9月23日(木) 2004 J2リーグ戦 第35節
川崎F 1 - 2 山形 (16:04/等々力/16,728人)
得点者:'14 マルクス(川崎F)、'79 林晃平(山形)、'86 大島秀夫(山形)
----------
前半14分。川崎フロンターレ、先制。
出場停止の中村憲剛に代わって出場の、相馬直樹の左サイドからのクロスを受けて、マルクスがヘディングシュートを決める。大多数が川崎Fサポーターで埋められた等々力は興奮のルツボに。
14時にキックオフしていた大宮対福岡は、2-0で大宮が勝利。よって川崎Fは自力で昇格(内定)を手にする事ができる状況になっていた。少なからぬサポーターが願っていた場面設定になったが、逆に言うと、この試合の結果次第では昇格(内定)に至らない可能性が出たという事でもあった。
川崎Fにとっての昇格(内定)条件は、この試合を引き分け以上で終える事。つまりこの先制ゴールによって、川崎Fは1失点までは許されるという有利な状況に。
ホームでの圧倒的な勝率を背に、川崎Fはシュートを浴びせた。その数、前半だけで11本。中盤でのパス回しに時折コンビネーション不足を感じさせるものがあったが、試合のペースは川崎Fが握り続けて前半を終えた。
前半の流れを「ディフェンスラインが中途半端で、プレッシャーがかからない状態がかなり続いた。それでバイタルエリアでジュニーニョ、マルクスをフリーにする場面がかなりあって、その辺から崩された」と分析した山形の鈴木淳監督は、ハーフタイムにチームを再生させる的確な指示を出している。
「ディフェンスラインをもうちょっと高く押し上げて、もう少し人にも行くようにして、自由にバイタルエリアの所を空けないようにと指示をしました。それに選手が応えてくれて、バイタルエリアにボールが入らなくなって、中盤でボールを拾えるようになったのが大きかった」(鈴木監督)
それに対して川崎Fの関塚隆監督は、後半に入って変わった山形の動きに対抗すべく、69分に1枚目の交代カードを切った。
「後半に入って(山形の)サイドバックとボランチ2枚が攻撃的に来た。FWの1人がしっかりとサポートに入る必要があったのでガナ(我那覇和樹)と黒津(勝)を代えた」(関塚監督)
この交代によって流れが変わり、黒津が交代出場直後の72分と76分に立て続けに1対1の場面を作り出した。監督としてはしてやったりの展開。しかし、ゴールは生まれなかった。
「ああいう形に持ち込めた、と言う意味ではコンビネーションはよかった。ただ、あそこまで行っただけではダメ。これからしっかり練習していきます」(川崎F:黒津)
「そこで息の根を止められなかったという事」と関塚監督は悔しさをにじませたが「個人の問題ではなくチーム全体の問題」と黒津をかばった。
鈴木監督は逆転で勝利したこの試合とともに、シーズンを通して勝ち越した川崎F戦を振り返って「先に失点されても2点目をなぜか食らわないんですよね」と述べている。山形というチームには、伝統的に最後まで試合をあきらめない精神的なタフさと、相手の油断を突く鋭さがある。
試合の流れを変えたのは、79分の林晃平の同点ゴールだった。62分に交代出場していた林は、昨年まで所属していたチームに対して強烈な一撃を加えた。
「あの場面はシュートしか考えていませんでした。ただ、入るとは思っていませんでした」
引き分けでも昇格が決まる川崎Fは、このゴールから完全にペースを乱す。「ゴールを守ろう」という意識が先行してしまいボールを奪いに行けなくなっていた。そうして迎えた86分。右サイドでキープしていた永井篤志から、途中交代出場の高橋健二へと絶妙なスルーパスが通る。ゴール前の大島秀夫が、マーカーを振り切ってニアサイドへ飛び込むと、そこに高橋からのクロスが入ってきた。教科書通りのダイビングヘッドは、あまりにも劇的な逆転ゴールとなった。
「林のゴールでいけるぞ、と言う気持ちになれた。今日みたいに勝負を決められる点を取れればと思いますし、そういう仕事をしていきたい」(山形:大島)
ここから火がついた川崎Fは、ロスタイムにかけて前がかりに。しかし最後まで山形のゴールを割る事はできなかった。またしても昇格(内定)を勝ち取れなかった関塚監督は、試合後の会見の席で勝利へのどん欲さが薄れてきているのかもしれないと述べている。しかし、あまりに有利な状況の中では精神的に追い込むのは難しいものがあるのも事実だ。
ホームでの、自力でのチャンスを2度に渡って逃した川崎Fにとって、次節は原点に立ち返る重要な試合となる。
一方の山形は、2位大宮をぴたりとマークしながら4位以下を引き離しつつある。「まだ9試合残っており、現実的ではない」と鈴木監督は昇格レースを意識していないようだったが、山形にとっての2001年シーズン以来の昇格レースはクライマックスに向けてじわじわと進行中だ。
以上
2004.9.24 Reported by 江藤高志
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第35節 川崎F vs 山形 レポート】川崎F、自力のチャンスをまたも逸す。山形、敵地で粘りの逆転勝利(04.09.24)















