キリンチャレンジカップ2004
7月30日(金)19:21キックオフ/国立/45,965人
U-23日本代表 4-0 ベネズエラ代表
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「選手18人とスタッフだけじゃない。サポーターの声援が後押しとなって、今日は非常に戦いやすかった」と那須選手。スタジアムに終結したのは45,965人のサポーター。アテネ五輪前の国内最後の試合ということもあり、「アテネには行けないから、今日は思いっきり応援します」と国立に駆け付けたサポーター。遠い異国の地で戦うこととなる選手に、最後の生の声援を送るべく、相当な気合が入っていた。
山本監督が「総仕上げ」と位置づけた今日の試合。スタメンは、GK曽ヶ端、DF右から茂庭・闘莉王・那須。中盤は、右に徳永・左に森崎、ボランチは今野と阿部。トップ下に松井が入り、FWは大久保と平山の2トップ。前半立ち上がりは徳永・森崎選手のサイドの攻め上がりが少なく、相手が4バックということもあり、ペナルティエリア内にボールが入らない。大久保選手も低い位置まで下がってボールを受けるが、そのボールを次につなぐことが出来ない。
得点力不足の原因を「足元ばかりに入って、DFラインの裏に抜け出すボールがない」と言っていた大久保選手。課題を修正すべく、練習ではDFラインの裏を狙ったパスからのシュート練習が繰り返し行なわれいた。パスの出し手と受け手の間には「DFラインの裏をつく」目的が統一され、虎視眈々とその機会をうかがっていた。
そして前半36分、待ちに待った瞬間が訪れる。松井選手の浮き玉のパスがDFの間を綺麗に抜けた。そこに大久保選手が待ってましたとばかりに走りこみ、ゴール左へ豪快にシュート!! ゴールの瞬間、まるで大きな船の帆のようにゴール裏の応援旗が一斉にあがり、スタジアムには地響きのような大歓声が起こった。
誰もが待っていた瞬間だ。そのゴールで何かが吹っ切れたかのように、選手の動きもよくなる。前半41分には、那須選手のクロスに平山選手が絶妙なタイミングでヘッドで合わせた。GK正面となり、惜しくもゴールを逃す。前半は1-0で折り返すこととなったが、攻撃のよい形が見え始めて後半を迎えることとなった。
日本の攻撃で欠かすことの出来ない田中達也選手の存在。後半12分に大久保選手に代わってピッチに投入されると、一気に試合の流れを引き寄せた。持ち前のスピードが、ベネズエラDF陣を翻弄する。相手のDFがそのスピードを警戒して自陣深くまで引くようになる。ここで平山選手の高さが生きた。後半14分、松井選手のクロスに平山選手がヘッドで合わせ、前半41分のノーゴールとなった無念をしっかり自分で返す。
U-23代表が2点目をたたき出したのは、田中選手がピッチに入ってからわずか2分後のこと。試合のテンポが明らかに変わった。スピードが増した日本の攻撃に、ベネズエラのベンチは一気に2人の選手を送り込む。しかし、日本の攻撃は止まらない。というより、田中選手が止まらない。後半22分、自らDF2人を抜き去りシュート。後半31分、スピードあるドリブルで相手DFを交わしてクロス。高松選手がダイビングヘッドで飛び込み、3点目のアシストになった。後半35分には、自分も決めてやるといわんばかりのシュート。これはGKの正面に飛んでしまったが、攻撃はまさに田中選手を中心に動いていた。
そして、このまま試合が終わるのかと思われたロスタイムの後半44分。今野選手がインターセプトしたボールは中央の田中選手に渡る。その瞬間、国立の大観衆は一瞬グッと前のめりになったに違いない。その期待に応えるかのように、彼の右足から放たれたシュートはゴールネットを大きく揺らした!!
4点目!!最後は田中選手が締めくくった。
試合を終えてみれば「FW全員が決めて、いい形でドイツにいけると思う」(大久保選手)という最高の形での勝利。どの選手も「今日の試合はいい出来だった」という中で、田中選手だけは違っていた。
「試合に勝てて良かったが、もっと決めるチャンスがあったので個人的には課題の残る試合」
田中選手の存在の大きさが改めて際立った今日の試合。しかし、無得点が続く間、チャンスで決め切れなかった不甲斐なさを終始語っていた彼だけに、今日も何度かあったチャンスを生かすことが出来なかったことを反省してのことだろう。
「僕自身のアピール」という言葉を田中選手は口にする。途中出場で流れを変えることも大きな仕事だ。しかし、スタメンでピッチに立つことが彼自身の目標。だからこそ、出たからには自分の存在をゴールという形でもっとアピールしたかったのに違いない。
「本大会までに、しっかり修正していきたい」最後にそう言って、サポーターの興奮の余韻が残る国立を後にした。
メンバー争いは熾烈を極めてきた。山本監督も「選手たちには、これがスタート。今日以上のプレーを見せるように」と伝えたという。直前合宿地のドイツに渡ってからは小野選手の合流によってチームの形も大きく変わる。本番ではさらに進化したチームの姿が見られるに違いない。
しかし、現在のメンバーで4-0の結果と最高の内容で国内試合を終えられたことはアテネ五輪に向けていい弾みとなった。今日集まった45,965人の大声援、そして日本国民の大きな期待を胸に、U-23代表がアテネに旅立つ。
彼らが次に日本の地を踏む時、その胸に金色のメダルが輝いていることを期待したい。
以上
2004.07.30 Reported by 柴田愛子
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