6月16日(水)J1 1stステージ第13節 横浜FM 2 - 0 広島(19:03KICKOFF/横浜国) 入場者数14,738人
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両チーム合わせてもシュート16本。全体的に見れば静かな試合だったかもしれない。しかし、両チームが90分間の中で時間を追う毎に精神状態を変え、それがピッチに体現される様は見ている者に対しても満足感を与えるゲームとなった。
2位の横浜FMにとっては中3日、広島にとっては中2日で迎えた水曜の試合。広島の小野監督はFWにルーキーの田中俊也を抜擢。この田中に加え19歳の吉弘など、23歳以下の選手が過半数の6人を占めた若いスタメンを起用した。若さの持つ勢いで優勝を狙う横浜FMに一泡吹かせようとする狙いが十分に感じられた。
対する横浜FMはバックラインで出場停止の松田に加え、今節は中西も欠場。ボランチで起用されることの多い那須をバックラインへ下げ、栗原、中澤と3バックを構成させる。ボランチには前節では途中出場だった柳が入り、トップ下には上野が2試合連続で起用された。優勝を狙う横浜FMにとっては取りこぼしが許されないゲーム。優勝へのプレッシャーから硬さが見られることも予想されたが、逆に精神的に追い込まれていたのは広島のほうだった。「ビビッて」(小野監督)いた選手が数名いたことで全体のバランスが悪くなるという現象を生み出し、セカンドボール、イーブンボールはほとんど横浜FMが支配する展開が続く。
試合が動いたのは前半9分、横浜FMは浮き足立ったままの広島ディフェンス陣の一瞬の隙を突いて、左サイドのドゥトラのアーリークロスから上野が鮮やかなヘディングでのループシュートを決めて先制する。広島の選手たちがボールを「見る」だけの動きになっていたことを上野は見逃さずしっかりとポジションを確保し確実にシュートを決めた。怪我人、コンディション不良の選手が続出しする苦しい台所事情の中で、チームを救うベテランの先制点はさらに広島の選手たちの動きを悪くすることになっていく。広島は、玉際のイーブンボールへの働きかけでもほとんどのシーンで横浜FMに先手を許し、たとえボールをキープしてもゴール前へ到達する前の段階でミスを生んでしまう苦しい展開が続く。前半は広島にとって、ほとんどと言ってもいいほど見せ場が訪れなかった。対する横浜FMもいつものように攻めの迫力が見られない。ボールは支配するものの横パスを回す時間が多くなり先制点後はなかなか決定機を作り出せず、こちらもジリジリした展開でのプレーが続く。
そんな膠着状態のゲームに活を与えたのが、前半31分に生まれた安のゴール。ハーフウェーライン付近からのFKを那須が素早いリスタートでゴール前の安へ蹴り込むと、ボールを足下に収めた安は振り向きざまに豪快に右足を振り抜きチームに2点目を呼び込む。広島にとっては先制点同様にディフェンスラインを崩された失点ではなく、一瞬の隙を生んだことによる失点だけに悔しさが残る2つのシーンとなってしまった。
2-0で迎えたハーフタイム。両チームの監督が与えた指示は戦術的な部分もさることながら、精神的な部分での指示が多かったようである。広島の小野監督は横浜FMの迫力に圧倒されていた選手たちを激しく鼓舞、玉際での強さと積極性を求めた。横浜FMの岡田監督も2点差の危険性を選手に説き、受けに回ることなく3点目を奪いゲームを決定づけるよう指示を送り後半のピッチへ選手を送り出した。後半のピッチに展開されたゲームは前半と打って変わって両チームがファイトしたイーブンゲームとなった。
後半開始から投入された、広島のサンパイオ、田村などが精力的な動きでチャンスを作り出すと前半は精彩を欠いていた他の選手たちもそれに呼応するかのように横浜FMの選手たちに向かっていくシーンが増える。対する横浜FMも受けに回るだけでなく、素早いカウンターから広島のゴール前へ迫り、どちらにこのゲームにおける通算3得点目が生まれてもおかしくない戦いが続いた。結果的にはどちらのチームにもゴールが生まれることはなく、前半のリードを守った横浜FMが勝利する結果となったが、後半だけを見ると広島の健闘が光った試合となった。
両チームの経験の差といえばそれまでだが、横浜FMの選手たちは勝利へ向けて自分が何をすることが必要かをよく理解している。90分間、チーム全体が大きくバランスを崩すことなく試合を運べるのは、個々の勝利への意識の高さがチームへ還元されている証であろう。この広島戦でも選手たちは体力的に非常に厳しい戦いであったはずだ。しかし相手に完全にペースを渡すことなく勝負所でピッチにいる全員が気持ちを同じレベルで押し出すことが出来るという強さは、今後も他チームに対する大きな脅威となるだろう。
対する広島は個々の能力で劣るのであれば、それをカバーしなくてはいけない気持ちの部分で横浜FMに後手を踏んでしまった。2-0になってから気持ちをリセットするのでは遅すぎた。小野監督は「勝者のメンタリティー」という言葉を使ったが、横浜FMには余裕すら感じられたゲームであった。
残り2試合で首位磐田と横浜FMの差は勝ち点1。戦う気持ちのレベルの高さは、リーグ史上初の3ステージ連続優勝を呼び込む可能性を強めたように感じられた。
以上
2004.06.17 Reported by 小島耕
J’s GOALニュース
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