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【2004開幕直前全28クラブ分析】アビスパ福岡、「We WILL make it !」。J1昇格はわれらが使命。(04.02.27)

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【2004シーズンの見どころ】
「2年でJ1」という目標を掲げて昨年スタートした新生アビスパ。2年目に当たる今シーズンは、「We WILL make it !」を合言葉にJ1昇格を目指す。「WILL」を大文字で表したのは「必ず実現する」という強い意思の現れだ。ブラジル国内リーグでベストボランチ賞を受賞したホベルト以外に大型補強は行っていないが、昨年の主力選手全員がチームに残ったことこそが最大の補強。昨年、築き上げたチーム戦術をベースに、更なる強化を図っている。若い選手が多いだけにのびしろは大きい。「(ベースがあるのが)去年とは違うところ。継続性がうちの強み」と松田浩監督も自信を見せる。

 高い位置からボールにプレッシャーをかけ、奪ったボールをシンプルに展開して両サイドからアタックを仕掛けるのがチームのスタイル。前線からゴールマウスまで個性的な選手を揃えるが、特定の個人の技量に頼ることなく総合力で戦う。互いに補完しあって、それぞれの個性がひとつに融合しているのが強みだ。その力は昨シーズン後半で既に実証済み。22試合で51点という驚異的な勝ち点を稼ぎ出し、J1昇格を果たした新潟・広島に3勝1敗と勝ち越した。今シーズンのJ1昇格レースの主役であることは間違いない。

 攻撃の中心はベンチーニョ。FWという枠にとらわれず、自由にピッチを動き回るプレースタイルは、しばしば相手をかく乱する。ある時はトップ下からスルーパスを出し、ある時はボランチの位置まで下がってボールを配る。それでいてゴール前でシュートを放つ等、その働きは多岐に渡っている。過去に所属したチームでは、そのスタイルゆえにチームのバランスが崩れることもあったが、福岡では周りの選手が連携することでベンチーニョの特徴を最大限に引き出している。

 その役割を担っているのが宮崎光平と古賀誠史。攻撃の起点を作るベンチーニョの動きに呼応して、ベンチーニョが移動することで出来たスペースや、両サイドのDFの裏へ走りこんでスピード溢れる突破を図る。かみそりのような切れ味の宮崎光平と、鉈で叩くような重さを兼ね備えた古賀誠史と、異なる特徴を持つ両アタッカーの突進は相手にとっては厄介な存在だろう。さらに、その後方からは川島眞也、アレックスまでもが攻撃を仕掛ける等、両サイドからの攻撃は迫力がある。特に抜群のコンビネーションを誇る古賀誠史とアレックスの左サイドからの攻撃は注目だ。

 守備は全員守備が基本。前線からボールを追い、パスコースを限定して中盤で囲い込む。運動量に任せた激しいプレッシングではなく、巧みなポジショニングとパスコースを読んだ動きが特徴的だ。そして、最終ラインは、今シーズン、チームキャプテンを務めるベテランの藏田茂樹がコントロールする。高い位置をキープすることでコンパクトなゾーンを形成し、巧みなカバーリングでピンチの芽を確実に摘んでいく。CBの層の薄さが心配されていたが、昨シーズンオフに左肩の手術を行った千代反田充が順調に回復。また増川隆洋がCBとしても十分に働ける目処が立ったほか、川島眞也をCBに起用するオプションや、守備能力の高いホベルトの加入で中盤の守備が堅固になったこと等、シーズンを乗り切る準備は着々と進んでいる。

 攻守両面に渡って順調に準備を進める福岡は、J1への扉を確実に視野に捉えていると言っていい。唯一の敵は、まだ経験したことのない昇格争いのプレッシャーか。フロント、チーム、現場スタッフ、そしてサポーターが一体となって、そのプレッシャーに打ち勝ったとき、福岡のJ1昇格が現実のものとなる。



【新戦力・注目のキープレーヤー】
 一部のベテランを除き、ほとんどが20代前半というチームでは、どのポジションの選手も大きく伸びる可能性を秘めており、そういう意味では注目すべき選手は多い。そんな中で敢えて注目選手を挙げるとすれば、中盤の4人ということになるだろう。

 まずは新加入のホベルト。両アウトサイドの選手が攻撃的なチームにあって、ボランチを務める選手のプレーの質が福岡の出来を大きく左右する。中盤での守備、攻守の切り替えの早さ、配給の妙、機を見ての攻撃参加等、求められるものは多い。そして、ミスは許されない。そんなポジションにホベルトはまさにうってつけの選手だ。1対1に強いのはもちろん、すばやく両サイドへボールを散らせる視野の広さも併せ持つ。派手さはないが、どんな時でも基本に忠実に簡単にプレーできるのは技術が高い証拠。松田浩監督も絶大な信頼を寄せており、攻守の要としての期待は大きい。

 そのホベルトとコンビを組むのは米田(めた)兼一郎。昨年、シーズン途中からレギュラーの座を掴むとその才能が開花。あっという間にチームの中心選手に成長した。広い視野、戦術眼、巧みなポジショニング、コースを読みきった守備等、文字通り、攻守の要としてチームを支えている。ホベルトの加入で守備面での負担が減った今シーズンは、攻撃面で更に大きく飛躍することが期待されている。本人もその自覚は高く、トレーニングマッチでは積極的にゴール前に飛び込んでいく姿が見られた。ポイントはホベルトとの縦のバランスだが、それも問題なくこなしてくれそうだ。

 そして、福岡の生命線である両ワイドの攻撃を担うのが宮崎光平と古賀誠史だ。
 宮崎光平は、小柄な体格ながらスペースに走りこむスピードは天下一品。サイドを突破してチャンスを広げるだけではなく、ベンチーニョの作ったスペースに飛び出してはゴールを狙う。昨シーズンは8得点を叩き出す等、得点感覚にも優れている。また、疲れを知らないスタミナにも定評があり、昨シーズンはチームで唯一44試合出場を果たした。右のアウトサイドが本来のポジションだが、左アウトサイドでも同様にプレーできるほか、SBもこなすなど器用なところも兼ね備えている。今年も彼のプレーからいくつものチャンスが生まれるはずだ。

 同じく鋭い縦への突破を売り物にする古賀誠史だが、重心の低い重量感のあるスピードが持ち味。東福岡時代は超高校級の評価を受けながら、Jリーグでは才能を発揮できずにいたが、昨シーズン後半からスーパーサブとして活躍。第4クールに入ってからはレギュラーとして完全定着した。そのスピードに加えて左足のキックも持ち味のひとつ。重量感のある強烈なシュートと、鋭くカーブするクロスボールは、福岡に何度となくゴールをもたらした。いまや福岡の攻撃の中心となった左サイドは今年も健在だ。

 さて、最後にもう一人、爆発の予感を感じさせる選手を紹介しておこう。FWの田中佑昌(ゆうすけ)。今年、ユースチームからトップ昇格を果たしたルーキーだ。ユース時代からサポーターの間では注目を浴びていた選手で、宮崎キャンプではトレーニングマッチで5得点を挙げて、いきなり大物ぶりを見せつけた。松田浩監督も「非常にいい選手。賢さもスピードもあるし楽しみな選手。今キャンプの大きな発見のひとつ。(レギュラー組と)同じ土俵の上に立ったと言える」と高評価を与えている。競争の激しい攻撃陣だが、意外と早く出番が回ってくるかもしれない。目が離せない選手だ。



【開幕時の布陣予想】





 昨年の戦い方をベースにする福岡のフォーメーションは4-4-2。まずゴールマウスは成長著しい水谷雄一が守ることになるだろう。最終ラインは右に川島眞也、左にアレックス、CBに藏田茂樹、千代反田充というのが基本形。しかし、J2は44試合の長丁場。CB増川隆洋、右SB平島崇、左SB木藤健太らにも活躍の場が回ってくるはずだ。ダブルボランチは米田兼一郎とホベルト。守備に定評のあるベテラン篠田善之が控えているのも頼もしい。

 タレントを多く揃える攻撃陣は競争が激しいが、両サイドは右に宮崎光平、左に古賀誠史で決まりだろう。昨シーズン後半の実績は申し分なく、キャンプ中も相変わらず切れのある動きを見せている。2トップは欠かせない戦力であるベンチーニョと、U−20代表経験を持つ林祐征がコンビを組む。しかし、昨シーズン8得点を挙げ、U−22代表候補に選出されたことのある福島洋も実績に問題はなく、ユースから昇格した田中佑昌も松田監督から高い評価を受けており、この2人にも十分チャンスはある。

2004.2.27 Reported by 中倉一志

以上

福岡宮崎県宮崎市キャンプレポート

2004シーズン 開幕直前・クラブ別戦力分析レポート

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