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【J2:第29節 福岡 vs 仙台 レポート】ゲームプラン通りに戦った福岡。システム変更が実らなかった仙台。(04.08.22)

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8月21日(土) 2004 J2リーグ戦 第29節
福岡 1 - 0 仙台 (19:04/博多球/10,204人)
得点者:'89 山形恭平(福岡)
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 負けたほうが2位争いのサバイバル戦線から脱落する。その大事な試合に仙台は3−3−3−1のシステムで臨んだ。これまでもゲームの流れの中では採用していたシステムだが、試合の頭から使うのは初めてのことだった。「ひとつは、まずサイドを突破してセンタリングをたくさん上げることを狙ったということ。もうひとつは、逆に相手の攻撃になったときに相手のSBを抑えるということ」(ベルデニック監督)。12分、そして25分には、スルーパスを受けた中原がGKと1対1に。最初のチャンスは水谷のファインセーブに阻まれ、2度目のチャンスはループシュートがクロスバーを超えてゴールはならなかったが、このシステム変更は功を奏したかにも見えた。

 しかし、松田監督は慌てていなかった。「それがどうのこうのというのじゃなくて、我々の入り方が悪すぎた。最初のむこうのパスがマークしていないFWに渡ってあわやというシーンがありましたが、あのあたりはシステムとかとは関係ないこと」(松田監督)。選手も仙台のシステムに対する動揺はなかった。時間の経過とともに落ち着きを取り戻した福岡は、セーフティにボールを回し、ピンチの芽を確実に摘んで、やがて試合の主導権を奪うことに成功する。ポイントは中盤での攻防にあった。

「3バックということには代わりがないし、その外側のスペースというのを我々は使おうとしていた。宮崎光平と古賀誠史が上がれば、彼らは5バックになる」。松田監督が記者会見で語ったとおり、仙台は福岡の両サイドを警戒する余り、右サイドの熊谷と左サイドの梁が低い位置に留まってしまい、中盤の広いスペースをシルビーニョが1人で対応せざるを得なくなっていた。米田とホベルトが積極的にボールに絡む福岡は、このスペースを有効に活用する。セカンドボールの大半を支配し、相手ボールに対しては高い位置から積極的にプレスをかけた。
 加えて、仙台が攻撃面でこのシステムを生かせなかったことも、試合の主導権を福岡に握られる原因になっていた。「前のサイドの選手が広がり過ぎていた。中に絞って後ろから上がってくるスペースを空けるという動きが少なかった」。時折、梁が攻撃参加を試みても、縦のスペースがないためにスピードを上げられず、そこを福岡に囲まれて攻撃を寸断されてしまう。右サイドの熊谷にいたっては、ほとんど攻撃に顔を出すことさえ叶わなかった。攻める気持ちを見せながらも、いつの間にか、自陣に押し込まれてしまう。そんな試合展開だった。

 福岡にも、シーズン当初に見られたような爆発的な攻撃力を見ることができたわけではない。しかし、それは福岡のゲームプランでもあった。「集中してやれば点をやらないサッカーというのは間違いなく出来る。それをとにかくベースにして戦って、後は決めるべきチャンスは絶対にくる」(松田監督)。狙いはあくまでも無失点で試合を終えること。我慢比べのような展開は、むしろ福岡の望むところだった。以前の福岡なら、我慢比べに痺れを切らすことも多かったのだが、今の福岡には、それを凌ぎきれる集中力とディシプリンがある。ジリジリするような展開だったが、それはまさしく福岡のペースだったということができる。

 そして試合終了目前に勝利を分けるプレーがやってくる。ペナルティエリア内でボールを受けた太田が反転しようとした瞬間、根引と交錯して転倒。そして、PKを宣するホイッスルが博多の森に響き渡った。10,204人の観客が見つめる中、山形の蹴ったPKがゴールマウス右側に吸い込まれる。歓喜に沸く博多の森球技場。このとき時計の針は既に90分を経過していた。仙台に残された反撃の時間は余りにも少なすぎた。「勝つことが今はいちばんの薬。無失点で勝てたというのが非常に大きい」(松田監督)。劇的というよりは、粘り強さが奪ったゴール。福岡は2位争いのサバイバル戦線に生き残る貴重な勝ち点3をゲットした。

 ともに流れの中からゴールを奪えず、終了間際のPK1本で勝負がついた試合だったが、振り返ってみれば、どちらにとっても落とすことのできない試合で、福岡はいつもと同じ戦い方を選択し、仙台は、いつもとは違う戦い方を選択せざるを得なかった。それは、自分たちが戻ることのできる場所を持っているチームと、戦いながらチームを作り上げてきたチームの差だったと言えるのかも知れない。その差が最後の最後で表れたと言っていいだろう。

 しかし、2位争いのサバイバルゲームはまだまだ続く。ゲームプラン通りの戦いを見せた福岡にしても、ゴール前でのプレーにキレがないという課題は依然として残されている。また、川崎Fを除けば、どこも絶対的な強さを発揮できないJ2にあっては、2位の大宮に勝ち点で7の差をつけられた仙台にも必ずチャンスがやってくる。残る試合は15。まだまだ目が離せない戦いは続く。
 
以上

2004.08.22 Reported by 中倉一志
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