明治安田生命Ｊ３リーグは、今節より後半戦がスタートする。一方で今節はおよそ１か月の中断前の最後の試合でもある。いずれのチームも良い感触を手にし、中断期間を迎えたい思惑があるだろう。
前節、ついに無敗記録がストップした首位の秋田は、3位の沼津との上位対決に挑む。押し込みながらも得点力を欠いての敗戦だっただけに、求められるのは好機を確実にものにする決定力。一方で。ここ2試合で5失点と守備の課題も露呈している。初の敗戦から上手く切り替えられるかも秋田に課せられたテーマとなるだろう。対する沼津は4試合負けがなく、前節は盛岡に1-0で競り勝った。リーグ最多得点を誇る攻撃力に加え、守備も安定感を高めつつある。秋田との勝点差を詰めるためにも、この直接対決に並々ならぬ想いで臨んでいくはずだ。
2位の富山はアウェイでＧ大23と対戦。前節は試合がなく、休養十分でこの試合を迎える。今節もリーグ最少失点の堅守をベースとした安定した試合運びを示すはずだ。Ｇ大23はここ5試合で3勝と調子を上げている。得点力の向上が好調の要因。この勢いを保ち、前節に続いての上位撃破を狙う。
4位の栃木はホームで相模原と対戦。ここ3試合勝ちがなく、上位との差が広がりつつあるなか、正念場の一戦となる。相模原も4試合勝ちがない。得点力不足が課題のチーム同士の一戦だけに手堅い展開が予想されるなか、限られたチャンスをいかにものにできるか。前線のパフォーマンスが大きなカギを握るだろう。
5位の鹿児島はＣ大23の本拠地に乗り込む。前節は相模原に3-1と快勝を収め、再び上位の背中が視界に入っている。さらなる浮上を実現するためにも、下位チームから確実に白星を掴みたい。対するＣ大23は7試合勝ちがなく、16位に沈む。得点は奪えるものの、あっさりと失点してしまう淡白さも目に付く。集中を切らさず、粘り強く対応できるかが、若いチームに課せられたテーマとなるだろう。
6位の長野と7位の琉球の対戦も興味深い。ともに6勝7分3敗と同成績で並ぶ両者は、上位浮上をかけてこの試合に挑む。長野はここ2試合引き分けと勝ち切れない戦いが続く。堅守が光る一方で得点力不足が課題。いかに追加点を奪えるかがこの試合のポイントとなる。琉球は10試合負けなしと勢いに乗る。接戦をものにする勝負強さも高まっているだけに、アウェイとはいえ勝ちに拘ったアグレッシブな戦いを演じるはずだ。
4試合負けなしの藤枝は福島をホームに迎える。前節はYS横浜と引き分けたものの、押し込むサッカーを実現できており状態は悪くない。一方の福島はＣ大23との打ち合いを制した。2得点を奪ったアレックスのパフォーマンスが、今節もカギを握るだろう。
前節、6ゴールを奪い鳥取に快勝を収めたＦ東23は、ホームで北九州と対戦する。3戦負けなしと上り調子にあるものの、今節はトップチームのドイツ遠征やＵ－20日本代表の活動が重なり、前節とは大幅なメンバー変更を余儀なくされる。勢いを持ち込めないのは痛手だが、ここまで出番の少なかった選手たちにとっては絶好のアピールの機会となる。北九州はなかなか浮上の兆しを見出せていないが、１年でのＪ２復帰に向け、そろそろギアを上げたいところ。池元 友樹ら攻撃陣のさらなる奮起が求められる。
盛岡と鳥取はともに苦しい戦い続く。3試合勝利がない盛岡は、得点力不足が課題。一方10試合勝利から見放される鳥取は、前節はＦ東23に6失点を喫したように、守備に不安を抱える。前回対戦は引き分けに終わった両者の一戦。中断前に好転のきっかけを掴むのは果たしてどちらのチームか。
■各試合の見どころをチェック
藤枝vs福島
F東23vs北九州
栃木vs相模原
G大23vs富山
盛岡vs鳥取
秋田vs沼津
長野vs琉球
C大23vs鹿児島
