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【J2:第38節 福岡 vs 札幌 レポート】勝ち点3こそが最大の収穫。福岡が4位に浮上。(04.10.16)

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10月16日(土) 2004 J2リーグ戦 第38節
福岡 1 - 0 札幌 (14:00/博多球/8,411人)
得点者:'13 ホベルト(福岡)
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 とにかく勝ち続けるしかない福岡と、ひとつひとつのことを学びながらチームを成熟させようとする札幌。どちらのチームも、求められているものは自分たちのサッカーを90分間に渡って表現できるかどうかだと試合プレビューで触れた。相手のことを考える前に、自分たちのことをコントロールすること。それこそが、この試合で両チームに最も求められることだった。しかし、率直に言えば、試合内容は低調であったと言わざるを得ない。

「結果は0−1でしたけれど、0−2、0−3になってもおかしくないゲームでした。完敗です。いままで少しずつ成長してきたのですけれど、一歩進んで二歩下がるといった感じです」(柳下正明監督・札幌)。ここのところ、ボールをキープし安定した試合が見られるようになっていた札幌だが、この試合では立ち上がりからボールをしっかりとつなぐことができなかった。最終ラインを高く上げてプレッシャーをかけてくる福岡に対し、明らかに気後れしているのがスタンドから見ていても分かる。

 ボールを持っても縦へ持ち出せず、横か後ろに渡すだけ。最終ラインも出し所を見つけられず、ただ漠然と3人でボールを回すシーンが目立つ。ようやくパスを出してもパスミスが多く、簡単に福岡にボールを渡してしまう。さらに中盤のプレッシャーも甘く、福岡に自由にボールを持たれ、セカンドボールを拾うこともままならない。中盤の主導権を福岡に握られた札幌は、ただ受身のままで時間を過ごさざるを得なかった。

 そんな札幌を押し込むことができないのだから、福岡も自分たちのサッカーを表現できたとは言いがたい。エジウソンのキープ力と、有光のスペースを使う動きで、何度かリズムを掴みかけるのだが、それを自分たちのものにするだけの迫力がない。13分にセットプレーからホベルトが押し込んで先制点を挙げたものの、時間の経過とともに、フォローの動きも、スペースを利用する動きも消え、効果的にスペースを使う有光にボールを出すこともできなくなっていく。

 後半に入っても福岡のペースは上がらない。時折見せる有光の突破にスタンドは沸くが、それ以外は思うようにボールがつなげず単調な試合が続いていく。むしろ、時間の経過とともにリズムを崩したのは福岡のほう。攻めきれず、そして自分たちのミスから悪い時間帯を招くという、これまでに何度も見られたシーンが続く。終了間際には足が止まってしまい、札幌の攻撃をやっとの思いで跳ね返すのが精一杯。かろうじて勝利を収めたというのが正直なところだ。

 互いに、ここまで積み重ねてきたものを出し切れなかった試合。そういう意味では、物足りなさは否めない。しかし矛盾するようだが、福岡が勝ち点3を積み重ねたという事実は、内容に関わらずチームに明るい材料を与えたことも事実だ。「支配しているときに点が取れれば、もう少し安全に勝つことが出来た。追加点を取って勝つというのが良い形だと思うが、こういう結果で終わった以上は、いい面を捉えるようにしたほうがいい」。上機嫌とは思えない口調で語る福岡・松田浩監督の言葉は本音だろう。

 今シーズンも残りは6試合。敗れた時点でJ1昇格争いから脱落する福岡にとっては、何よりも結果が最優先される。勝たない限り次へつながらない中では、内容を問うよりも、結果と、それに結びついたプレーを評価したほうがチームにとっては大きな力になるからだ。チームに勢いをつけるためには、勝ち点を積み重ねること以外に方法がないというのも、真理のもうひとつの側面でもある。そういう意味では、福岡にとって意味のある、そして大きな勝利であったことも間違いない。

 さて敗れた札幌。「いいというのはなかった。多少、いいプレーをしたと思っても、それぐらいはやれて当たり前。そのくらいで満足していたら困ります」。柳下監督が振り返ったように、試合そのものからは明るい兆しは感じられなかった。しかし、悔しさや、情けなさを力に変えてこそ、新たな一歩が踏み出せる。勝利の喜びも、敗戦の悔しさも、今の札幌には経験という名前の糧になる。大切なのは、今日の試合をどう整理するかだ。

「いままで積み重ねてきた大事な時間を無駄にしないで、確実にモノにしなければいけないと思います。時間は簡単に過ぎてしまう。いまは大事な時間を過ごさせてもらっているので、自分に生かしていければと思います。それぞれが思っていれば少ながらず成長できる」。私の問いかけに立ち止まってくれた曽田は、視線をまっすぐ前に向けて話してくれた。悔しくないわけはない。しかし、現状を真正面から受け止めてぶつかっていくことしか、目の前の壁を打ち破る術はない。

以上

2004.10.16 Reported by 中倉一志
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