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2020年度 第5回Jリーグ理事会後チェアマン定例会見発言録

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2020年5月21日(木) 13:25

2020年度 第5回Jリーグ理事会後チェアマン定例会見発言録

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2020年度 第5回Jリーグ理事会後チェアマン定例会見発言録
2020年度 第5回Jリーグ理事会後チェアマン定例会見発言録

2020年5月19日

2020年度 第5回Jリーグ理事会後チェアマン定例会見発言録

2020年5月19日(火)16:35~
オンラインにて実施
登壇:村井チェアマン
陪席:木村専務理事
試合日程プロジェクトリーダー 黒田フットボール本部長
競技の公平性 プロジェクトリーダー 窪田理事
観戦環境対策 プロジェクトリーダー 藤村特命担当部長
財務対応プロジェクトリーダー 鈴木 徳昭クラブ経営本部長

〔司会より決議事項、報告事項について説明〕
2020年度第5回Jリーグ理事会後の終了会見を行います。本日は4名のプロジェクトリーダー(黒田、窪田、藤村、鈴木)が陪席させていただいております。理事会の承認による発表事項はございません。

《決議事項》
2019年理念強化配分金活用実績について(参考資料)
報道用資料をご覧ください。

〔村井チェアマンよりコメント〕
皆さんこんにちは。5月度の理事会を終えました。5月15日はJリーグの日です。開幕から27年経つわけですが、今回初めて公式戦が開催されていない中でJリーグの日を迎えるという、例年になく寂しい思いをした5月でございます。

一方で、国民の自粛の努力の積み重ねもあり、少しずつ新型コロナウイルス感染症をコントロールしつつある感触を多くの皆さまも感じていらっしゃるのかもしれません。我々Jリーグとしてもサッカー界としても一歩ずつ再開に向け、準備、シミュレーションを重ねているところでございます。

一部、韓国やドイツ等々でサッカーが再開されている様子を、テレビ等を介して見聞きしておりますが、早く我々もファン・サポーターの皆さまにサッカーをお届けしたいという思いが高まる一方で、しっかりと感染拡大をコントロールしきらないといけないという両面を感じながら日々過ごしている状況です。

皆さまにお伝えしているように、5月21日の政府専門家会議、22日のNPB・Jリーグの連絡会議を踏まえて、今後の再開日程を検討していこうと思っておりますので、今日の理事会の場で具体的に再開日等々の議論がされたものではございません。

22日に専門家の意見をお聞きした上で、その後、再開のシナリオを立てて、場合によっては選手会との協議があったり、クラブの契約担当者等々との協議があったり、強化担当、実行委員とのすり合わせがあると思われます。専門家の意見をお聞きしたところから時間をかけることなく、できれば一週間程度で、関係者とステークホルダーとの協議を踏まえて、今後の方針を皆さまにお伝えできればと考えている次第でございます。今日は、現状のアップデートを中心に意見交換をさせていただいた理事会となりました。以上でございます。

〔質疑応答〕
Q:再開の考え方については政府の方針とも連動するところがあると思います。5月22日の段階では具体的な方向性まで出せなかった場合は、その後に再開を考えるタイミングを作るのか、今のイメージや考え方、基準を教えてください。

A:村井チェアマン
先ほど申し上げた内容を、もう少し具体的にブレイクダウンしていきます。

5月22日にNPB・Jリーグの連絡会議で感染症の専門家のご意見をお聞きします。5月21日に政府見解があり、翌日の22日に専門家のお話を聞くわけですが、我々は22日のタイミングで再開の具体的なプランを決定することは、現実的にはしないつもりです。

方針や考えがまとまったとして、その後翌週にかけて、選手会との協議も必要ですし、クラブの契約担当者や強化担当者との協議も必要です。実行委員等々の最終確認も必要ですので、5月22日の一週間後、5月29日ごろを目処に、我々としての方針をまとめたいと考えています。

まだ5月29日と決めたわけではございませんし、5月22日にはインプットはいただきますが、我々からのアウトプットは関係者やステークホルダーとの協議を経て、5月22日の話を聞いた上で、ということです。内容が簡単ではなければ、5月29日よりもっと後ろになるかもしれません。具体的な日程はわかりませんが、少なくともステークホルダーとのコミュニケーションを消化するのに一週間はかかると見ていますので、5月29日ごろを目処にアウトプットが検討できたらと考えている次第です。

Q:選手を対象にしたPCR検査や抗体検査についての進捗と、練習方法などについて感染予防のガイドラインを作るとおっしゃっていた件もどのような進捗になっているか、アップデートをお聞かせください。

A:藤村特命担当部長
検査に関しては、世の中の検査の環境、キャパシティが大きくなってくるのをいち早くキャッチする形かと思います。PCR検査に加えて抗原検査が保険の対象になりましたし、抗体検査も含めていろいろなことを勉強しながら、できるだけ精度がよくしっかりした検査があれば、チャンスをみながら取り入れるようにしたいというステータスでございます。

トレーニングのガイドラインについては、ほぼ手元に案ができ上がっている段階です。この後、関係各所の確認をいただいてからクラブに展開する段取りを予定しております。

A:村井チェアマン
いわゆる陰性のパスポートと言いますか、選手が感染していない状況で、練習や試合に臨むことが一番望ましい状況ですので、その精度を上げていくためのアプローチは望むところです。

その中で、検査も有効な手法ではありますが、国民にその検査体制が十分に整う前に、我々だけが特別に独占することができないという認識の中で、情報収集をしているところでございます。

一方で、選手の行動管理や健康状態の管理をしっかりと徹底していくことが、何よりも選手が健康であることを証明する所作になるという助言もいただいておりますので、組み合わせながらしっかり対応してまいりたいと考えております。

プロトコルに関しては、5月14日にガイドラインという形で公表させていただきました。同時進行で内容を精査し、つめているところでございますので、開示しておりますページをご参照いただければと思っております。

Q:投げ銭システムについて以前から触れておられますが、現段階で、投げ銭システムについての意義や進捗を教えてください。

A:村井チェアマン
一部報道にあるのかもしれませんが、Jリーグとして具体的に投げ銭システムに関して機関決定したり、導入等々の判断をしたりしているものではありません。

一方で、試合を家で観戦される方も今後多くなる可能性がある中で、さまざまな形で楽しんでいただくスタイルについては、テクノロジーも含めて日々研究、情報収集をしているところでございます。十分可能性のある一つのシステムだと思いますが、金銭のやり取りに関しては、法体系の整備等々もあると思います。こうした内容は、Jリーグだけではなくて他のスポーツ団体や音楽団体とも連携しながら進めていく内容かもしれません。その意味では大変大きな関心を持っていますが、具体的な判断をしているものではございません。

Q:ドイツでブンデスリーガが再開されました。村井チェアマンがご覧になって、ドイツは「こんなことをやっているんだ」という発見や「ドイツではこれをやっているけれども、Jリーグでは難しい」と思うこともあれば、教えてください。Jリーグとしてはこれだけは取り入れないといけない等、再開に向けて具体的なヒントが合ったか、お聞かせください。

また、観客がいないのは違和感がありました。再開にあたって、無観客という構想はあると思いますが、どの程度になったら、ファン・サポーターを入れたいというお気持ちがあるか、教えてください。

A: 村井チェアマン
海外リーグの事例については、再開に向けた練習のプロトコルや試合会場での運営の詳細など、さまざまな情報をいただいています。実際に映像でも、そのシーンを拝見しましたが、私にとって「ここまでしっかりやるのか」と思ったのは、長谷部選手が市松模様どころか5メートルくらい離れたところでポツンと座り、マスクをして、一般観客席で試合を観戦しているところでした。

我々だったら、ベンチに少し間を設けるもしくは、ピッチサイドにベンチシートを並べて、間隔を取るかなというところでしたが、一般席の中で見ている長谷部選手の姿が、大変印象的でした。

その他、得点シーンではエアハグが多々見られましたが、得点が入ったときの感情の爆発は、お客様がいてもいなくても、人間の本性、感情が溢れ出るところは同じだなと思ったり、いろいろと興味深く拝見させていただきました。

今日の理事会の中でも、ペットボトルはどのくらい用意したらいいのか。例えば、マラソンの給水所のようにフラッグでも立てて、マイボトルを置いたらいいのか、など我々の中でも議論が出ていますが、自分のボトルを逆サイドから探しに行くこともできないでしょうし、あれこれとドイツの風景を見ながら考えていたりしました。

ただ、やっぱり大声で異議や選手が声を荒げたり、つばを吐いたりするようなところは、戒めないといけないのかなと、見ていて思った次第です。まだ十分に映像を見ることできていないので、ちょっとしたコメントしか申し上げられませんが、そんな印象でございました。

また、観客についてですが、サッカーはある意味で総合型の舞台芸術に近いようなものです。ファン・サポーターが横断幕を掲げ、そして声が届き、手拍子が届く。サッカーそのものを構成する要素は、やはり選手のプレーだけではないなと思って見ておりました。ゴール裏にファン・サポーターの代表を一人ずつ入れて、みんなの思いを全部背負って、一人で大声を出していくのを一人ずつということも妄想してみたり、5人くらいは大丈夫かと考えてみたり。いろいろなことをドイツの風景を見ながら考えておりました。

現在は、地域差も随分ありますので、再開の仕方はいろいろなスタイルがあるのかもしれません。お客様を入れられないのだったら、クラブスタッフをゴール裏に並べて、クラブのスタッフが大声で応援するのも一つのやり方なのかなと思ったり、これも感染防止にはだめかなと思ったり。私も無観客の試合は、最後の最後までと思っていますが、選手の心を後ろから支えるようなものが、サッカーにはほしいなと思っていた次第です。とりとめのない回答で、すみません。

Q:大会の問題と少し離れますが、いろんなチームの選手がSNS等でのライブ配信をやっている中で、なりすまし問題が起きていると認識しています。特に国籍や出自を理由とした差別発言を他人のアカウントになりすまして、発信しているということが起きていて、選手もリアクションしにくいし、実際にサポーターの中にも被害者がいる問題になっています。

横浜F・マリノスFC東京からは具体的に、差別に対するコメントもなされています。こういった問題に対してリーグとして主導して、何か動いていくものはありますか。また、今どういった議論がなされているかお伺いしたいと思います。

A:村井チェアマン
国民、ファン・サポーターに激励のメッセージを送りたいという選手の善意に多くのファン・サポーターは共感してくれて、それを仲間に拡散し、メッセージをみんなの元に届けようと一緒になって動いてくれています。これは自発的な善意をベースとした大変ありがたいことだと思っています。

そういうところで善意を踏みにじるような、サポーターになりすます行為や、選手を誹謗中傷するようなことは絶対にあってはいけない問題です。

これは、新型コロナウイルスがある、ないに関わらず、ずっとJリーグは今までも呼びかけてきた内容ですので、こういうタイミングであっても変わることなく一切許さないという姿勢でいきたいと考えています。

いわゆる事実的な検証もあるのかもしれません。悪意ある人の再犯がないように特定することも技術的な裏付けで可能なのかもしれませんが、まず私の立場からすれば、そういったことが二度とないように、継続して呼びかけていきたいと考えています。

Q:夏の再開となった場合、J3やJ2の一部や北海道コンサドーレ札幌は昼間の開催をこれまでもしてきましたが、今後J1、J2でも昼間、場合によっては午前中の開催が検討されることはありますでしょうか。

お客さんを入れていくと考えた場合、夜の方が感染の可能性があると言われている中で、もしかすると昼の開催がスタンダードにさえなっていくのかなと考えられるので、現在のお考えがあればお聞かせください。

A:村井チェアマン
具体的な再開日程が確定していないのと、試合会場もまだ特定されていない状況ですので、今の段階で明確なことは申し上げられないです。感染防止の観点もありますが、夏になりますと熱中症などの懸念もあり、高温の中でのプレーは、レギュレーション上でも温度測定した上で給水タイムをどの位取るかなど細かく設計していますし、選手の健康管理上、夏場の日中はなるべく避ける方向で今後も検討していくことになると思います。

そうした前提の中でお客様をどうやって安全にご案内するかというところにいくんじゃないかと思います。いずれにしても開催時刻まで詳細をつめている段階ではございません。今後のことになると思っています。

Q:声援の音を流したKリーグと、何も流さなかったブンデスリーガの雰囲気に対して、サッカーファンの意見は分かれていますが、そのことについての村井チェアマンの感想を聞かせていただきたいです。

またJリーグの再開に向けて、そのあたりもDAZNと協議しているかどうか教えていただければと思います。

A:村井チェアマン
試合会場での環境音、場内の臨場感ある音を人工的に再生した方がいいのか、もしくはそういうものは排除して生のプレーする音やボールタッチの音、選手の声を再現するのがいいか、この辺りについては詳細まで検討していません。

今後、クラブと協議する内容になるのかなと思います。

Q:前回の会議で専門家の皆さんが、緊急事態宣言の解除と同時に各自治体の首長との協議も必要だとおっしゃっていましたが、Jリーグはプロ野球と比べて、ホームタウンが非常に広いですし、どのように首長と交渉していくのか、それはJリーグが音頭をとるのか、もしくは各クラブの個別折衝になるのか、今後の道筋としてどういうお考えなのか教えていただけますでしょうか。

A:村井チェアマン
Jリーグは56クラブありますが、クラブがスタジアムを所有しているのは、私の認識では3クラブ、ジュビロ磐田柏レイソルFC今治です。

それ以外は行政所有ですので、試合が再開する際に、スタジアムの利用とか、他の競技団体との日程調整は、クラブが行政もしくはその運営団体と協議することになります。

また、例えば県をまたいだ移動がどこまで例外的に認められるかなど、今後、緊急事態宣言の扱いや内容次第ですが、ベースはクラブが各自治体と協議しつつ、リーグが場合によっては取りまとめる形になるのでしょうか。

もしくは関係省庁、スポーツ庁等とリーグが調整を行うといった連携作業になると思います。

Q:1.「投げ銭」について
今シーズンの導入はあり得ないのか、来シーズン以降も含めて検討していくのか、今シーズンの導入も視野に入れつつの検討になるんでしょうか。

2.試合を開催するスタジアムについて
無観客を前提とした際、3つのクラブ以外は基本的に施設使用料を払っての開催になると思いますが、そうなると観客席や施設使用料の高い、普段使っているホームスタジアムを使うよりはもっと規模の小さいスタジアム、極端に言えば、普段練習しているスタジアム、もちろん中継のカメラを置く環境にもよると思いますが、そういった普段試合をやっていないスタジアムの利用を検討するクラブも出てくるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

A:村井チェアマン
1.「投げ銭」について
いわゆる「投げ銭」等々の様々なアイデアは、情報収集している最中で、今シーズンにできるか来シーズンにできるかも含めて検討中です。今シーズンはできないけど来シーズンと決めているものでもありませんし、そこはまだすべて検討中ということでご理解いただければと思います。

2.試合を開催するスタジアムについて
地域によってさまざまな状況差があるので、あるクラブは練習場、あるクラブはちゃんとしたスタジアムでやるというのは競技の公平性にも関わる部分でもあると思っています。

ホームゲームの80%はホームタウンで行わなければいけない、指定のホームスタジアムでやらなければいけないというレギュレーションを、今シーズンは弾力的に緩和して運用していくことになるので、水曜日、土曜日と過密になる中で、スタジアムが物理的に手配できない場合に、指定のJ1基準、J2基準、J3基準を有しないスタジアムも許可することはあるかもしれませんが、無観客だからといって、どこでもいいという判断はおそらくしないのではないかと思っています。

お金の問題もあるのかもしれませんが、必要に応じてしっかりお客様を入れられる体制を常に考慮しておくということも、プロの興行主として必要なことです。何週間か先にスタジアムを確保しておいて、急遽お客様を入れられるとなったときに、それができない(お客様を入れられない)スタジアムでは大変申し訳ないと思いますので、プロの試合興行となりうるスタジアムを手配する努力を重ねていきたいと思っています。

それが結果的に一定期間は無観客にならざるを得ないこともある、というような複合要因のひとつになるので、あらかじめいつまでが無観客だからスタジアムはこれで、という判断は結構難しいのではないかと私の立場からは想像しています。

この辺りも、再開シミュレーションを具体的にしていく中での議論であるかなと思っています。

Q:Jリーグは観客がいることで、飲食、警備、駐車場など、いろいろな地域の産業を支えてきたと思います。それが再開したとしても無観客となると、半年近く地域の産業が喪失しているともいえます。いつ観客を入れられるかわかりませんがそうした方々への配慮をJリーグとしては何かお考えでしょうか。

A:村井チェアマン
前から申し上げている通り、選手の家族、クラブを支えるファン・サポーター、行政、ホームタウンの様々な産業の方々、キッチンカーをスタジアムの近くに出している方々、警備、公共交通、ボランティアの方々、さまざまな方がJリーグを支えていて、すべてがそろわないと元に戻らないと考えています。一方で観戦に来られたお客様がウイルスに感染してはいけないので、一定のインターバルではお客様がいない状況での試合環境を想定しなければいけないと思っていますが、一刻も早く産業として支えてくださっている皆様に恩返しできるようになることを本当に願っています。

今、宿泊や飲食関係の皆様など、様々な方々が本当に苦しくぎりぎりの状況で耐えている姿を見ていますので、なるべく早く、そうした皆様と一緒にサッカーができる日を望みたいと考えていますが、それも私の独断というわけにはいかず、いろいろな方々のアドバイスや意見をいただきながら、一歩ずつ再開に向けて努力を続けていきたいと思っています。

Q:5月11日に国税庁のホームページに、Jリーグの木村専務理事からの照会で、広告宣伝費の取り扱いについて、照会の内容と回答が掲載されていました。(取引等に係る税務上の取扱い等に関する照会(同業者団体等用)/https://www.nta.go.jp/law/bunshokaito/hojin/080256/index.htm

今までの取り扱いを確認したという要素が大きいのか、今回の回答によって、今後親会社の経理、財務、決算の中で実務上変わることがあるのかについてご説明をお願いします。

A:木村専務理事
経営上重要な話となるのでご説明させていただきます。我々はすべての試合数をこなす予定でおりますが、今後予定通りすべて試合数が開催できなかった場合、クラブの収入の半分となる非常に大きな収益である、企業からいただいているスポンサー料の解釈に難しい問題が生じてきます。例えば、1億円の売り上げの企業から1,000万円のスポンサー料をいただいた場合、課税される金額は1億円の売り上げに対して、広告宣伝費の1,000万円を除く9,000万円が課税の対象となります。

ところが、今回の新型コロナウイルスの影響で試合数が減った場合に、それは広告価値が減るとみなされ、税金を払った後に課税されるという税優遇が認められない可能性が生じてしまうため、これをどう考えればいいのかということを、スポンサー保護の観点で国税庁と話をしていました。

結論を申し上げますと、試合数が仮に減ったとしても、スポンサーがクラブの復旧支援のためにスポンサー料の返還を要求しなかった場合は、先ほどの広告宣伝費1,000万円が損金に算入されるということが国税庁との会話でお認めいただけることになりました。この話は、国税庁のFAQにも先週末掲載されています。

またその過程で、親会社の扱いについても話し合いました。Jリーグ56クラブの内、20クラブが親会社を持ちます。これについてはプロ野球の親会社と少し扱いが違うことがありましたが、今回プロ野球の親会社と全く同じ扱いだと認めていただいたことになります。

例えば、1年の間に親会社がスポンサー料を追加した場合、寄付金、損失補填に見られかねませんが、その場合でも親会社の損金算入が認められるということや、親会社がクラブにお金を貸した場合、またそのお金をクラブが使った場合に、使ったお金を返さなくても親会社の損金に認められるという税優遇がプロ野球にはありました。これがJクラブについても認められるということを今回お認めいただけることになりました。よって、スポンサー、または親会社の保護の観点から確認したところ、国税庁から認められたことになります。

A:村井チェアマン
二つの話がありました。一つは試合が当初の契約通りにいかなかった場合、行われなかった部分は損金として参入されずに寄付として扱われるとさらに税金がかかってしまうことになりますが、これは寄付扱いではなく損金算入になるという解釈になりました。

今まではどちらかというとスポンサーを担当される税理士によって解釈が分かれるところもありましたが、改めて今回すべてのスポンサーに共通の解釈が通達されたと理解しています。

もう一つは、野球界には昭和29年に、親会社の損失補填等も損金算入されるという通達が出ていましたが、改めてJリーグも同じ解釈をいただき、解釈が分かれていたものが統一されましたので、Jリーグを支えるスポンサーにとってはとても大きな判断が示されたということで、大変ありがたく思っています。

これが、先ほどご質問があった国税庁のJリーグからの照会ということで国税庁のホームページに掲載されている内容ですので、ご確認いただければと思います。

Q:再開に向けて、抗体か抗原検査は選別中であるものの、(選手に対する)検査を取り入れる方向で考えているという認識で間違いないでしょうか。

A:村井チェアマン
ブンデスリーガのように、Jリーグの1,400~1,500名の全選手への検査は物理的にも供給体制としても現状では難しいと思っています。クラブによって自主的に入手できる範囲で検査を行うことはあるかもしれませんが、PCR検査や抗原検査のような、まだ政府が医療体制を整備するために必要としているものに対し、我々が非常に大きな数を独占することは現実的ではないと考えております。抗体検査、抗原検査、PCR検査の識別についても、専門家の意見を聞きながら検討、勉強させていただいている状況ですが、検査で100%陰性と判断することは現実的には難しいと専門家の皆様もおっしゃっています。

わたしは医療的な見解を申し上げられる立場ではないですが、例えば2週間の行動管理、健康管理をしっかりして、日々の状態と、誰とどう接触してきたかを完全にトラックしている方が、何よりも健康であることのエビデンスになりえるというお話も伺っています。検査だけが100%ではないけれど検査体制が整ってくるという希望的なご意見もいただいていますので、そうした検査とエビデンス管理のセットで考えていくべきだと考えています。

Q:試合再開の際に移動のリスクをどう考えるかというシミュレーションはできているのでしょうか。

A:村井チェアマン
場合によっては、移動が選手を危険にさらす可能性があります。極力、感染リスクを最小化するようなシミュレーションもクラブと今後詰めていかなくてはいけないと考えています。

私は、飛行機は密閉空間のイメージを持っていましたが、前回の連絡会議での専門家のご意見ですと、現状の機内の換気は非常に良くて、完全に健康が管理されている選手の飛行機での移動は大きなリスクではない、例えば電車からクラスターが起こらないように、飛行機や新幹線も十分な配慮があれば、というようなこともありましたので、こうした意見などにも耳を傾けながら、Jリーグとして最小化する移動はどのようなスタイルなのかを今詰めているところです。

Q:先週のJFAの理事会では天皇杯に関して引き続き検討しているとのことでしたが、Jリーグの立場としてJ1の2チームが天皇杯に出場することは変わりないのでしょうか。

A:村井チェアマン
本日JFAの須原専務理事より、天皇杯に関しては引き続き審議を継続しているというお話がありました。J1の2チームということに限定せず、あるべき議論をフラットにしていきたいという表明がありましたので、Jリーグとしてもこれから議論していく内容だと考えています。現時点でこうでなくてはいけない、こうあるべきという議論が我々の中であるわけではありません。

Q:緊急事態宣言が地域ごとにいつ解除されるかということが、再開の日程を決める一つの基準になっていると思います。そもそもサッカーが中断したのは緊急事態宣言と関係なかったかと思いますが、再開にその宣言が強く影響しているのは、専門家の意見によるものでしょうか。Jリーグとして他にどんな基準があるのでしょうか。

A:村井チェアマン
Jリーグが中断の判断をしたのは2月25日でした。前日の2月24日に政府の専門家会議から瀬戸際という見解がありましたが、それから2か月くらい経ち、日々状況が変わり、国やクラブ、様々なところで対策の知見も高まり、判断基準も整ってきています。新型コロナウイルスという医療の分野の内容ですので、専門家の意見はしっかりと聞くということと、また政府にそうした情報がしっかりと集まっていると認識していますので、アドバイスや助言はしっかりと検証するということは今も変わっていません。

今後の再開については、5月22日のNPB・Jリーグ連絡会議での専門家の助言をベースにしながら、1週間くらいかけて判断して考えていきたいということになります。当然、すでに緊急事態宣言が解除されているエリアでも行動様式の注意喚起は続いているので、緊急事態宣言が解除される・されないにかかわらず、どのような行動様式が要望されるかということを注視しながら判断していくことになると思います。

Q:国税庁との交渉は各クラブ、Jリーグの財務にとって非常に大きいと思いますが、その交渉はどのような段階からどのような経緯で、どのようなメンバーで行ったのか、またこれはJリーグだけでなく、JFL以下のカテゴリーや、プロ野球などの他競技に適用されるのでしょうか。他のスポーツにとってもJリーグが先陣を切ったということは素晴らしいことだと思います。

A:村井チェアマン
国税庁への照会の内容は、JFL、なでしこリーグ、Bリーグ、他のスポーツ団体に対するスポンサーシップの在り方で共通のガイドラインという認識ですので、非常に汎用性の高い内容だと考えています。

A:木村専務理事
適用はすべてのスポーツになります。サッカーにおいては、JFL、アマチュアも該当します。

A:村井チェアマン
交渉等については相手のあることですので情報は限定させていただきますが、Jリーグ側はこうしたスポーツ団体の政策提言を木村専務に任せ、木村さんと一人の若者が動いてきた結果です。

Q:昭和29年の国税庁個別通達がJリーグにも降りたという話ですが、初期予算の広告宣伝費が上限無く非課税、赤字補填も非課税ということで問題ないでしょうか。

A:村井チェアマン、木村専務理事
問題ないです。

 

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