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【Jユースカップ2003 決勝 広島vs市原戦レポート】高い完成度を見せ付けたサンフレッチェ広島ユース(03.12.29)

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2003第11回Jユースカップ決勝
長居スタジアム(13:00KICKOFF)
サンフレッチェ広島F.Cユース 6-4 ジェフユナイテッド市原ユース

得点者:
【広島】 桑田、前田、田坂、田村、西山、前田
【市原】 半田、菊池、伊藤、伊藤

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 「雪は溶けていると聞いたので」広島・森山監督の弁である。準決勝と決勝の間は「中2日」。実に微妙な間である。この過ごし方が決勝の勝敗を考える上で極めて重要な要素であることは考えるまでもないのだが、実際の過ごし方は両チームで対照的だった。市原・井上監督は大阪に残ってトレーニングを続けるという選択をし、広島は逆に一旦地元へと帰還するという選択を行った。その理由を森山監督は「帰る方がリラックスできて」「普段の状況に近づけることができる」「メンタリティーの部分を考えた」結論だったという。しかし、「結果として失敗だった」。何故なら、吉田町への帰還早々、町は再び雪に覆われてしまったからである。コンディショニングという点で広島はまたしても後手に回ってしまった。

 決勝戦は立ち上がりから拮抗した試合展開となる。広島の動きが良くない上に、市原の広島対策は万全だった。広島が敷く3トップへの対抗策として、準決勝までとは違う4バックのディフェンスを採用。3トップのポジションチェンジを多用する広島に対して、右の小泉、中央の竹田、左の林がマークを受け渡しながら対応し、もう1枚の秋葉が常に余って、できたスペースを埋め、抜けてきた敵を潰すという仕事を実践していた。前半の市原は「やりたいサッカーはできていた」という井上監督の言葉を借りるまでもなく、ほぼ完全に広島を自らの術策へはめることに成功していた。13分には伊藤のボレーシュートが、14分にも半田のシュートがGK佐藤を脅かす。広島にもチャンスはあったが、思うような攻撃はできておらず、市原のペースであった。しかし、広島のDF高柳は「試合の中ではそういう時間帯もある」とあっさり割り切っていたという。得点が奪えないことについても「前の4人(田村、西山、前田俊、_田)は頼れる」ので、「必ずとってくれる」と確信があったといい、FW田村も「焦ることはなかった」と語る。これこそが今年の広島の真骨頂である「勝負強くて粘り強い」(森山監督)ハートの強さの証明であったのだろう。

 市原の狙い通りの展開、0−0で試合は25分を経過。しかし、迎えた26分に試合を突き動かす一撃を決めたのは広島だった。後方からのロングボールをまずは田村がヘッドで競り勝つ。そのこぼれに対して、チャレンジ&カバーの原則を守って後方で余っていた市原DF秋葉がクリアに行くのだが、それに対して広島・前田俊介は全力で身体を伸ばして秋葉より先にボールへ触る。最終ライン後方へと流れるボール。これを拾って、相手ゴールへと叩き込んだのはシャドーストライカーとしての役割がすっかり定着した_田慎一朗だった。この先制点で市原のゲームプランは崩壊した。動揺もあったのだろう。36分には中野のロングフィードをFW田村とGK塚原が競り合い、こぼれ球を前田俊介がヘッドでゴール。さらに続く41分には左サイドを単独で突き破った田坂が角度のない位置から凄まじいシュートを突き刺し、3−0とした。試合は決まった。市原は終わった。誰もがそう思った。ハーフタイムの記者控え室では、「広島がJユースカップ決勝の最多得点記録を破るかどうかが注目だな」。そんな言葉も聞かれた。

 ハーフタイムで市原の井上監督は「0−3という折り返しだったので、『0−4、0−5になっても1点を取りに行こう』と言った」という。「このまま終わるわけにはいかなかった」という気持ちは監督にも選手にも共通していたのだろう。後半の市原が見せた気概は観衆の度肝を抜くこととなる。立ち上がり早々の2分、菊池→川淵と繋ぎ、最後は川淵からのパスを受けた半田が「軽かった」広島守備陣2枚をかわして、左足シュートをゴールネットへ叩き込む。5分には、川淵のドリブル突破を広島DF藤井が倒して、あわやPKかという場面も生まれるなど、突然に訪れた「ハラハラドキドキ」(森山監督)の展開に広島は圧倒された。ここで2点目を奪われていたら、試合は分からなかったに違いない。しかし、ここで再び広島の強さが見える。この苦しい時間帯で訪れた最初の決定機、これをキッチリと決めるのだから大したものだ。13分、西山のクロスをGK塚原がはじき、こぼれを桑田がボレー。これはゴールライン上で市原DF竹田が決死のブロックを見せるも、リバウンドボールは無情にも広島・田村の前に。田村はこれを落ち着いて蹴り込み、4−1。流れを変える一撃を決める。その直後には、左サイドの前田の自ら「気持ちよかった」と語る芸術的なアシストから西山が見事な左足シュートを決めて、5−1としてみせた。

 しかし、それでも市原は試合を捨てない。カウンターなど恐れない。攻めて攻めて攻めまくった。井上監督は試合後に涙を浮かべながら「あの姿勢は、技術・戦術云々よりもずっと大きなもの」と語る。24分には抜け出したFW菊池の右足シュート、28分には八角のFKから伊藤が粘り強いゴールを決めて、5−3。再び2点差。この驚異的な市原の粘りは、広島のコンディション面での不安が露呈したという面もある。広島の選手達にとっては非常に苦しい時間が続いたわけだが、それでも、このチームには特有のたくましさが存在していた。44分、広島は桑田の左からのパスを受けた前田俊介が単独得点王となる圧巻のループシュートを決めてみせる。なおも粘る市原は伊藤が終了間際にミドルレンジからのシュートを叩き込んだが、反撃もさすがにこれまで。

大会を通じて、心身両面での強さ、チームとしての完成度を見せ付けたサンフレッチェ広島ユースが6−4で勝利。第11回Jユースカップの覇者となった。

2003.12.29 Reported by 川端暁彦

Jユースカップ特集
以上

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