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【2003Jリーグヤマザキナビスコカップ準々決勝レポート】F東京-浦和、カップ戦ならではの勝負に徹した戦い(03.08.28)

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 FC東京サポーターが、試合前恒例の"You'll never walk alone"を歌い始めると、アウェイゴール裏全面に陣取った浦和サポーターから強烈なブーイングが出てくる。共に熱狂的なサポーターを抱える両チームだが、応援の声が試合に花を添えるいい演出になる事を改めて実感する。スタジアム観戦の醍醐味だ。

 駒場で行われた第一戦で、浦和はロスタイムに同点に追いついていた。この第二戦では、とにかく勝ったチームが準決勝へ勝ち抜ける。つまり、カップ戦ならではの勝負に徹する戦いになることが予想されていた。

 浦和は開始直後から激しく攻め込んだ。エメルソンが個人技で、右サイドからは山田が。また左右に大きく振って、鈴木がミドルシュートを放つ場面もあった。ただ、そうした攻勢が続いたのは試合開始から15分まで。

 オフト監督は、「お互いに攻め合うことでスペースが消えてしまっていた。だから引いて下がってスペースを作ろうとした」と試合後に述べている。FC東京に攻めさせてできた最終ラインの裏のスペースに、エメルソンを走らせようという作戦だ。

 一方のFC東京だが、ケリーが坪井にマンマークされることで結果的に坪井が最終ラインから引き出されるような形になっていた。そうしてできたゴール前のスペースに石川が入り込みチャンスをつくった。ただ、原監督が「疲れがある」と指摘したように、ドリブル突破後の最後の詰めが甘く得点には結びつかなかった。

 FC東京の攻勢は後半に入っても変わらないが、先制は浦和だった。

 60分にワンチャンスでエメルソンが抜け出して、ゴールに叩き込んだ。自陣に攻め込ませて、FC東京の最終ラインの裏にスペースを作り出したオフト采配が的中した。

 ここからFC東京の猛烈な反撃が始まるが、浦和のゴール前には強固な壁ができていた。そんな中でも86分にはケリーがクロスバー直撃のミドルシュートを放つと、ロスタイムには阿部が至近距離からゴールを狙った。ゴールネットは揺れたが、惜しくも外側のサイドネット。歓喜したサポーターに落胆が降りかかる。

 その直後、エメルソンがとどめの一撃を加えた。サイドライン際に開いたエメルソンに山田からロングパスが出る。前を向かせまいと茂庭が必死のヘディングを見せるが、空回りした気持ちをあざ笑うかのようにボールはエメルソンへ。広大なスペースを前に、トップスピードのドリブルを見せると「あれは追いつけないです」と茂庭が脱帽したままGKとの1対1に。このチャンスを冷静に決めて浦和が勝利を確実にした。

 直後に試合終了のホイッスルが吹かれ、浦和がヤマザキナビスコカップ準決勝進出を決めた。対FC東京戦初勝利でもあった。

「浦和はアウエイの戦い方でしたね」と原監督が言うと、ダメ押しゴールをアシストした山田も「カップ戦独特の戦い方でした」と振り返った。

 その山田だが「勝てたことよりも次のステージにいけることがうれしい。去年、悔しい思いをしているのでできれば最後まで行きたい」と述べている。

2003.8.28 Reported by 江藤高志
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