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【U23日本代表−U23バーレーン代表戦レポート】バーレーンに不意を突かれ、まさかの敗戦。(04.03.15)

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2004年3月14日2004アテネ五輪アジア地区最終予選
グループB 日本ラウンド
埼玉スタジアム2002
19:20KICKOFF
U23バーレーン代表 1-0 U23日本代表

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 タイムアップの瞬間、5万5000人を超えるサポーターで埋まったスタジアムが異様な静寂に包まれた。ピッチ上の茂庭照幸と石川直宏(ともにF東京)は頭を抱え、前田遼一(磐田)が今にもつりそうな足を黙って伸ばす。ベンチの選手・スタッフまで飛び出して、小躍りしながら喜びを爆発させるバーレーンとは、まさに対照的な光景だった……。

アテネ五輪アジア最終予選・日本ラウンドの初戦・バーレーン戦が14日、19時20分から、埼玉スタジアム2002で行われたが、ホームの日本はリスタートから痛い失点を食らい、0-1で惜敗。勝ち点を「7」から上積みできず、バーレーンに並ばれてしまった。直前の試合でレバノンに2-2で引き分けたUAEも勝ち点7。3チームが三つ巴の状況になった。現時点では得失点差で辛うじて日本がトップを維持しているものの、次のレバノン戦(16日、東京・国立)は絶対に負けられないゲームになってしまった。

 UAEラウンド3試合を2勝1分の勝ち点7・グループ首位で折り返したU-23日本代表。本拠地での残り3試合は、慣れ親しんだ環境で、大勢のサポーターの声援を受けて有利に戦えるはずだった。が、山本昌邦監督のプランを狂わせたのが、選手の体調不良。3月5日のUAE戦前から始まった細菌性腸炎がチーム全体に蔓延。福島合宿中には菊地直哉と成岡翔(ともに磐田)が途中離脱するまでになった。指揮官は13日の前日練習後も「まだ90分間プレーできない選手がいる」とコメント。そんな苦境のまま、この日を迎えることになってしまった。

 苦悩する山本監督が選んだ最良のメンバーは、GK林卓人(広島)、DF田中マルクス闘莉王(浦和=中)、茂庭(右)、那須大亮(横浜FM=左)、ボランチ・鈴木啓太(浦和)、今野泰幸(F東京)、右サイド・徳永悠平(早稲田大)、左サイド・根本裕一(大分)、トップ下・前田、2トップ・田中達也(浦和)、高松大樹(大分)。前日練習で左サイドに入っていた石川はベンチスタートとなった。

 5万5442人の大観衆が集結したうえ、直前のゲームでUAEが勝ち点3を取り損ねたこともあり、日本には追い風が吹くはずだった。しかし彼らは、自陣に深く引いて守るバーレーン守備陣を思うようにこじ開けられない。前回の反省を踏まえ、最終ラインを押し上げてコンパクトにしようと試みるものの、高松や前田が前線での競り合いに勝てず、なかなかタメを作らせてもらえない。徳永、根本も両サイドのえぐりも不発。クロスそのものも少なかった。
 不穏な空気に拍車をかけたのが、前半27分の闘莉王の負傷。タンカでピッチ外に運ばれた彼を診たドクターは、無情にも「×」の合図。左太もも裏を痛め、そのまま退場してしまった。代わって阿部勇樹(市原)が最終ラインの真ん中でプレー。彼がこのポジションに入るのは、2002年秋のアジア大会(韓国)以来である。

 その阿部はディフェンス陣を無難にコントロールした。が、攻撃の方は相変わらず突破口を見出せない。決定機をほとんど作れないまま、前半45分が終わった。

 最低でも「引き分け」を狙う山本監督は、後半も同じメンバーを代えなかった。指揮官の期待を背にした選手たちは、徐々にリズムをつかみ始める。開始5分には右CKから高松〜前田と渡り、最後は茂庭がシュートもサイドネットに当てるという惜しい場面があった。さらに14分には根本とのワンツーからゴール前に飛び込んだ前田がフリーでボレーシュートを放った。が、これはヒットせず、大きくワクを外れた。それでもこの時間帯は明らかに日本ペースだった。

 ところがこの後、那須が相手FWに腰を蹴られるというアクシデントが発生する。すでに足を痛めていた彼は、もはや立っているのがやっとの状況に。試合巧者のバーレーンは満身創痍の彼を執拗に狙ってきた。

 迎えた後半24分、バーレーンは最終ラインからロングボールを展開。これを受けたH・アブドゥラが一気にドリブルで前線を突こうとした。この決定的チャンスを止めようとした那須がファウル。彼は最終予選2枚目のイエローを受けた。しかもペナルティエリアのすぐ手前でFKを与えてしまった。バーレーンにとっては願ってもないビッグチャンスだ。キッカーはH・ハサン。彼の蹴ったボールはカベを直撃し、S・ハサンの頭に当たって、アッバスの前に転がった。これを彼は落ち着いてゴール。ついに3試合無失点だった日本守備陣から1点を奪ったのだ。

いくらリーグ戦とはいえ、負けは最終予選敗退に直結しかねない。山本監督は根本に代えて石川を投入、さらに鈴木を下げて松井を起用。中盤を攻撃的にして、1点を取りに行った。残り10分を切ってからは、田中と高松が再三ゴールを脅かしたが、結局はネットを揺らすことができず、日本はまさかの敗戦を喫してしまった。

ミックスゾーンに現れた選手たちは一様に悔しさを押し殺していた。田中が「気持ちを切り替えて残り2試合を勝つしかない」と言えば、鈴木も「今こそ日本の底力を出す時」と気持ちを新たにした。しかし「引いて守ってくる相手を崩せない」という課題はこの日限りのものではない。田中は「引いた相手をどう崩すかもっと話し合わないといけない」と戸惑いを見せる。徳永も今野も「もっとミドルシュートを打っていくしかない」と打開策を口にするが、シュートの本数が少なく、精度が低ければ、相手を引き出すことはできないだろう。

レバノンもバーレーン同様、しっかり自陣を守りながらカウンターを狙ってくるだろう。この日、UAEをあと一歩まで追い詰めたように、チーム状態も上向きだ。日本は逆に那須と闘莉王を欠く可能性が大。不利な状況の中、「1点」をどうやって奪いに行くのか。このハードルを越えることができなければ、アテネ五輪、ひいてはドイツワールドカップもありえない。


2004.3.15 Reported by 元川悦子

以上


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