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【J2:第30節 鳥栖 vs 横浜FC レポート】試合結果を分けたのは状況に応じた判断力。戦術を理解し、プレーに柔軟性が求められる鳥栖。(04.08.26)

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8月25日(水) 2004 J2リーグ戦 第30節
鳥栖 0 - 2 横浜FC (19:01/鳥栖/4,161人)
得点者:'66 内田智也(横浜FC)、'89 北村知隆(横浜FC)
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横浜FCを迎えてのホームゲーム。勝ち点差3の8位・横浜FCと9位・鳥栖の対戦。前回の対戦以来、鳥栖は連敗が続き、横浜FCには勝ち星がない。両チームとも立ち直りのキッカケにしたい一戦である。

前節7試合ぶりに勝ち点を上げた鳥栖としては、前節同様に3-4-3で挑んできた。DFは横浜FCのテクニックのあるFWをマンマーク。FW・MFとも前線から早いチェックを行い、横浜FCが得意とする両サイドのドリブル・ラン攻撃を行わせない作戦である。『相手の長所を消す』意図がハッキリと見て取れた。
攻撃も3人のFWが横浜FCのフラットに並ぶ4バックスの裏に走り込もうと試みる。ボールがサイドにあるときには、MFの伊藤彰までもがトップに並び横浜DF陣を混乱させようとしていた。ボールを奪うとシンプルにFWまで運ぶ『シーズン当初』の鳥栖を思わせる立ち上がりであった。

開始5分には、小石龍臣がドリブルで持ち込みシュートを放つ。スタンドが大きく沸いた瞬間である。集まった4,000人強のサポータに大きな期待を抱かせる鳥栖のファーストシュートだった。しかし、26分に小石が、33分には本橋卓巳がシュートを放つも、前半はこの3本のシュートが全てであった。

対する横浜FCは、前節川崎Fに負けたとはいえ、首位独走のチームを苦しめている。城彰二と眞中靖夫のベテランFWを中心に、前節同様DF早川知伸・中島崇典、MF臼井幸平・小野信義の両サイドが突破を何度も試みるのだが、鳥栖の早いチェックに狙い通りの展開にはならない。FWの城・眞中靖がボールを受けに中盤まで下がってくるシーンが何回も見られた。15分にはボールを受けに引いてきた城が、そのまま約40mのロングシュートを打つが枠から大きく反れた。
横浜FCの早いドリブル・パス回しに身体を張って対応していた鳥栖だが、厳しいチェックと同時に与えるFKの数も増えていく。セットプレーで、試合の流れが徐々に横浜FCペースとなってくる。29分、内田智也がFKから直接ゴールを狙うが、大きくバーの上を通過した。この後も41分・43分とセットプレーから鳥栖ゴールを脅かしていった。43分にはトゥイードのロングフィードを受けた臼井が決定的なシュートを放ったが惜しくもゴールをそれた。

後半に入り、鳥栖・松本監督はシステムを変更してきた。
DFをマンマークではなくゾーンディフェンスに切り替え、DFからFWまでの距離を縮めて横浜FCの早いパス回しに対応しようとした。コンパクトにすることにより、セカンドボールを多く拾うこともできる。この狙いは的中した。
前半に放ったシュートはわずか3本だったのに対し、後半は8本。確かに後半開始からチャンスを掴みかけていた。しかし、サッカーとは酷なスポーツである。監督の采配の意図とは別に、戦うのは選手である。しかも相手がいるのである。両監督の采配に応えるのは選手。忠実に作戦をこなそうと両選手とも必死に戦っている。

その必死さに差が出たのが後半21分。横浜FC左サイドの中島のボールが渡る。ゾーンで守っていた鳥栖DFがチェックに行く。ここまでは両監督の作戦通りだが、作戦には臨機応変さが必要である。状況に応じた柔軟さが選手には求められる。DFをかわして、中島がセンターにグラウンダーのパスを通す。負傷して前線に走り込めない城のスペースにMF内田が走り込む。これを鳥栖DFはマークしきれず、ゴール右隅に決められてしまった。城の負傷と内田の走り込みは、鳥栖にしてみれば予想外の出来事だった。

横浜FCは、ドリブルで突破を図る戦術を得意としている。そのことは鳥栖の選手は十分に把握している。だが、『相手の長所を消す』戦術だけでは勝てないことも知っている。
点を取りに行くための作戦変更を忠実に守ったための『落とし穴』が待ち受けていたのかもしれない。9試合勝ちから見放されているチームの弱さかもしれない。この失点が今の鳥栖を象徴している。

横浜FCに傾いた流れを取り返すために、松本監督は後半23分疲れの見え始めた小石に代え奈良崎寛を、さらにフィニッシュを強化するために、30分には竹村栄哉に代え下司隆士を送り込んだ。しかし、今の鳥栖にはそれで流れを取り戻す力は残っていなかった。44分には息の根を止められる追加点を取られてしまった。先取点とは逆に、右サイドから崩されての失点である。後半に限って言えば、鳥栖のほうがシュート本数もコーナーキック数も多いのだが、決定力の差が勝敗を分けてしまった。

試合後、ある選手が「見ていて、今の鳥栖は点が取れるような気がしますか?」と聞いてきた。戦っている選手がそう感じるのだから、相手チームも負ける気がしないだろう。決めるところで決めきれない鳥栖。選手のモチベーションが落ちているわけではない。サポータの必死の応援も届いている。この日のゲームには、ユニフォームスポンサーの引田天功氏も駆けつけ激励を送った。
しかし、『何故か?』勝てないのである。この何故かを松本監督は「監督責任です」と総括した。「残りのホームゲームは全勝を狙う」とも付け加えてくれた。

次節は、首位を独走する川崎F戦である。川崎Fは第18節以来、負けていない。その負けを付けたのが鳥栖である。あの試合を思い出して、チーム一丸となって戦ってほしい。


以上

2004.08.25 Reported by サカクラ ゲン
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