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【天皇杯準決勝 磐田vs清水戦レポート】五輪世代の活躍で、14年ぶりの天皇杯決勝進出を決めた磐田(03.12.28)

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2003年12月27日開催
天皇杯準決勝(13:00KICKOFF:埼玉スタジアム2002)
磐田 4-2 清水


 前田遼一、成岡翔、菊地直哉……。来年3月のアテネ五輪アジア最終予選出場を狙う若手たちがチームをファイナルへと導いた。

 第83回天皇杯準決勝・清水エスパルス対ジュビロ磐田の一戦が27日、13時から埼玉スタジアムで行われ、磐田が4−2で勝利。2004年元旦にセレッソ大阪との間で行われる決勝戦にコマを進めた。

 気温4度、身震いするような強い北風。この冬一番の冷え込みとなる中、「静岡ダービー」が埼玉に場所を移して行われた。

今シーズンはJ1、ナビスコカップとどちらも無冠の磐田。「常勝軍団」としては、どうしても天皇杯のタイトルを獲りたいところだ。この日のスタメンはGK佐藤洋平、DF田中誠、鈴木秀人、山西尊裕、ボランチ・河村崇大、菊地直哉、右サイド・西紀寛、左サイド・成岡翔、トップ下・名波浩、2トップ・グラウ、前田遼一という顔ぶれ。出場停止の服部年宏に代わって菊地、右ヒザじん帯を損傷した川口信男に代わって成岡と、新人2人が大事なゲームのピッチに立った。先に行われたワールドユース(UAE)で「世界」を経験した2人のプレーには注目が集まった。
試合が始まってみると、序盤は清水がいい形でボールを支配する。キャプテン・名波も「最初はかなり押し込まれたから、ノーチャンスかなと思った」という。が、劣勢に置かれてもゴールできるのが磐田の強味。前半7分、相手のミスを突いて右サイドでボールを拾った前田がゴール前に突進。DFを引きつけ中央へ流した。そこで待っていたグラウが難なく右足ゴール。偶発的な先制点が転がり込んだ。

その4分後の前半11分、中央でボールを持った成岡が左サイドに開いたグラウにパス。その瞬間、彼は一気にゴール前へ走りこんだ。そこにグラウからいいクロスが入る。成岡はヘッドで落として右足でしっかりとシュート。2点目のゴールを自ら奪って見せた。わずか2つのシュートで2−0。磐田の効率的な攻めに1万1233人の観衆も度肝を抜かれた。が、静岡ダービー5連敗中の清水としては、このまま不甲斐ない敗戦を喫するわけにはいかない。反撃ののろしを上げたのは韓国代表FW安貞桓だった。前半25分にはペナルティエリア内でDFがクリアしたボールを豪快に左足でゴール。まず1点を返した。さらにその6分後、三都主アレサンドロの右CKから森岡隆三の頭を経由し、再び安貞桓がゴール。2−2に追いつき、勝負を振り出しに戻した。

代表クラスの守備陣を誇る磐田は、天皇杯が始まって以降、無失点でここまで勝ち上がってきた。それだけに2失点は予想外だったに違いない。田中誠も「本当は2−0で抑えられなければいけなかった」と悔やむ。鉄壁の守備が容易に崩れてしまうところが、今季無冠のチームを象徴しているのかもしれない。

そんな守備陣のミスを帳消しにしたのが、前線の選手たちだった。前半43分には山西のFKからペナルティエリア内でフリーになった前田が3点目をゲット。またもやリードを奪った。山西が「ミスキックだった」というボールを蹴った瞬間、前田とグラウが巧みにポジションチェンジしたことで、結果的に前田がフリーになった。「2人ともFKに詰めようとしていただけ」と本人は至ってクールだったが、大きな自信を感じさせた。以前から高い技術を誇っていた前田だが、プレー全体がキレイすぎる嫌いも強かった。しかし今季、試合に出続けていることで、逞しさとゴールへの貪欲さ、そして力強さを身につけたようだ。

後半に入ると、中盤の名波と成岡、あるいは成岡と西が頻繁にポジションを変えながら動くようになる。前半はボールさばきに不安を感じさせた菊地も、本来の落ち着きを取り戻し、鋭い読みを見せ始めた。そんな中、磐田にダメ押し点が転がり込む。後半13分、右サイドを突破したグラウから中央の西へボールが渡り、さらに逆サイドを走ってきた成岡にパスが通った。フリー状態の成岡は思い切りのいいヘディングシュート。4点目が生まれた。

この日の成岡は、不本意な結果に終わったワールドユースの鬱憤を晴らしているかのようだった。清水ディフェンスの寄せが甘く、余裕を持ってプレーできたこともあるだろうが、成岡は長短のパスに豊富な運動量、鋭い動き出しと好プレーを連発した。「ブラジル戦を経験して、もっと動き出さないといけないと感じた。彼らはいつも動き回っていたし、運動量もすごかった」と、世界から体験したことをすぐピッチで実践してみせた。意識的にこういうプレーを続けていくことが、彼の成長につながるはずだ。

菊地にしても、守備面では服部の穴を十分に埋めた。「ボールを持った時にはチームに迷惑をかけているけど、1対1の強さという持ち味は出せた。試合経験を重ねて、ボランチもDFも両方できるようになりたい」と前向きな姿勢も見せた。彼らのような若手を、このところ絶好調の名波らベテランがサポートしながら、勝利を重ねてきた磐田。14年ぶりとなる天皇杯決勝では、組織的パスサッカーでタイトルを獲得したいところだ。

2003.12.28 Reported by 元川悦子

以上
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