高校サッカー九州勢対クラブチームの対戦となった準決勝の2試合。
九州代表の鹿児島実業高はプリンスリーグ九州1位、鵬翔高は3位。近年、九州の高校チームは全国大会で躍進しており、もっともレベルの高い地域といってもいいだろう。
クラブ代表である磐田ユースは東海1位、広島ユースは中国1位とプリンスリーグで総合力を発揮したチーム。また、広島ユースと磐田ユースは日本クラブユース選手権の決勝に進んだチームで、文句なく今季の日本のトップクラブチーム。この2試合はサッカーファンにとって非常に興味深いカードになった。
◆準決勝:鹿児島実業高校 0-1 磐田ユース
西が丘サッカー場で午後2時から行われた鹿児島実業高対磐田ユースは、予想以上にスリリングな内容だった。試合前の両チームが握手を交わすセレモニーで、自信たっぷりの表情で磐田ユースの選手たちの手を握り返していた鹿児島実業高の選手たち。レベルの高いプリンスリーグ九州を戦い抜いた彼らの自負がそこに感じられた。
立ち上がりは磐田ユースの細かいパス回しにリズムを作れなかった鹿児島実業高。しかし、徐々に中盤の攻防の繰り返しとなり、お互いにフィニッシュが遠くなる時間帯が出来てしまう。
この停滞を最初に打開したのが、前線へのピンポイントパスを出し続けた鹿児島実業高。前半30分過ぎには何度か磐田ユースのディフェンスラインを破りはじめた。磐田ユースが組織として崩れていたわけではないが、キーマンに対するマークが甘く、鹿児島実業高が比較的自由にラストパスを出すことができていたからだ。最終的には磐田ユースのGK・八田のセービングが前半をスコアレスに押さえ込んだ。
ただ、磐田ユースに力がないわけではなかった。元々立ち上がりの悪いチームである上に、「(日本クラブユース選手権決勝のリベンジのために)絶対に勝たないと駄目」というプレッシャーが選手を硬くしていたのだ。後半は、磐田ユースが本来の力を出してくれば流れは変わると予想できた。
後半の立ち上がりは磐田ユースの出足がよくなって高い位置でボールを奪えるようになり、後半15分までに何度か決定的なシュートチャンスを作り出した。磐田ユースの攻勢にカウンターで対抗していた鹿児島実業高はケガで戦列を離れていた栫を投入するなど、交代カードを切って流れを引き戻してきた。栫、上村、山下らが高い個人技、強さ、スピードを活かしてシュートチャンスを作り始めた。
再び流れが変わるかと思われた後半28分に磐田ユースがコーナキックから決勝点を挙げた。上田が上げたボールをニアの藤井がヘッドでファーに流し、荻原がワンタッチシュートで決めた得点だった。鹿児島実業高は、失点後も積極的な攻撃を見せたが、時間と共に焦りが強くなってきたのかロングボールだけの攻撃となって最後までその強さを発揮し続けることが出来ずに敗れてしまった。
鹿児島実業高の松澤総監督は「磐田ユースの動き出しの早さにディフェンスがついていけなかった。高校サッカーでこれだけボール回しが早いのは関東か静岡のチームだけ。いい経験をさせてもらった」と謙虚に話したが、内容的には鹿児島実業高が2〜3点取れるだけの攻撃力を見せていた。自信を持って高校選手権に臨める内容の試合だったと言えるだろう。
一方、磐田ユースは大一番の雰囲気に選手が本来の力を出し切ることが出来なかった。しかし、それでも勝ちきったことで決勝戦はもっと吹っ切れて戦うことが出来るはずだ。内山監督は「(磐田ユースのサッカーは)サイドが主導権を握らないと駄目。リスクを負わないサッカーは自分たちのサッカーじゃない。この雰囲気でもやれる選手にならないと駄目。明日は、自分たちのやってきたことを出し尽くす」と話していた。
◆準決勝:鵬翔高校 1-3 広島ユース
小雨が残る国立競技場で行われた鵬翔高対広島ユース。広島ユースは鵬翔高のエース・興梠のマークに苦しんだ。トップ近くに位置しながらも自由に動き回る興梠をダブルボランチがマークすると、逆サイドが空いてしまうなど攻守に渡って神出鬼没だったからだ。
広島ユースも受身だった訳ではない。11分には短いパスを連続して繋いで決定的なチャンスを作るなど、高いレベルのプレーを見せた。ただ、お互いに決定的なチャンスを披露し合ってからは、中盤が間延びしたサッカーになってしまった。
このスカスカの中盤でロングボールを繋いだ鵬翔高が最初のチャンスをモノにした。27分に金久が縦に入れたロングボールを熊元が胸トラップからボレーシュートを決めたのだ。ここまで再三広島のセンターバックに競り勝ってきた鵬翔高が、その攻撃力を見せつけた瞬間だった。そして、鵬翔高がこのまま流れを掴んでいくかと思われたが、39分に広島のエース・前田が左足を振りぬいて同点ゴールを決める。前半は同点のまま終わったが、時間と共に鵬翔高の良さが消えていった印象だった。
後半、最初にチャンスを掴んだのは鵬翔高だった。後半13分に木村が大きくサイドに振ったクロスボールを興梠が右足で振り抜いたがポストに当たって勝ち越し点にはならなかった。そして、これが鵬翔高の見せた最後の決定的なチャンスとなってしまった。
後半21分に再び前田に決められてしまうと鵬翔高は完全に広島ユースのディフェンスにはまってしまう。リードされたプレッシャーが、鵬翔高からダイナミックな動きを消し去ってしまったのだろうか。後半40分にはインターセプトされたボールをくわ田に決められダメ押しとなった。
鵬翔高の松崎監督は「力の差が出た。ボールを回されてカウンターに行けなかった。(広島ユースの)前田選手に対しては用心していたが、くさびの受け方、ポジショニングが上手く、強くて思うようにディフェンスが出来なかった。ただ、国立競技場でプレーが出来たことは子供たちにとって勉強になったと思う」と話した。広島ユースの森山監督は「鵬翔高は興梠選手を中心にフィジカルが強く、ハードワークが出来る選手が揃っていた。予想通り厳しい試合だった。ただ、先制されても点を取れるという変な自信があったので、落ち着いて対処できた。『勝ってよし』という感じです」と勝ったことを素直に喜びながらも不敵な自信も見せた。
以上
2004.10.11 Reported by 松尾潤
J’s GOALニュース
一覧へ【高円宮杯全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会 準決勝レポート】高校vsクラブチームの対決は、2試合ともクラブチームが勝利。(04.10.11)
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