東京Ｖ 0 - 2 市原 (14:03:味スタ) 入場者数 14,006人

-今日の激闘を写真で振り返ろう！This Week Photo-

イビチャ・オシム監督（市原）：
「今日の試合はしっかり勝った。それほど話すことはない。ただ、勝ったのが遅かったのだ」

−優勝できなかったが？

「もしもジェフが、簡単に優勝を狙えるチームであったなら、このシーズンの始まる前、春に、私は仕事を引き受けなかっただろう。ジェフのスタジアムは小さい、お客さんもそんなに入らない、選手の質、そこで私は何かをやろうとしたのだ。それが、ただ優勝できなかったと言うことに対して訊かれてしまうのなら、それはおかしなことだ。わたしはそんな中で、できることを全力でやってきたからだ。むろんミスはつきものだ。選手だってミスをする。だがミスを少なくし、そして徐々に上へと上がってきたのだ。しかしそれでも、今ひとつ追いつくことができなかった。本当に優勝したかったら、ベンゲル、ケイロス、カペッロといった監督を雇えばいい。そうじゃないか？」

−足りなかったものは？

「勝ち点１。ゴール６（笑）。日本には（ヨーロッパのような）チャンピオンズリーグはない。ヨーロッパならば、２位や３位というものは、チャンピオンズリーグへの出場権だってあるんだよ」

−シーズンを振り返って

「チームがひとシーズンを通してしっかり戦えたのは、わたしにとってひとつの満足だ。もちろん勝ったり負けたりしたが、その中で、しっかりと勝ち点２６を取れたのだから。振り返ってみれば、大分戦、あるいはレイソル戦と、勝てる試合を落としてしまったこともあった。だがそれは、他のチーム事情も同じことだ。大事なのは、クラブと、クラブを運営する側と、そして選手とが、これまでできなかったことを、これからどう変えていくかということ。そこをしっかりと見つめられていないのならば、今シーズンは無駄になるだろう」

−今シーズン、観客動員数が上昇し、歓声が随分増えたが、サポーターに対してぜひひとこと

「チームがどんなプレーをするか、それにファンは反応するものだ。チームが何かポジティブなことができれば、つまり何かが変われば、観客は増えるのだ。チームがファンのふるまいを決めるのだ。……はぁ〜（思いつめた表情で、ため息をつき）…ま、残念だった。だが、人生は続くのだ。また機会は巡ってくるだろう」

−来季は？

「それは簡単に決められるものではない。シンプルなことではないんだ。まず、ヨーロッパから日本はとても遠い。そういう見知らぬ環境でこれまでわたしはやって来た。もちろん、Ｊリーグのことを少し分かるようになってきたとは言えるが、しかしこれからは、これまで以上に、もっと市原への期待が高まるだろう。そのさらに高まる期待を前に続けていくというのは、難しいことなのだ。

これまで多くの外国人監督がＪリーグに来たが、彼らは何も、単にお金が稼ぎたくて来たのではない。何かを変えたい、前進したいと思って来たのだ。そしてそれは、そう簡単なことではないのだ。さらなる期待がかかれば、また、より以上に何かを変えざるを得なくなる。前進するために。それには、ひとつには選手次第ということもある。市原にはいい選手がいる。しかし、チームが前進できる（非常に高いクラスの）選手が、たくさんいるというわけではない。

またそれだけではない。サッカーというスポーツ自体が進化していくものなのだ。さらに高まる期待に応えられるだけのスピード、フィジカルを持つ選手を持って来られたならいいのだが…。しかしそういう選手たちは、より経済的に豊かなチームへ行ってしまうものなのだ。たとえば名古屋、横浜（ＦＭ）、ジュビロのような」

−それでは、来季のための選手補強について、クラブ側へ要求した経緯はあるのか？

「言うことは簡単だが、（実際に）要求することはできなかった。わたしの考えを言えば、ジェフに必要なものは、今いる重要な選手を残して、他のチームにいる、試合に出場したくてもできないベンチ要員の選手を連れてくることだと思っている。出場機会を強く欲している選手というものは、機会を得るといいプレーをするものなのだ。

（最後に）これまでわたしの言うことを正しく書いてくれてありがとう。みなさん、上を向いて行きましょう」

以上

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