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【U-23日本代表 石垣島キャンプレポート】総括:キャンプの目的は順調に消化。アテネ五輪メンバーの最終選考に向けて、緊張感も高まる(04.07.13)

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☆U-23日本代表 石垣島キャンプを写真でチェック! -This Week Photo-
☆7月14日(水) 国際親善試合 U-23日本代表 vs U-23チュニジア代表(19:20キックオフ/豊田ス)
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強い日差しと連日30度を超す暑さの中で行なわれた石垣キャンプが終わった。アテネを想定しての暑さ対策とコンディション作りを中心に行なわれた合宿だが、もう一つ、チーム内のコミュニケーションの向上という目的もあった。

U-19日本代表のシンガポール遠征を途中で切り上げ参加した平山選手。またオーバーエイジ枠となる高原選手は肺動脈血栓塞栓(そくせん)症を再発しリハビリ中にも関わらず参加した。その背景には「一緒に生活することで生まれるものの大切さ」を重要視する監督の意向があったからだ。

最終的に選ばれるのは18人。キャンプに入ったメンバー一人一人がライバルとなる。「選手が高いところに意識を持ち、アテネのピッチに立ちたいという思いがプレーに表れている」と山本監督も選手の意識の高さを認めるが、今回はオーバーエイジの二人(曽ヶ端、高原)も加わったことでさらにU-23世代のメンバーに大きな刺激を与えた。今までとは違うチーム状況。だからこそコミュニケーションの向上が石垣キャンプの目的の一つとなった。

そんなキャンプも終盤を迎えた頃、とても印象深いシーンがあった。笛の合図の後にコーチが言った人数に集まるというゲーム形式のアップが行なわれた時のことだ。高原選手と大久保選手が「こっちこっち」と叫べば、その手前には駒野選手が駆け寄り、必死で輪に入ろうと走りこむ石川選手の姿があった。

そこにはオーバーエイジという枠はなく、一つのチームの仲間として声を掛け合う姿。「とにかく選手同士が一緒にいることで普段の会話も増えてくるし、それがプレーに出ればいいと思う」と曽ヶ端選手がいうように、寝食をともにし、ハードな練習をこなすうちに自然と生まれた連帯感なのだろう。

これは、山本監督の巧みな舵取りの効果でもある。疲れが溜まり練習後は寝るだけの生活になっていた選手を見て、リフレッシュ観光を提案。石垣島の自然に触れ、選手の顔も見違えるほどに生き生きし、疲れからか少なくなりつつあったコミュニケーションも自然と飛び交う。

その中で高原・曽ヶ端選手は後輩からアイスクリームをおねだりされ、結局20個ほどのアイスクリームをおごるというエピソードも生まれた。とても些細なことかもしれないが、キャンプ当初では考えられないことである。トレーニングと休息のバランスを見ながら、選手同士の交流を大切にする山本監督ならではのきっかけづくりであった。

山本監督は選手同士のコミュニケーションを高めることを重要としながらも、一方で練習となると選手の競争心をあおるために、サーキット練習のペアを同じポジション同士で組ませたりもする。しかし、必要以上に競争心をあおるような紅白戦を控えるなど、選手の精神面を絶えず配慮した練習内容を組んだ。

だからこそ、選手の口からは「負けたくないという気持ちもあるけれど、メンタル的にはとてもいい状態。誰がライバルというのでなく、自分の持ち味を出していこうと思う」というコメントが出るのだろう。

「実際に入ってみて、非常にいいチームだと思った。山本さんが、うまくチーム作りをしてきたんだということがよく分かったし、自分たちが目指すサッカーがはっきりしている。非常に面白いチームだと思った。」キャンプを終えた高原選手の言葉は、五輪代表チームがとてもいい状態で仕上がっていることを表していた。

明日14日は同じくアテネ五輪に出場するU-23チュニジア代表が相手。どのような試合展開を見せてくれるか楽しみだ。

2004.7.12 Reported by 柴田愛子


以上
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