大分トリニータは、ハン・ベルガー新監督指揮のもと、宮崎のシーガイアでキャンプを行った。就任後わずか6週間しかない中で新しいチーム作りが行われている。非常に規律に厳しいのが特徴だ。
「規律」というのも、一緒に集団生活をする中で、守るべき当然のことがらでもあるが、決められると意外と難しいのも事実。食事時間、バスに乗り込む時間などがぴったりと決められていて、それに遅れると罰金が科せられる。しかし罰金の額は特に決まっていないとのこと。それは、破るわけがないだろうという監督の考えがあるからだそうだ。
ハン・ベルガー監督の指導の特徴がいくつかチーム関係者からあげられた。「ミーティングが短い」これは練習試合前のミーティングでも同じなようで、試合前にいろいろ言うのではなく、練習でやってきたことをピッチの中で選手たちが実践するということを尊重してのこともあるようだ。それから練習時間も比較的短く1時間半というのが基本のようだ。短いといっても決して楽なわけではない。短めではあるが負荷が高いトレーニングを行っているのだ。
もうひとつには「フィジカルトレーニング」に特徴が見られる。「素走り」といわれる、走るだけのトレーニングがほとんどない。必ずボールを絡ませての走りが練習の最初のアップでも行われている。サッカーに必要な動き、サッカーに必要なフィジカルをつけるという考えのもと行われているもの。
戦術面の練習では監督の出す指示は細かいがシンプルだ。「選手にわかりやすく話してくれている」と選手たちも話すとおり、ひとつひとつの動きに対してシンプルな指示が飛んでいる。現在はシステムもまだ試行錯誤で、「やりながら最善なものを選んでいく。」と監督の話すとおり、選手たちも今、このキャンプの中で監督の目指すサッカーを理解しようと努める日々だ。
練習ではピッチを広く使って、両サイドがポイントとなる攻撃のパターンが何度も繰り返し行われた。守備的MFの位置にいる新加入のビチュヘ選手から出されるやわらかいパスは「受け手が受けやすいボール」と言われる。スピードのあるパスも受け手にぴたりとあう。左足のスペシャリストであるビチュヘ選手について、同じく左足の根本選手は「やっぱりすごいと思うし、いろいろなことを学び取りたいですね」と話す。
そしてこの日正式に発表された永井秀樹選手の入団。永井選手は、横浜フリューゲルス時代、同じチームで過ごした吉田孝行選手とペアを組んでのアップを行っている。
やはりかつて一緒にプレーしてきた二人の息はぴたりと合う。トップ下の永井選手からでるパスに、自然と反応できるのはやはり吉田選手。「永井さんのもっている独特なリズムというか、人とは少し違うんですよ、持ってる間みたいなものが。それが僕にはわかるから、すごくやりやすい。今シーズン一緒にやれるのが楽しみですね。今年は自分自身、プロ10年目、コンディションも昨年のシーズン最初に比べいい形で入れているし、ゴールは二桁を目指したい。」と吉田選手は目を輝かせた。
従来所属する選手のモチベーションの高さに加え、新加入のビチュヘ選手、マグノ選手、永井選手、根本選手など・・これらの新加入の選手が今年の大分にとって大きなポイントとなってくることはキャンプで行われている戦術トレーニングを見ていても間違いない。
「Perform & Enjoy」シーズン最初に掲げられたチームのテーマ。「この通り、サポーターの皆さんも一緒にサッカーを楽しんでもらえるような攻撃的なサッカーを見せて行きたい」と話すハン・ベルガー監督。昨シーズンリーグ最少27失点の守備のチームといわれた大分が、今年、攻撃的なチームへと生まれ変わろうとしている。
2004.2.27 Reported by 日々野真理
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