【2004シーズンの見どころ】
昨年のセカンドステージで生まれ変わった東京Vは、降格圏からすぐに脱出し、優勝を争えるだけの力を身につけた。だが最後まで問題となっていたのが失点の多さ。4-3などという大味なゲームが多く見られたので、今季は得点力を落とさずに、どこまで失点を減らせるのかに注目したい。アルディレス監督が昨シーズンを振り返って「選手の質、量ともに不足していた」という反省を口にしたが、その問題点がどこまで改善されているのか?
残念ながら、日本人選手の大物選手獲得は実現しなかったが、外国人4人体制でファーストステージに挑む。新外国人選手については「新戦力・注目のキープレーヤー」を参照していただきたい。
そして昨シーズン、最もバックアップの選手が不足していたと考えられるのがボランチのポジションだ。昨年セカンドステージの終盤戦では、小林慶行が長期離脱すると、その穴を最後まで埋められずにどんどん順位を落としてしまった。結局、優勝争いを演じながらも最後は9位という平凡な成績で終えている。
だが、今はセンターバックもボランチも器用にこなせる林健太郎が好調を維持し、中盤の底を任せられる多くの選手をヴェルディユースから引き上げた。ボランチ不足で悩むようなことはなくなりそうだ。
チームのコンセプトは大きく変わらないだろう。それは、パスを丁寧に繋いでボールポゼッションを高め、チャンスをたくさん作って相手を崩していくスタイルだ。そこで陥りやすかった悪い癖は、攻撃が真ん中に偏ってしまうところだった。両サイドバックと両サイドハーフに中央の選手が上手く絡んでのサイド攻撃ができるようになれば、より多彩な攻撃が生まれてくる。特に日本代表組の三浦淳宏と山田卓也がどれだけサイドで働けるかがカギとなるのではないか。
そしてアルディレス監督が継続して指揮を執ることも非常に大きなプラス要因だ。清水を率いた95年はチームをナビスコカップ優勝に導き、横浜FMではステージ優勝をチームにもたらしている。まだ東京Vではタイトルを獲っていないので、今年は少なくとも1つは獲ってくれるのではないか? 優勝請負人にかかる期待は膨らむばかりだ。
【新戦力・注目のキープレーヤー】
今年の東京Vはエムボマ以外の外国人選手を総入れ替えして新しいシーズンに臨む。そこで、新しく加入した3人の外国人選手を紹介したい。まずはセンターバックのウベダから。
それほど高さがあるわけではないが、ラインを統率し、的確なコーチングでピンチを未然に防ぐことができる。アルディレス監督が自らアルゼンチンから呼び寄せたことから、信頼の高さも伺えるというものだ。昨シーズンは“得点は奪えるが失点も絶えない”チームだったので、その得点力を落とさずに守備力を高めるためにやってきた。「早くみんなと上手くコミュニケーションを取れるように日本語を勉強したい」と語っていたことからもわかるように、コミュニケーションの重要性を認識している頼もしいベテラン選手だ。足元の技術も高く、後ろからチャンスに繋がるようなパスも出せる。
10番を背負い、トップ下のポジションを任されそうなのがブラジル人のウーゴ。とにかく運動量が豊富で、両サイドにもゴール前にもどんどん顔を出してくる。得点に絡むシーンを増やしてくれることに期待。ボールを丁寧に繋ぐ東京Vのスタイルにも非常にマッチしたテクニックに優れている選手と言える。
そして第4の外国人として6月30日までの短期契約で、ボカ・ジュニアーズから呼び寄せたのがアルゼンチン人FWロペス。小柄ではあるが、スピードがあり、得点力に溢れた選手だ。シーズンとを通して活躍するのが難しくなってきたエムボマが抜けたとき、攻撃力の低下を防ぐために呼び寄せられた。他の選手よりもチームへの合流が遅れているので、まずは早くチームに溶け込むことが必要になってくる。19才という若さが吉と出るか凶と出るかは、蓋を開けてみなければわからない。
日本人選手で注目したいのは弱冠15才で、ヴェルディユースからトップチームに引き上げられたFW森本貴幸。チーム関係者から「見た目だけではなく、そのプレーからもアンリやトレゼゲを思わせるような選手」と高く評価されている。2月の終わりから3月の初めにかけて、韓国で行われた統営(トンヨン)カップでは、すでにトップチームデビューを果たしたので、味の素スタジアムでその勇姿を見られる日もそう遠くはないだろう。将来の日本を背負って立つことが期待される逸材として、平山相太を超えられるのはこいつしかいない!
【開幕時の布陣予想】
![]() |
GKは昨シーズンと同じ高木義成が第一候補に挙げられる。しかし、昨シーズンは不安定さを露呈してしまい、試合を決定付けてしまうようなミスも見られた。そこで横浜FCから獲得した水原一樹にもチャンスがあるかもしれない。DFラインは昨シーズンと同じ4人がベースになる。右から柳沢将之、米山篤志、ウベダ、三浦淳宏の4人がファーストチョイスになりそうだ。そこに明治大から加入した戸川健太や、昨シーズントップデビューを果たした富澤清太郎も食い込んでくる可能性がある。中盤は4人でひし形が有力だ。底に小林慶行、右が山田卓也、左に平野孝で、トップ下に新加入のウーゴが入る。山田は日本代表のイラク戦で負傷したが、開幕には間に合う見込み。前線には多くの選択肢がある。ヒザの手術を行ったエムボマは開幕には間に合わない可能性が高い。だが昨シーズン28試合に出場し、大きく成長した平本一樹が柱となり、桜井直人や飯尾一慶も健在だ。
2004.2.26 Reported by 池田晋
以上
東京ヴェルディ1969グアムキャンプレポート(1)
東京ヴェルディ1969グアムキャンプレポート(2)
東京ヴェルディ1969グアムキャンプレポート(3)
2004シーズン 開幕直前・クラブ別戦力分析レポート
















