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【J1-2nd:第5節 広島 vs 横浜FM レポート】強さを見せた横浜FM。若さが出た広島。(04.09.19)

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9月18日(土) 2004 J1リーグ戦 2ndステージ 第5節
広島 2 - 2 横浜FM (15:04/広島ビ/18,056人)
得点者:'17 坂田大輔(横浜FM)、'23 服部公太(広島)、'26 小村徳男(広島)、'66 坂田大輔(横浜FM)
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 66分、横浜FM上野のパスが右に開いた坂田に通った時、広島はしっかりと守備ブロックをつくっていた。服部がまず縦を切り、吉田がシュートコースに入り、外池がカバーに入っていた、はずだった。
 しかし、坂田が振り抜いた左足から放たれたボールは、そのブロックのわずかに開いたすき間をすり抜け、ゴールに吸い込まれた。その瞬間、服部はひざをがっくりとつき、外池は地面をたたき、吉田は天を仰いだ。2-2。広島のリードは、雲のように消えた。

 これが、王者の強さだ。数的に不利でも、形はつくれていなくても、強引に勝ち点をグイッと手元に引き寄せてしまう。3ポイントはとれなかったが、10人で79分間戦い抜いた王者は、しっかりと勝ち点1を獲得した。一方の広島は、掌中にしていた勝ち点という名の玉を、ほんの一瞬の隙から2つ、こぼれ落としてしまった。
 広島の地で、王者は苦しみ抜いた。立ち上がりは広島の前線からの積極的なプレスに戸惑い、ミスを繰り返す。松田が退場処分を受けたのも、奥のバックパスを森崎和に狙われ、ボールを奪われたところで松田が森崎和を引き倒してしまったことが原因。「これでゲームプランが狂ってしまった」と、試合後岡田監督は、唇をかむ。
 岡田監督は、上野をリベロの位置に下げ、遠藤の1ボランチにして急場をしのごうとした。さらに、FKから先制し数的不利を克服できるか、に見えた。しかし、広島が盛田と森崎兄弟を中心とした迫力のある攻撃で、その急造3バックに襲いかかる。森崎浩のドリブルから始まり、兄・和幸とのワンツーのこぼれを拾った服部の、強烈なミドルシュートで同点。ベットの絶妙なファーへのCKに森崎和が折り返し、小村のヘッドが炸裂して逆転。ボールの奪い方が非常によく、そこからの速攻を狙ってくる広島の圧力の前に、王者はダウン寸前だった。

 しかし、結果からすれば、広島の若さが王者を救ってしまった、と言える。数的優位でしかも1点リードしている中で、広島は慌てる必要はなかった。「1人多いわけだから、速い攻めばかりではなく、相手の数的不利を意識してボールを保持しながら、ジャブを浴びせることも必要だった」と小村は語る。その言葉どおり、上野を中盤に戻して前にかかってきた横浜FMをいなしながら、足下での確実なパスで相手をじらし、引き出しておいて裏を狙い、相手のディフェンスラインを下げさせる。そういうプレイをしていく時間帯があってもよかった。
 ところが、焦る王者からいい形でボールを奪いながら、1本目のバスミスが実に多い。確実につなぐべきなのに、チャレンジのパスを選択してしまったり、しっかりとアイコンタクトをとらないままパスを出して、受け手と合わせられなかったり。そういうボールの失い方をしては、広島はカウンターをくらっていた。そして、広島の選手たちは疲弊し、後半は足が止まり始めた。前半は勇気を持ってラインを上げ下げしていた小村も、この「中盤のパスミス」がボディブローとなり、最後はコンパクトにできなくなった。
 サッカーは90分トータルで結果を求める試合である。しかし、90分という大局で、ら旋状に移り変わるゲームの流れを読みながらプレイ選択をできるだけの経験が、まだ広島の若い選手たちにはない。局面では素晴らしいプレイを見せることができても、全体として押し込まれてしまうのは、その経験のなさがなせる業なのである。

 しかし、経験のなさから苦しい展開となった後半も、広島は小村を中心に身体を張って守り続けた。岡田監督は久保を投入し、3トップでさらに攻勢をかけてきたが、広島は集中を切らさず跳ね返し続けた。それだけに、一閃された坂田の左足から生まれたゴールは、広島の選手たちに大きなショックを与えたのだ。

 この試合は両チームにとってポジティブな結果だったのかもしれない。横浜FMは、10人で勝ち点1を拾ったことで、4ステージ連続優勝へ、最低限の結果を残した。一方の広島は、前節の清水戦での情けない内容から、確実に一歩、前に進んだ手ごたえを持った。王者を相手に、高い位置でボールを奪うことはできていたこと。小村を中心としたディフェンスラインが高い位置で必死にキープしたことで、コンパクトな陣形がとれていたこと。西河という若きDFが戦えるめどをつけたこと。王者を相手に一度は逆転したことも含め、広島にとっては、勝ち点1以上の収穫を手にしたことは、間違いない事実である。
 ただ、今あげた「ポジティブ要因」は、まだあくまで「推定」にすぎない。それが戦績というプロが最低限求めるべき「数字」となって現れるかどうかは、最短でも次節、9月23日のゲームを待たなければならない。
 
以上

2004.09.19 Reported by 中野和也
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