8月7日(土)21:00キックオフ(日本時間)/北京
AFCアジアカップ−中国2004 決勝
日本代表 vs 中国代表
----------
「最初から中国との戦いだった」とはジーコ監督の弁だが、ようやく本当に中国と戦えるときがきた。8月7日、決戦の日。日本はディフェンディングチャンピオンとしてホスト国の中国とアジア王者のタイトルを争う。
思えば日本代表は大会当初から中国に苦しめられてきた。そもそも開催地からして疑問が上がる。何も重慶でなくとも、候補はほかにいくらでもあったはずだ。大連、瀋陽などは夏さわやかで過ごしやすいと聞くし、強豪クラブがあるだけに施設もしっかりしている。大会が北京主導なだけに仲の悪い上海は難しいが、夏の気温が非常に高い重慶を選ぶ理由が分からず、移動日などの日程を考えても、強国日本に対する処置とかんぐる向きが出ても仕方のないものだろう。
さらにはブーイング。日本は対戦相手ならまだしも当事国でもないのに執拗なブーイングを国歌斉唱の際にまで浴びせられ続けた。中立開催のはずなのに、雰囲気は完全にアウェイ。選手たちのバスが中国人に囲まれたり、選手の一部がバスに乗れなかったりと、日本の選手たちはサッカー以外のところでの戦いを強いられてきた。それが決勝という舞台で、ようやく借りが返せるときがきたのだ。
その相手の中国だが、特長はサイドアタック。右サイドの李明(リ・ミン)、左サイドの閏嵩(ヤン・ソン)を中心に積極的に仕掛けてくる。さらに、左右両方のサイドをこなせる孫継海(スン・ジーハイ)を切り札として使ってくるのがアリ・ハーン監督得意の采配。相手が疲れているときの孫継海は実に効果的でいやらしい。ただ、中国の選手全般に言えるのはフィジカル、スピードは目を見張るものがあるのに比べ、技術はやや劣る。そのため精度の低いクロスで幾度もチャンスをフイにしていたシーンがあった。それでもサイドを突破されると得点の危険性にさらされてしまうため、サイドアタックに弱さを見せ続けている日本はここをいかに押さえるかが重要となってくる。
開催国であるアドバンテージも見逃せない。中国はグループリーグ第3戦のカタール戦を除き、5試合で必ずPKを得るか相手が退場を出している。それに対して中国は与えたPKはゼロ、退場者も出していない。審判が故意に何かをやっているわけではないだろうが、どうしてもホーム側に有利な笛になってしまうのだろう。日本はこの点でも気を付けなければならない。それからやはり気にしなければならないのが中国の身体的素質。レギュラー陣のほぼ全員が180cm以上と高さが非常にある。これまでのようにセットプレーで簡単には点が取れないだろうし、逆に高さでやられる危険性もある。ただ、その高さのある4バックは高い位置まで押し上げるのだが、「ラインがバラバラ」と福西が言うようにDFの裏に危険なスペースがよく生まれる。空中戦で敵わなくとも、日本としてはここを有効に活用できれば勝利が近付いてくる。
そこで期待されるのが中田浩二だろう。遠藤が出場停止のため先発出場する中田浩はコンディションの面でも問題なく、そのパス精度は非常に高い。トップ下に入る中村は厳しいマークが予想され、前線の選手にタイミングよく裏を狙うパスはそうそうねらえないだろう。代わりにボランチの中田浩から、バーレーン戦で玉田のゴールをアシストしたようなスルーパスが出れば、得点のチャンスは大きくなる。その玉田は前日練習、前々日練習とも別メニューでの調整となったが、「前回(バーレーン戦)の前日よりは足の状態はいい」と先発できそうな情勢で、「裏をねらった攻撃を仕掛けて、自分の持ち味を出せればいい」と対中国にピタリと当たりそうなイメージを持っている。中田浩、玉田のホットラインに期待したい。
いよいよラスト1試合となったアジアカップ。ここまで様々な問題が起こった大会だったが、日本としては「あれもいい経験だった」と笑顔で振り返るためにも連覇を遂げたいところだ。アジアチャンピオンの座はコンフェデ杯や強国との親善試合を約束するもので、今後の強化のためにぜひとも欲しいタイトル。明日は無念の表情で首からもうひとつのメダルをぶら下げるのではなく、胸には金のメダルを光らせながらトロフィーを持ち上げてもらいたい。
以上
2004.8.6 Reported by スポマガ WORLD SOCCER
J’s GOALニュース
一覧へ【AFCアジアカップ−中国2004 決勝 日本代表vs中国代表 プレビュー】決戦前夜、いよいよ日本と中国が激突(04.08.06)
- 終盤戦特集2025
- アウォーズ2025
- 明治安田J1昇格プレーオフ2025
- 明治安田J2昇格プレーオフ2025
- J3・JFL入れ替え戦
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- 明治安田Jリーグ百年構想リーグ
- 2025 月間表彰
- 2025 移籍情報
- 2025 大会概要
- J.LEAGUE FANTASY CARD
- 2025 Jリーグインターナショナルユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE













