなく、降格圏から抜け出せないでいる。こちらも前節は終了間際の失点でＧ大阪と引き分けている。1点を守るのか、さらなる追加点を狙いに行くのか。チーム全体の意思統一が求められるだろう。
浦和はホームで鳥栖と対戦。ともに中位に留まるなか、ひとつでも上の順位を目指す戦いとなる。浦和では得点ランクトップに立つ興梠 慎三のパフォーマンスに注目が集まる。鳥栖は前節の逆転勝利の勢いを持ち込めるかがポイントに。前回対戦では鳥栖が2-1と勝利を収めたが、果たして今回はいかなる決着を見るのか。
清水はホームに広島を迎える。前節は川崎Ｆに0-3で敗れ、水曜日の天皇杯では同じ相手に1-4と完敗を喫した。流れがいいとは言えない中、怪我で離脱していた鄭 大世が戻ってきたのは明るい材料だ。頼れるエースは、再びチームに勢いをもたらせるか。対する広島は、前節Ｃ大阪に競り勝ち、ついに降格圏を脱出した。ここ4試合負けがなく、その間わずかに1失点と堅守が光る。攻撃のアイデア不足は課題ながら、ようやく調子を上げてきたフェリペ シウバがその課題を解消するキーマンとなりそうだ。熾烈な残留争いから這い上がるべく、今季初の連勝を狙う。
最下位に沈む新潟はアウェイで札幌と対戦する。前節は、2点のリードを守り切れずに鹿島に逆転負け。それでも最後まで王者を苦しめた戦いは、今後につながるものとなったはずだ。もっともその試合で先制点を奪ったドウグラス タンキが今節は出場停止。代わって出場する選手の奮起が求められる。札幌は前節、神戸に敗れ、連勝が2でストップ。再び降格圏が背後に迫っている。立ち上がりに隙を見せただけに、試合の入り方に細心の注意を払いたい。
■各試合の見どころをチェック
札幌vs新潟
清水vs広島
浦和vs鳥栖
柏vsFC東京
磐田vs大宮
甲府vs横浜FM
鹿島vsＧ大阪
Ｃ大阪vs仙台
神戸vs川崎Ｆ
