9月26日(日) 2004 J2リーグ戦 第36節
横浜FC 1 - 1 札幌 (14:03/夢の島/2,403人)
得点者:'38 山尾光則(横浜FC)、'88 田畑昭宏(札幌)
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「最初の8分から10分くらいまでの間が我々のリズムで、組み立ても良く、フィニッシュまで持ち込めていたと思う」とリトバルスキー監督は振り返ったが、この時間帯を過ぎると札幌に落ち着きが見えてくる。
特徴的だったのが、積極的な前からのディフェンス。2トップが献身的に動き回ってコースを限定し、後ろのチームメイトが連動してパスコースを狭める。まさにプレッシングサッカーの王道である。
惜しむらくは局面局面でミスが多い事。やろうとしているサッカーはJ1のトップレベルと同じであり、戦術の浸透度は高まっているのだが選手個々のスキルの問題でやろうとするサッカーを完璧にはこなせていない、という印象だ。もちろん、これから試合を重ねていけば改善される問題でもある。
札幌が戦術的優位性をベースに横浜FCを押し込んだ前半。試合を動かしたのはセットプレーだった。
前半38分の失点の場面について柳下正明監督は「ミーティングで言った相手のリスタート。あるいは10番の内田と相手のCFとの入れ替わりが危険だよ、というところ。そこを突かれた。注意しなければいけないところで失点したので、そこはきっちり修正しないといけない」と悔しがる。
右からのCKを中島崇典がセットした瞬間、柳下監督はピッチ上の選手に大声で指示を出した。あわててその選手が動き出した先には内田智也が。しかし時すでに遅し。中島から内田へとパスがつながると、ここから絶妙のクロスがゴール前へ入った。
「我々のキャプテンが得点し、時間帯も良く、内田選手のいいボールからの得点で、心理的にも大変いい時間帯だったと思います」(リトバルスキー監督:横浜FC)
クロスボールはキャプテンマークを巻いた山尾光則の頭を経由してゴールネットへ突き刺さった。トータルで見た内容では札幌が上手を行っていたが、結果は横浜FCの1点というもの。1−0のまま試合は後半を迎える。
前半からボランチが放つミドルシュートに可能性を感じさせていた札幌だが、ロッカールームでは、風上に立つ後半を前に「積極的にシュートを打っていこう!」と柳下監督から檄が飛んだ。
とにかく勝てと指示を受けた横浜FCは、1点を守りに行くような形に。するとプレッシングサッカーを展開する札幌の攻撃とのかねあいで、札幌が押し込む時間帯が一気に増えた。量産されるチャンスにもフィニッシュの精度が足りない。そんなもどかしい試合展開ではあったが、バイタルエリアにスペースが生まれていた事で札幌のボランチはミドルシュートを放ち続けた。
札幌は1点を追いかけて攻撃を続けたが、堅い横浜FCのブロックを前にしてなかなかゴールを割る事ができない。ただ、それでも可能性を信じてゴールを目指した。すると迎えた88分に試合が動いた。
ゴール前の清野智秋にボールが渡る。
「振り向いて打つ状況ではなかったので、トラップして右足で落としました」
この落としを受けた田畑昭宏が思い切りよく右足を振り抜いた。
「前の試合でシュートを打てる場面で打たなかった。行けるときに行こうと思っていた。そういう気持ちが良かったんだと思います」というシュートは、ポストの内側に当たってゴールネットを揺らす劇的な同点弾に。一気にヒートアップする札幌サポーター。イケイケムードの中、2分のロスタイムにも田畑にミドルシュートのチャンスが。
「ロスタイムのシュートが入ったら、できすぎです」
そう謙遜したシュートは、枠の上へ。結局そのままタイムアップ。2ヶ月ぶりにホームでの勝ち星を手にしかけていた横浜FCサポーターは、選手たちに不満をぶつけるが、負け試合を同点に持ち込んだ札幌サポーターは選手たちに暖かい声援を送っていた。
「内容的にはここ2〜3試合いいゲームをやっているので、次も同じように自分たちでゲームコントロールできるように。そして勝ち点3を取れるようにやっていきたいと思います」という柳下監督の会見でのコメントが、この試合の全てを表していた。
以上
2004.9.27 Reported by 江藤高志
J’s GOALニュース
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