2003年12月20開催
第83回天皇杯4回戦
神戸 2 - 2 F東京(PK 神戸 5 - 4 F東京)
FC東京のある選手が試合後、ミックスゾーンでつぶやいたあと絶句した。「負ける要素は何もなかったのに…」。
---------
気温5度、北寄りの冷たい風が絶え間なく、そして強く吹きつける。空は曇り。体感気温は氷点下、それでも4回戦の他会場よりましな状況かもしれない。スタジアムを取り囲むのは四国特有の三角形の小さな山。近くにため池、遠くに瀬戸大橋、遠くに来たことを実感する。
前述の選手の言葉どおり、試合のほとんどはFC東京の支配下にあった。ピッチを広く一杯に使った東京の攻撃に、神戸は試合の大半の時間で防御に回らなくてはならなかった。しかしリーグ戦同様、東京は決定機を逃し、ワンプレーで失点してしまう。しかも気をつけなければいけない時間帯だった。前半42分、判定が絡むわずかなスキを神戸の朴が突き先制点。さらに追い討ちを食らう。2点目は後半19分、クリアミスの場面から、高く上がったボールに小島が合わせて蹴り込み神戸が2-0とする。
流れからいってこのまま神戸の逃げ切りとなりそうなゲームだったが、来季アマラオのいないFC東京でエースにならなければいけない男、阿部が暴れた。まず後半26分、東京は右サイドから神戸のペナルティゾーンに侵入。最後にヘッドで決めたのが阿部だった。そして終了間際ロスタイムには右足で東京を蘇らせた。最後の最後で失点し、崩れ落ちる神戸のDF陣、延長を前に勝負はあったかに見えた。
だが試合は結局、延長でも決着がつかずPK戦へ。3回戦でJFLのHonda FCともPK戦にもつれ込み6-5で勝利したFC東京にとっては2戦続けてのPK戦。先攻は東京、キッカーはアマラオ。ゴール左隅にコントロールされたボールはネットを揺らした。ここから神戸・播戸、東京・ケリー、神戸・シジクレイが連続して決め、2-2の同点。東京の3人目は今日2ゴールの阿部。しかし神戸のGK掛川が止めた。
その後神戸・土屋、東京・金沢、神戸・北本、東京・ジャーンと決め、4-4となった。神戸5人目のキッカーは菅原。たった今ゴールを決めたジャーンは、ゴールへ向かう東京のGK土肥に歩み寄り、目でメッセージを送った。「止めてくれ」。土肥は右手でこぶしを作り「任せろ」といった表情でうなずいた。
しかし、菅原のボールは土肥の指先をかすめるようにゴールマウスに吸い込まれていった…。
2003.12.20 Reported by 小野寺俊明 in 丸亀
以上
◆◇◆◇インフォメーション◆◇◆◇
J's GOALからクリスマスプレゼントとして選手のサイン入りグッズなどを抽選でプレゼント!-応募はこちらから!-















