サッカーのアテネ五輪男子日本代表は12日(日本時間13日未明)、パラグアイとの初戦に臨む。
代表選手は18人。長崎県の人口1万人余の町にある県立高校を卒業した3人が、その狭き門をくぐった。FW大久保(C大阪)、平山(筑波大)、DF徳永(早大)。母校は国見高。同校を率いて21年、現在は校長も務める小嶺忠敏総監督は、「運が重なって、うちの生徒が選ばれた。でも、指導者みょうりに尽きるという気持ちはありますね」と話す。
地元育ちの徳永に対し、大久保と平山は福岡県出身。大久保は中学1年から国見中に通い、平山も中学3年の秋に転校。小嶺総監督の下でサッカーをするためだった。
3人の第一印象を、同総監督はこう語る。「大久保はびっくりするくらいチビだった。負けん気の強い子だと思った」「平山はでかくて鈍いなあと」「徳永は今も一緒。寡黙な感じ」。それぞれのプレーの特徴を見ると、その「個性」がしっかり伸びていることが分かる。典型的なのが平山。スピードはなくても、190センチの高さを生かすため、入学当初から毎日ヘディング練習。今やその高さは、世界に通用するまでになった。
選手としての個性と同時に、人間性も磨いた。「人間教育なくて、スポーツも学校もない」が持論。今年3月、一人で卒業式を迎えた平山は、「国見の3年間で謙虚さを学んだ」という。昨冬の東アジア選手権の韓国戦で日本代表の大久保が退場処分を受けた際には、「若い時には失敗がある。でも、そろそろ卒業しろよ」と声を掛けた。
今年に入って大久保が見せる精神的な充実ぶりは、恩師の存在と無縁ではあるまい。小嶺総監督は、日の丸を背負った3人の雄姿を、遠い日本で楽しみにしている。(了)
[時事通信社]
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