9月18日(土) 2004 J2リーグ戦 第34節
福岡 1 - 2 横浜FC (19:00/博多球/8,569人)
得点者:'15 城彰二(横浜FC)、'22 北村知隆(横浜FC)、'89 林祐征(福岡)
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放ったシュートの数は、福岡の18本に対して横浜FCの5本。手元のノートに記された決定的なチャンスの数は、福岡の9に対して横浜FCの4。そして、試合の結果はホームの福岡が1-2で横浜FCに敗れた。数字の上では相手を上回りながら、それが内容と結果に反映しない。それが今の福岡だ。この日の試合も自分たちのサッカーをやり通したのは横浜FC。福岡は開始直後の10分間と、終了間際の10分間以外はリズムを掴むこともできなかった。
福岡は、立ち上がりから気迫を前面に出して横浜FC陣内に攻め込んだ。試合の入り方としては、むしろいい形で入ったと言っていい。太田と増川の長身FWが縦の位置でバランスを取り、ハイボールとくさびのボールを使い分けながら、得意のサイド攻撃でゴールを目指す。開始早々の3分にはCKのチャンスに増川が頭で合わせたシュートが右ポストを直撃。その後もいくつかのチャンスを作り出した。しかし、この時間帯で決めきれなかったことで相手が息を吹き返す。鳥栖戦(第32節)から続く同じパターンだ。
対する横浜FCは、レギュラーメンバーのうち、4人を出場停止で欠く苦しい布陣。しかし、戦力ダウンを感じさせない戦いぶりを見せた。フラットに並ぶ最終ラインは安定感を失わず、太田、増川にはトゥイードが激しいマークで自由を与えない。小野と内田の2人は、しっかりとボールを受けて攻守のつなぎ役を果たし、前線では城が上手くボールを引き出して、その周りを北村が豊富な運動量で走り回る。そしてチャンスには大友、吉武がサイドからアタックを仕掛けた。
確かに、横浜FCは決定的なチャンスを作り出すには至らなかった。しかし、シンプルなパス回しと、自分たちがやりたいことを確実にこなして試合のリズムを掴む。決して引いて守っているだけではない。前線でプレッシャーをかける時は最終ラインを上げてコンパクトなゾーンを形成し、相手ボールになった時には素早く下がって守備組織を形成する。福岡がボールを奪っても早い攻撃を仕掛けられなかったのは、この堅固な守備組織によるものだった。
前半15分、横浜FCは、この日の初シュートで先制点を奪う。ハーフウェイラインを越えたところでルーズボールを奪った北村が素早く身体を入れ替えてドリブルで突進。GKと1対1のシーンから中央をフリーで上がってきた城にラストパスを渡す。城は右足で流し込むだけでよかった。横浜FCの追加点はこの日2本目のシュート。時間は前半22分、北村が福岡のボールをカットして、そのままGKとの1対1から落ち着いてゴールネットを揺らした。
先制点を奪ったゲームでは高い勝率を残し、先制を許すと勝てない両チーム。この時点で試合の行方は決まったも同然だった。「2-0になってからは難しい試合になった」(松田監督・福岡)。「少しずつ福岡の自信がなくなっていった」(リトバルスキー監督・横浜FC)。福岡は時間の経過とともにミスが増え、互いの連携も崩れ、反撃の機会を見つけられないままに時間を過ごす。個々の選手は頑張っているのだが、それが組織のパワーにつながらない。
後半、福岡は藏田、古賀を下げて宮崎、林を投入。増川をCBの位置に下げる。それでもリズムが変わらないと見るや、後半30分、松下を下げて田中を左サイドに投入。中盤をワンボランチにすると、宮崎を右へ、山形をトップ下へとフォーメーションを変えた。この変更がようやく福岡にリズムをもたらし、後半44分の林のゴールに結びつく。そして最後は増川を再び前に上げて、徹底してロングボールを放り込むサッカーで追加点を狙ったが、横浜FCを慌てさせることはできても、ゴールネットを揺らすことができなかった。
福岡のミスがらみで得た2ゴールとはいえ、横浜FCにとっては4試合ぶりの得点と勝ち点3。「最後の10分は苦しかった。でもトータルで試合を見たら、2-1で勝ったことは大きい」とリトバルスキー監督は試合を振り返る。守ることはできてもゴールが奪えないという現状に欲求不満を貯めていた横浜FCだが、これがひとつのきっかけになるかもしれない。「チャンスがある限り勝ち星を取っていきたい」。先制点を決めた城は力強く宣言した。
さて、福岡にとっては手痛い一敗となった。しかし、松田監督は下を向かない。「勝てなかったことを悔やんでいても仕方がない。どこにでも勝てる自信もある。とにかく次の一戦を取りに行くということを続けていくだけ」と自らを鼓舞するように語った。ここまで来たら、自分たちをどこまで信じられるか、最後まで勝利に対する欲求を強く持ち続けられるかということが試合の結果を左右する。「大事なのは、切り替えて、次に引きずらずにきちんとやっていくこと」(同)。残り試合は10。福岡はJ1昇格を願うサポーターとともに勝利の美酒を味わうことができるのか。次節の大宮戦(9月23日/大宮)での戦いぶりが注目される。
以上
2004.09.19 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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