10月16日(土) 2004 J2リーグ戦 第38節
水戸 1 - 0 甲府 (13:05/水戸/1,865人)
得点者:'16 森田真吾(水戸)
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ついこの間までの暑さがうそのように、冬の足音を感じさせるような寒空のなか行われた試合。気温とはうらはらに、ピッチ上では1点を争う白熱した好ゲームが繰り広げられ、水戸が昇格に向け負けられない甲府を1−0で下し、ホームサポーターとともにリーグ戦20試合ぶり(6/19 第18節以来)に勝利の美酒に酔いしれた。
水戸、甲府ともに布陣は4−4−2。両チームとも、攻撃的MFがいわゆるトップ下というよりも、サイドアタッカー的な役割を担うシステムを用いている。ただ、水戸と甲府には1つだけ大きな違いがあった。それは、オーソドックスな水戸の2トップに対して、甲府の2トップの1人小倉が引き気味でプレーする点だった。
この唯一の違いが、前半の水戸に大きな流れをもたらした。水戸の前線からの早いプレスの前に、中盤を作れない甲府。引き気味の小倉を起点に攻撃をしたいのだが、最終ラインからのロングボールが必然的に多くなってくる。このロングボールに対し、ほぼ1トップ気味の須藤がなんとかキープして前線で起点を作ろうとするのだが、須藤へのボールには、高さには絶対の自信を持つ水戸の柴小屋が、立ちふさがりことごとく跳ね返した。さらに、この競り合った後のボールにも、水戸のボランチ北島、永井らがすばやく絡み、前田監督の指示どおり、少ないボールタッチでテンポよくパスを回した。両サイドの関、森田らが前を向いて積極的に仕掛ける機会が多かったのも、テンポのよいパス回しによるものだろう。水戸の先制点は、前半16分、中央からの永井のシュートがゴールポストに当たり、跳ね返ったところを森田が蹴りこんだものだった。この試合唯一の得点は、左サイドの仕掛けから相手のファウルを誘い、得たFKから始まったものだった。
これに対し甲府は、押され気味の展開の中でも中盤まで下がってきた小倉にボールを集め、攻撃の起点としようとするが、小倉自身、水戸のすばやいプレスになかなか思うようなプレーができなかった。それでも、厳しいプレッシャーの中、ダイレクトパスなどを駆使して、横山、石原、須藤らとともに幾度か決定機を作り出し、苦しみながらも見せ場を作った。甲府としては、この苦しい時間帯の少ない決定機を生かせていれば、試合の結果を変えていたかもしれないだけに悔やまれる。
後半に入る際、どうしても負けられない甲府が先に動きを見せてきた。前半終了間際に負傷した倉貫に代えて、攻撃的な中盤の藤田を投入。この選手交代が、徐々にではあるが確実に試合の流れを甲府へと変えていった。甲府の中盤にキープ力のある選手が入ることで、チーム全体のボールキープ率が少しずつ高くなり、両サイドの選手が高い位置を保ちはじめ、幾度となく鋭いクロスを供給するようになってきた。前半たった3本だった甲府のコーナーキックが後半は倍以上の7本になったことからも、甲府がいかに水戸のゴールに向かい、攻めを行ってきたか物語っている。
これに対し水戸は後半27分に、この日初めて右サイドのDFを務めた小椋に疲れが見え始めたため、大和田を投入してきた。この水戸の交代は、その後の展開を考えると、非常に効果的だった。水戸としては、ある程度甲府に両サイドを突破されても、中央の高さでこれに対応することができた。
また、この日久しぶりに先発に名を連ねたGK本間が最後の砦として、すばらしいプレーを披露。失点してもおかしくない場面も数多くあったために、この日はその存在感を十分にアピールした。願わくば水戸としては、前掛りになった甲府から得たカウンターのチャンスで、しっかりと得点をしておきたかったところだろう。
ゲームは支配しているものの、得点を奪えない甲府はさらに動きをみせ、後半35分にはFW長谷川を投入し、小倉を明確にトップ下に変更してさらに攻撃的にしてきた。しかしながら、最後まで集中力を欠かさない水戸の守備の前に、とうとう得点を奪えず終了のホイッスルとなった。甲府としては、コーナーキックなどのセットプレーで、小倉、藤田などがかなり質のよいボールを供給していただけに、これを生かしきれなかったのが悔やまれるところだ。
この日の試合終了後の監督記者会見では、得点を奪った水戸の前田監督、得点を奪えなかった甲府の松永監督、両監督からくしくも「決定力が課題」との言葉が漏れた。確かに両チームとも決定力への課題を示した場面は何度かあったし、決定力があれば、スコア、勝敗ともに違う結果になったかもしれない。しかし、ゴールまでのプロセスという点で、ゴールを予感させる場面を両チームとも作れていただけに、リーグ戦の残り試合、また天皇杯での両チームの活躍に期待をしたい。
以上
2004.10.16 Reported by 石井要克(韋駄天)
J’s GOALニュース
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