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【J2:第34節 大宮 vs 甲府 レポート】昇格圏内同士の直接対決は、大宮が手堅く勝ち点3を手にする(04.09.20)

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9月19日(日) 2004 J2リーグ戦 第34節
大宮 1 - 0 甲府 (15:02/熊谷陸/8,153人)
得点者:'61 横山聡(大宮)
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 試合前のコンコースには、バレーとトゥットという、大宮が擁する2人のストライカーの姿があった。開門前から入場ゲートに並んでいた、熱心なサポーターとともに記念撮影やサインに応じるためだったが、それぞれケガと出場停止で試合出場がかなわなかった事で実現した豪華な2ショットだった。

 サポーターは大喜びの企画だったが、その裏には当然の事ながらストライカー不在という深刻な悩みが浮かび上がっていた。事実前半の大宮は、甲府を攻め込みながら得点には至らない試合を続けていた。

 大宮は守備の固さをベースにして、試合のペースをつかんでいた。前節の川崎F戦で見せていた最終ラインと中盤のラインによる分厚いブロックは、この日も健在だった。

 甲府はカレカをターゲットにくさびのパスを打ち込むが、トニーニョの力強いマークが簡単にキープを許さない。ポジションをめまぐるしく変えてボールを引き出した小倉隆史は、そのカレカとのコンビが合わず、ボールをもらえない試合展開に対して腰に手を当てて不満そうな仕草を見せた。

 その小倉が「ここ何試合かシュートまで持って行けてない。シュートをするかしないのかの問題じゃなくて、その形まで持って行けていないというところにチームとしての攻撃力に問題があるのかなと、思います」と問題点を口にしていたが、そうした甲府の苦しみの反面、大宮は流れの中やセットプレーから形は作れていた。

 緻密で力強いディフェンスによって甲府のいらだちを誘う一方、大宮はペナルティエリアにまでは近づけていた。ただ、そこからが問題だった。ゴールに近づくにつれて、大宮の攻撃は雑になったような印象を受けた。

 昇格レースをにらんだ場合、また勝ち点4差で追いすがる甲府を突き放すためにも、大宮はどうしても勝ちがほしかった。しかし試合は膠着。指揮官は難しい選択を迫られることとなる。

「今日のゲームは膠着していたので本当は交代は難しかったです」

 そう前置きして三浦俊也監督は後半60分の横山聡の投入について説明した。

「ディフェンスラインの甲府の選手たちが、だいぶ疲れてきていたかなという感じでしたので、裏に走れる横山がちょうどよかった。ディフェンスの3番の選手(津田琢磨)が足をつっていたというところを見ると、彼を出してある程度正解だったのかなと思います」

 30分間だけ時間をもらった横山だったが、投入後わずか1分もたたないうちに大きな仕事をやり遂げた。

 61分。森田への決定的なパスでチャンスを生み出すと「マイナスにパスをもらおうと」走り込んだゴール前で、森田の切り返そうとしたボールがこぼれてきた。迷わず蹴りこんだシュートが均衡を破る。第二クールにはレギュラーポジションを奪っていたが、その後出場機会を減らしていた横山は、この試合に特別な思いで臨んでいた。

「今日は外国人2トップがいなくて、彼らがいなくて勝てないと言われたくなかったですし、自分も出場して結果がほしかったので良かった」(横山)

 強さを持つチームというのは、いわゆる日替わりヒーローというものが誕生するものである。外国人選手がいない中でのこの横山のゴールは、控え選手の精神状態やコンディショニングの良さなどを証明すると言う意味でも大きな意味があった。

 54分にカレカに代えて藤田健を投入していた甲府の松永英機監督は、失点後から終盤にかけて残り2枚の交代枠を使い切った。しかし「交代起用した選手が、向こうは決めてうちは決めきれなかった。そこに一つの差があったのかなと思います」と無念さをにじませながら試合を振り返った。

 大宮の勝利の瞬間、スタジアムを埋めた8,153人の観客から大きな声援がわき起こった。大宮が2番目のいすに向かってまた一歩、足を進めている。

以上

2004.9.20 Reported by 江藤高志
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