「36年の時を超えるために、ここにやってきた」テッサロニキに入った日の会見で、山本監督はそう答えた。目指すは表彰台。36年の時を超えるためには銀メダル以上を取らなければならない。しかし、予選のBグループはパラグアイ・イタリア・ガーナと強豪ぞろい。まずは初戦を白星で飾り、その勢いに乗って予選突破を図りたいところだ。
10日の夜9時15分から、12日のパラグアイ戦が行われる「カフタンゾグリオ・スタジアム」のピッチに選手が降り立ち、わずか15分間だけであったが、芝の状態・風向き・ライトの具合など、様々な要素を身体に叩き込む。芝が長めなことと芝目の影響もあってか「ボールが切れたりズレたりする」という言葉が多くの選手から聞かれ、また闘莉王選手は「風が一方向に吹かずに、スタジアム内を回るように吹いている。DFとしてはセットプレーに気をつけたい」と語る。パラグアイの高さや速さに加え、風の影響がセットプレーにどう影響するか気になるところだ。
個々のポジションによって気になる点は様々だが「ピッチコンディションは、相手も同じ」と菊地選手が言うように「本番でも自分たちのサッカーをする」という点はどんな状況でも変わらない。芝の感触・スタジアムの雰囲気が、心地よい緊張感となって選手たちの気持ちを高めていく。その後、行われた隣のサブグラウンドでの練習では、選手の表情はあきらかに違っていた。あの舞台に立ちたいという気持ちがプレーにも伝わって、コーチングの声や動きにも力が入る。
ハーフコートを使ってのフォーメーション練習では、3つの形が試された。1回目は大久保・高松が2トップを組み、サイドは右に徳永・左に森崎。ボランチに今野・小野と並び那須・闘莉王・菊地・茂庭と4バック。そして2回目は大久保・高松・田中の3トップ。今野に代わり阿部・小野のボランチコンビ。DFは那須・闘莉王・茂庭の3バック。そして、最後は平山・田中の2トップにトップ下は松井、サイドは右に駒野・左に森崎、ボランチ小野・阿部、DFは那須・闘莉王・茂庭というフォーメーションで終了した。
わずか25分の間で、様々な形を試した山本監督。それぞれの選手のコンディションが上がってきているだけに、どういう形でパラグアイ戦に臨むのかに注目が集まる。
「とにかくこんなに調子がいいのは今までにないくらい」と高松選手がスタメン出場に向けて猛アピールをすれば、「気持ちは高ぶっています。このチームはかなりいい。本当に調子がいいので早く試合がやりたい」と大久保選手も試合に向けて高まる気持ちを抑えるのに必死だ。
確かに練習を見ていても、硬くなりすぎず、いい緊張感が漂う選手たち。山本監督が本番のスタジアムでの練習後に「あの場に立つとワクワクするだろう。だから、あとはあの舞台を楽しむこと」と言うように、選手たちからもこの状況を楽しむ余裕が感じられる。それほど、今のチーム状態はいいのだろう。
長い選考を経て残った18人。「2年前とは全然違うチーム」と力を込めて大久保選手は言う。今までたどってきた道は決して楽なものではなかった。しかし、その経験が今の選手たちを精神的にも肉体的にも大きく成長させたことは確かだ。明日、表彰台に向けた第一歩が踏み出される。カクテル光線に照らされた彼らの雄姿に、見るものは魅了されるに違いない。
「今までやってきたことを全部出してがんばる」(大久保選手)
2004.8.11 Reported by 柴田愛子
J’s GOALニュース
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