新潟 3 - 3 清水 (19:00/新潟ス) 入場者数 37,963人
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その瞬間、ライン際に立ちつくしていた反町康治監督は、足早にベンチに戻った。腕組みをし、歩きながらも視線を上に向けようとはしなかった。一瞬、音が消えた新潟スタジアムに清水のメンバーの歓喜の声が響いた。
ロスタイム。いつホイッスルが吹かれてもおかしくない時間帯。新潟陣の中央付近でFKを得た清水は、クイックリースタートから澤登正朗が右サイドをドリブルで突破。あっさりとクロスを入れると、詰めていた斉藤俊秀が左足で押し込む。このわずかな時間帯、新潟のメンバーは足が止まっていた。清水にとっては劇的な同点劇。新潟にしてみればようやくつかみかけていたホーム初勝利を自ら手放したような手痛いドローだった。
新潟がホームで勝てない。J2を制覇した昨季、ホームで16勝4引き分け2敗。新潟スタジアムに関して言えば、11勝4引き分けと負けなし。そんな不敗神話は昔話になってしまった。「ホームで勝てない理由?それがわかったら知りたいです」。記者会見の席、反町監督はやや強い口調で言った。この日の観客は37,963人。ウイークデーのナイターということを考えれば、満員にも等しい数字だ。指揮官のイラだったような言葉は、新潟の試合を楽しみにしているファンへの申し訳なさからだった。
試合の流れは悪くなかった。28分に北島秀朗のゴールで先制されるが、その1分後、エジミウソンとの連係から上野優作が同点ゴール。2対1と再びリードされた後半も35分にエジミウソンが同点弾。その2分後には上野がクリアボールをカットして、そのまま押し込み勝ち越し点。3バックが機能し始め、意志の疎通も取れていた。「相手が中盤でガツガツ来てくれたので、ボールを奪えればチャンスがあると思った」。上
野が言うように手応えは十分だった。
その一方で、改めて課題を突きつけられた。第8節の名古屋戦でも1対0でリードしながら終了4分前に追いつかれた。大分戦までの5試合は、いずれも前半30分前後に失点している。勝負どころでの集中力。システムの修正を重ねながらも、テーマは消え去っていなかつた。
結果的に要所をきっちり押さえたのが清水だった。土壇場の同点シーン、澤登はほぼフリーで走り込んだ。斉藤が「このままでは帰れないと思っていた」と言うように、全員の意識がゴールに向いていた。反町監督は「澤登が仕事したのはあの一度だけ。あの抜け目のないプレーがウチにはない」と、清水の勝負強さを認めた。
新潟にとって意識の上では負けに等しい結果。温かいはずの新潟サポーターの声援は、試合後は突き刺すようなブーイングに変わった。気持ちを切り替えようと唇を噛む新潟のメンバーに追い打ちをかけた。「とにかく次、そしてその次。勝つしかないんです」。上野の短い言葉の中に、チーム全員の思いがこもっていた。
以上
2004.06.16 Reported by 斉藤慎一郎
J’s GOALニュース
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