今日の試合速報

開幕招待
開幕招待

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第36節 仙台 vs 大宮 レポート】大宮が5試合連続完封勝利で2位をキープ(04.09.27)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
9月26日(日) 2004 J2リーグ戦 第36節
仙台 0 - 1 大宮 (14:04/仙台/14,840人)
得点者:'70 森田浩史(大宮)
----------
 試合当日の朝、仙台の街には大雨が降り注いだ。試合前には霧雨程度におさまるものの、当然のように湿気は残る。この日の湿度は79%。だが、太陽は一向に顔を出さない。日光が当たらない以上、触れる湿気はそのまま肌寒さへと結びつく。気温、19.8度。

 シチュエーション的には熱気を帯びるべき今日の試合だが、立ち上がりの試合内容は平静そのもの。まずセーフティーファーストか、守備陣形を崩してまで攻めには出ない大宮と、その守りにスペースを消されるためパスの出しどころがない仙台という構図だ。

 ただ仙台のベンチだけは、普段よりも動きが慌しかった。というのも試合開始から5分たった辺りだろうか。シルビーニョの縦パスに反応し、DFライン裏へ飛び出そうとした財前が、右太もも裏を押さえてピッチにうずくまる。接触プレーではなく単独時での負傷…誰が見ても状況は厳しかった。ひょっとすると財前は、今日の寒さの直接的な犠牲者になってしまったのか、前半10分、彼に代えて急ピッチのアップを終えた大柴が投入される。裏へのスペースが消されている状況で、前で勝負ができなおかつフィニッシュまで持ち込むことができるなど、単独での局面打開が期待できた財前を欠いたことで、仙台はさらに攻め手のオプションを失ってしまった。

 DFライン裏のスペースは消され、さらに左右45度、ペナルティエリアの境界線あたりからドリブルで勝負ができた財前が居なくなったことで、前線にボールを収めるポイントがなくなってしまった仙台。ならばサイドへ展開したいところだが、普段は局面を打開する要素となりえるセドロスキーからのサイドへのロングパスは、受け手の梁、中田の両サイドハーフとの呼吸がなかなか合わないこともあり、大宮守備陣を打破する要素とはなりえなかった。むしろこうしたパスを受けるため上がった両サイドハーフがボールを受けられないのだから、大宮へボールが渡ったあとには仙台のサイドに広大なスペースが広がる。そこを安藤、久永の二人、さらには上がってきた西村、冨田の両サイドバックに突かれ、ピンチを招くシーンもちらほら。勝ち点3が欲しいはずの仙台は、にもかかわらず最終ラインで横パスを続けるしかないという苦しい展開で、前半をスコアレスで終えてしまう。これは明らかに、大宮のペースだった。

 後半に入って、仙台は若干持ち直したかのように見えた。前線でもサイドでも基点が作れないのならとばかりに、ピッチ中央のシルビーニョが自ら前を向き、果敢にペナルティエリア付近へと進攻を始める。大宮もまた若干攻めにシフトし、前半は揃って守備に回ることが多かった2枚のセンターハーフの一角である金澤が、ゴール正面のシュートレンジまで攻め上がることが増えた。そのため、シルビーニョのスペースが空いたというのもまた事実ではあるが、それでも点を奪わないことには始まらない仙台は、前へ出なくてはいけなかった。

 ところが、時間的にじわじわと追い込まれて始めていた仙台を尻目に、大宮は先制点をあっさりと奪う。苦しい体勢のセドロスキーがたまらずゴールラインへとクリアしたことで、大宮へと渡ったCKのチャンス。セットプレーと言えば安藤のキックと考えていた仙台守備陣にとって、直前にその安藤と交代で入ってきた島田の弾道には違和感があったのか。本人曰く「誰を狙うとかではなく、とにかく速いボールを入れようと思っていた」というそのキックが、ニアに走りこんだ選手をすり抜けてゴール正面、高桑の眼前へ。何故かぽっかり空いていたスペースに、誰にも邪魔をされずに入ってきたのは森田。高さではもちろん最も警戒していただろうが、予想を裏切る足元への速いボール、さらにゴール至近でフリーにさせてしまうという条件が重なった時、仙台の守備陣になす術はなかった。後半25分、大宮が先制。

 この一点は、仙台の未来への展望を打ち砕くに十分だった。それは残り約20分という近い未来のみならず、それプラス残り8節という、昇格争いへの展望をも、である。何しろ仙台はこの時点で「今日における最低限の仕事」を果たすためには2ゴールが必要だったが、ここ4試合連続完封勝利を果たすようなチームがリードを奪った状況でどんな戦いをするのか、残りの20分間は仙台にとって、ひたすらそれを見せ付けられる時間となってしまった。大宮はペナルティアーク付近が危険と見るや、FWの一角を下げてDF斉藤を投入。彼をバイタルエリアのケアに専念させるための、4-1-4-1へのシステム変更をスムーズに行なった辺り、選手交代と、セドロスキーを最前線に上げるというスクランブル的要素の強いものしか、状況打開のための策を持ち得なかった仙台とは対照的ですらあった。

 そして意図どおり、0-1のまま試合を終えた大宮はこれで5連続完封勝利。一方の仙台はここ5試合で3敗。3位の山形も勝ったため、プレーオフ枠を得る3位との勝ち点差も10へ。
 
 終了のホイッスルと同時に、寒さに凍るスタジアム。オレンジの一角だけが沸きあがる。その光景は、3年前とは真逆のものだった。

以上

2004.09.27 Reported by 佐々木聡
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着