2025年12月19日
2025年度Jリーグ臨時理事会後会見発言録
2025年12月19日(金)15:30~
Jリーグ会議室およびWeb ミーティングシステムにて実施
登壇:役員指名報酬委員会 委員長 杉本 勇次
コーン・フェリー・ジャパン株式会社
コーポレートガバナンス・アドバイザリー部門リーダー 中島 正樹 氏
チェアマン 野々村 芳和
陪席:執行役員 青影 宜典
司会:広報部長 江崎 康子
《議題》
次期役員改選について
https://aboutj.jleague.jp/corporate/pressrelease/article/15810
〔司会(江崎広報部長)より説明〕
Jリーグは本日の臨時理事会で2024年6月に発足いたしました役員指名報酬委員会からの答申に基づき次期チェアマン候補者を含む理事、幹事を内定者として2026年定時社員総会及び臨時理事会の議案に含めることを承認しました。
またチェアマン候補者が承認されることを条件に2026年度定時社員総会及び臨時理事会以降の執行役員についても内定者として承認しました。本件は3月24日開催予定の定時社員総会及び同日の臨時理事会の決議をもって正式に決定します。それではここからは登壇者をご紹介いたします。
役員指名報酬委員会 杉本勇次委員長。続きまして役員指名報酬委員会の第三者機関でありますコーン・フェリー・ジャパン株式会社コーポレートガバナンス・アドバイザリー部門リーダーの中島正樹様。続きまして次期チェアマン候補者に内定した野々村芳和、現Jリーグチェアマンです。まず、役員指名報酬委員会の杉本勇次委員長より次期チェアマン・理事・幹事・執行役員候補者の選任につきまして、選考過程及び内定者をご説明いたします。
〔役員指名報酬委員会 杉本委員長より説明〕
2024年5月理事会決議に基づき、2026年改選に向けて2024年6月1日付けで発足した役員指名報酬委員会は、発足以降、延べ21回の委員会を開催し、2026年改選にあたっての理事
・チェアマン候補者を含む理事・幹事・執行役員の選任案の検討、報酬額に関する検討、それらにあたり付随する規約・規定の変更に関する検討を実施しました。本日役員指名報酬委員会からの答申に基づいて理事会で決議されたのでご報告申し上げます。
今回の選考においては第三者機関としてコンサルタントのコーン・フェリー・ジャパン株式会社とハイドリック&ストラグルズにサポートいただいております。まず委員会で実施した検討プロセスについて委員会の第三者機関としてサポートいただいたコーン・フェリーの中島アドバイザーにご説明いただきたいと思います。
〔役員指名報酬委員会 中島委員より説明〕
選考プロセスと体制についてご説明いたします。選考プロセス全体を2024年7月に設定しました。
このプロセス全体を設定したのち、最初に今回の候補者を選んでいく人材の選定基準となる「人材要件」を定義しました。それにあたっては、社内外のステークホルダーを広く、バランスよく10名以上選んで個別のインタビューを行い、Jリーグの経営課題を明確化した上で、どのような方々がその経営課題を担うのか、という検討を行いました。これと並行し、人材プールの検討を進めていきました。候補となる人材をリストアップし、トータルで200名を超えるロングリストを作成。その方々を実績等を作成した人材要件で評価し、ショートリストへ絞り込んでいくというプロセスを実施しました。
次にチェアマン候補者の評価です。現チェアマンについては、社内で実施している360度調査、エンゲージメント調査の結果を集め、そのほか広く社内外のステークホルダーに個別のインタビューを実施しました。その結果をもとに委員会、第三者機関で現職者と面談し、評価を行いました。同時にショートリストから絞り込んだ候補者については、個別に委員会による面談を行い、絞り込んだ候補者に対し、包括的なアセスメントを実施することによって評価しました。これらの評価を総合して委員会で討議し、チェアマン内定者を決定するというプロセスを採用しました。
次のステップは社外理事、監事、特任理事、執行役員の検討です。社外理事、監事のうち、再任候補者については、今期の実績についてチェアマン、監事、他の皆様にインタビューを実施し、評価情報を収集し、個人別に評価して決定しました。新任の候補者については委員会による個別面談を行い、評価をして決定していくプロセスを実施しました。執行役員については、チェアマン内定者から候補者の推薦を受け、委員会で個人別に評価し、決定しました。常勤理事については、委員会で候補者をリストアップし、絞り込みを行った上で個人別に評価を行って決定しました。
以上のプロセスを事前に定め、第三者機関が収集した評価データをもとに、公正かつ客観的な選考を委員会で行ってきた結果が本日ご報告する内容となりました。
次に選考体制です。役員指名報酬委員会は社外理事が3名で過半数、クラブ理事、実行委員の5名構成で、Jリーグの執行部門からは独立した体制になっています。杉本勇次委員長のほか、藤原社外理事、政井社外理事、クラブ理事でありJ2の実行委員であるいわきFC大倉氏、J1の実行委員である横浜F・マリノス中山氏を委員に招き、事務局と第三者機関で運営をサポートする体制にしています。
候補者の選任基準である「人材要件」は、今後のJリーグの経営課題をチェアマンと執行役員、そして理事等で担っていかなければならないことを踏まえて定義しました。
Jリーグにとって今後最も重要な経営課題は、リーグ価値の最大化です。現在のJリーグの価値をいかに最大化していけるかということを最大の経営課題と定義しました。具体的には、グローバルなフットボールビジネスの動向を踏まえた中長期戦略の再確認や再設定を行うこと。またクラブ価値の最大化を促進するルール設計、さらには理念やJリーグ百年構想を基軸とした社会的なインパクトを創造していくなどがあります。これらに取り組み、リーグ価値を最大化していくことがJリーグの最大の経営課題だと設定しました。
また領域別では、例えば事業については成長を加速させていくことが大きな課題です。今の財政基盤をさらに強化し持続性を確保していくことや、海外ビジネスの拡大、国内のマーケティングの強化、また投資対象としてのクラブの魅力の向上、クラブに対する戦略的な支援、こういったことが事業の成長の課題になっていくと設定しました。フットボールについては、さらなるグローバル競争力の獲得という観点から、選手の獲得、確保、育成のマネタイズの支援、GM(ジェネラルマネージャー/強化責任者)、選手、監督の育成、日本サッカー界全体の視点に立った日本サッカー協会との役割分担と協働の高度化、こうした課題も担わなければなりません。サステナビリティに関しては、リーグとして独自に社会的価値創造をしていくこと、存在意義を示す独自の貢献、クラブによる社会貢献活動への支援も担っていくということが課題です。
これらの多様な課題を担っていくためにJリーグ自体の組織マネジメントも高めていかなければなりません。そのためには成長していく組織の変革をどうマネジメントしていくのか。経営チームをさらに強化・拡充していき、クラブとの一体感を高める、また、理事会ではきちんと執行を監督し、社外の知見をさらに活用していけるか、これらの多岐にわたる課題を担っていくのが次ののチェアマンであり、執行役員であり、理事会であるとの観点から選任基準である「人材要件」を定義しました。
最後にロングリストの候補者の方々の属性についてもご紹介します。全部で約220名で、複数の属性を持つ方がいるので延べ人数になりますが、領域別では、事業関係で約160名程度、フットボール関係で90名程度、社会、サステナビリティ関係で40名程度を候補としてリストアップしたロングリストの中から、「人材要件」を基準に候補者絞り込んでいきました。
※江崎広報部長から補足
なお、特任理事に関しては、2026年度の定時社員総会及び臨時理事会にて決定する予定です。また次期チェアマン候補者を除く内定者の経歴については、来年3月の正式就任時に公表予定です。
〔役員指名報酬委員会 杉本委員長より補足説明〕
私から客観的に見たチェアマンの評価と、なぜ、今回野々村チェアマンの再任という結論に至ったかを簡単に補足説明いたします。先ほど、中島アドバイザーから説明があった検討を経て検討した結果、野々村氏が次期チェアマンとして適任であるとの結論に至り、理事会に答申し、決議いただきました。
理由は二つの成長テーマという野々村氏が掲げたテーマをしっかりと実行に移した点。まず一つは60クラブがそれぞれ地域で輝くという点。こちらは地方クラブを底上げする成果で、かなり顕著にその成果が出ていました。
二つ目はトップ層が、ナショナルグローバルコンテンツとして輝くという点。事業面では今シーズン年間総入場者数で過去最高を更新。また、フットボールの面では長年の課題であったシーズン移行を決断するなど大きな成果を上げてきた点が評価されました。
従いまして、次期チェアマンには継続的なAFCチャンピオンズリーグでの優勝や、FIFAクラブワールドカップでの活躍によって世界の注目を集め、それによってJリーグの価値を向上させていくなどの成果をさらに実現していただきたいです。そのために、トップクラブが世界で活躍するためのクラブ経営規模の拡大や強化費の拡大の実現を含め、Jリーグの価値の最大化を目指すことにまい進していただきたいと思います。例えば、リーグ全体では世界五大リーグに追いつく、非連続的な成長を実現するための中長期的な戦略の具体化を目指します。
フットボールについては海外での日本人選手の価値の訴求の強化。世界の優秀な選手、監督、GMを惹きつけることや、AFCやFIFAに対する影響力の強化、国際大会出場クラブへの支援、マーケティングのサポートといったところが課題として挙げられます。
事業面では財務基盤のさらなる強化と持続性の確保、マーケティングの強化、国内外のファン層の取り込み、外国人投資家による大型投資の呼び込みなどがあります。
社会連携についてはリーグ主導の取り組みの継続と発信、クラブの関連活動のバックアップ、それらのための適切なリソース配置などがあります。
経営基盤については今申し上げた施策を推進する経営人材の拡充と体制の強化、コンプライアンスを徹底するための内部統制の充実などが挙げられます。
委員会では現チェアマンの評価と並行し、2024年末より社外を含むチェアマン候補者のリストを作成、絞り込んできた候補者と面談を実施しました。これによってさらに絞り込んだ候補者に対し、Jリーグの今後の経営課題を担う人材要件を基準とし、外部専門家による包括的なアセスメントも行いました。そのアセスメント結果をもとに比較検討し、総合的に評価した結果、現チェアマンである野々村氏を再任するという結論に至りました。
次期に向けて、(野々村チェアマンには)いっそうの能力の発揮、研鑽を期待しています。同時に、今後に取り組むべきJリーグの経営課題の多さ、複雑さ、重さを踏まえ、特にグローバルな事業の拡大と成長に見合った組織運営の実現のために、野々村氏の能力を補完し、補強できる人材を執行役員等として選任して、経営チームを強化するといったことも併せて申し伝えています。
〔野々村チェアマンよりコメント〕
ここまでの4シーズン、少しずつ成長できたのは、当然リーグ・Jクラブだけではできません。メディアの皆さまも含めて色々な方々のお力をお借りして実現できた成果だと思います。改めて感謝申し上げます。何をしてきたかを振り返りますと、売上をしっかり上げてきました。トップラインを上げて、得た売上で投資をし、よい循環を築くことに注力してまいりました。特にメディア露出やマーケティング面に重点投資し、それらがよい循環に入ってきているのではないかと振り返っています。
これから続けて積み上げていくことももちろん大切ですが、見るべき先は世界のトップだということを考えると、どう非連続に成長していくかということについても、もっと具体的に取り組んでいかなければならないと思っています。新しい発想での取り組みとして何ができるのか、それを自分の役割として、次のシーズンをやっていきたいと思っています。
〔役員指名報酬委員会 杉本委員長より補足説明〕
チェアマン以外の理事・監事・候補者についても理事会に答申し、候補者が決議されました。
チェアマンを補完して業務執行全般を監督する常勤理事を配置いたしました。具体的には、コンプライアンス、内部統制の強化や、組織の一体化や向上を含む組織マネジメントの執行責任者としてリードする青影宜典氏を常勤理事として決議しました。
クラブ理事については、これまでの理事、実行委員としての実績やクラブの特性を総合的に評価 し、大倉氏、千布氏、山室氏の3名を候補として審議いたしました。
また、社外理事の選考にあたっては、リーグ価値の最大化のために候補者の持つ専門性と経験が理事会の意思決定と執行に貢献できることを要件としました。私杉本、それから秋山氏、藤原氏、政井氏、井口氏、夫馬氏の6名を候補といたしました。
新任となる井口氏は知的財産権、著作権、人権、スポーツ団体のコンプライアンス等を専門とする弁護士で、スポーツ団体の社外理事としてガバナンスを実施された経験等により、リーグ価値最大化全般に、また夫馬氏は特任理事として2021年からの理事会に参画されてきた実績や経験と、サステナビリティ領域での知見の専門性により、サステナビリティと経営基盤を含むリーグ価値最大化に向けた経営にそれぞれ貢献できると期待しています。
その他の再任の社外理事については、Jリーグの経営課題への深い理解と高いコミットメントで、リーグ価値の向上につなげる意思決定を一貫して推進してきた、私、杉本。マーケティング等の専門性・知見に基づき事業施策の推進を支援してきた秋山氏。経営者としての豊富な経験と幅広い視野をもとに理事会の議論と意思決定の質を高めるとともに、リーグにとって重要な課題を指摘し、取り組みを喚起してきた藤原氏。社会からどう見えるかという視点と、サッカーの専門家ではないからこそ聞けるコメント等によって、理事会での議論を進化させてきた政井氏を再任させていただきました。これらの社外理事の方々と一緒に、Jリーグの経営課題領域を満遍なくカバーし、専門性と経験、年齢の多様性、バランスを確保した体制にいたしました。
また、JFA推薦枠については、JFAの役員人事によって推薦されるものとし、候補者が決定次第、改めてご報告申し上げます。
監事については、鈴木氏、小林氏、大金氏、3名とも再任です。Jリーグの運営とクラブ経営の双方に精通し、会計監査等の専門性を持つ体制を継続して確保することとしています。これによって、改正公益法人法で求められる公益法人のガバナンス強化に対応できる体制としています。
なお、スポーツ庁スポーツ団体ガバナンスコードの求める女性の理事の目標割合40%以上を目指し、女性の理事候補を3名としたものの、目標割合を実現するには至っておりません。次回以降の役員改選で実現できるよう、引き続き候補者の確保に向けて努力する必要があると認識しています。
最後に執行役員選任の件ですが、選考にあたっては候補者のこれまでの実績を確認したうえで、今後のJリーグの経営課題への取り組みに必要な専門性と能力を持ち、成果を上げることが期待できるかどうかを評価し、窪田氏、勝澤氏、鈴木氏、辻井氏、中村氏、樋口氏を選任することになりました。青影氏はコンプライアンスや内部統制の強化、組織マネジメントの高度化を含む経営管理全体を統括し、成長に見合った組織運営の実現に貢献することを期待役割として、常務執行役員に昇格させることとしています。なお、各執行役員は担当領域のみならず、Jリーグ全体や組織全体のコミュニケーションを含む、組織マネジメントのサポートや経営の中心的な役割も担っていただくことによって、野々村チェアマンを補完し、支えていくことを期待しています。
任期については、2026年3月24日から2027年9月開催予定の定時社員総会終結時までとなっています。以上、本日理事会で候補者として決議されたチェアマンを含む、理事・監事・執行役員については、2026年3月24日に予定されている社員総会による決議をもって就任予定です。
〔質疑応答〕
Q:任期について確認させてください。チェアマンは従来であれば4期8年までという理解していましたが、おそらくシーズン移行の影響があるかと思いますが、それで1年半で3期目という形になると思います。先の話で恐縮ですが、4期で今回に限り7年半になるのか、それとも5期目に入るということがあるのでしょうか。
A:杉本委員長
ご質問いただいた通り、7年半ということになります。
Q:お話の中で、トップ層を引き上げる、グローバル事業ということに今後力を入れていかなくてはいけないという経営課題があるというお話がありました。この件に関してあらためて3期目で具体化したいこと、やりたいこと、そのあたりがあれば改めてお伺いします。
A:野々村チェアマン
今までやってきたことを続けていくことについても、結局実現するためには投資ができるだけの資金がないとなかなかうまく回って行かないので、それをどうやって調達していくかということをまずやらないといけないと思っています。
日本人選手の能力が高いということを世界の人たちが認めてくれている中、トップを目指す選手がその選手の価値でしっかりと移籍ができるか。また国内のリーグがもっとトップラインが上がっていくと、海外に出ていく選手ももちろんいるかと思いますが、一方でまた海外の選手もJリーグでプレーしたいという思いになると思います。そのような循環を作るための投資力をどうやって獲得していくかをやらなくてはいけないと思っています。
Q:公益社団法人法の改定に対応するための表現をされていましたが、具体的にどのような部分を対応されたのでしょうか。
A:青影執行役員
公益法人法が改正されて、よりガバナンスを求められることになりました。特に会計面、法的な面でそれぞれ具体的な規程類は別途ご確認いただければと思いますが、ボードメンバーの中に専門性が高い方に入っていただくことで、理事会の決議、監督の面でも、しっかりと公益法人としての運営がなされるという観点も含めて、今回社外理事のメンバーや、監事のメンバーにそうした専門性が高い方を候補者として入れていただきました。
















