10月23日(土) 2004 J1リーグ戦 2ndステージ 第10節
柏 1 - 1 C大阪 (15:02/柏/10,273人)
得点者:'25 大久保嘉人(C大阪)、'62 明神智和(柏)
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「どちらにとっても痛みは同じ」明神は言った。まさに痛み分けである。もちろん負けなかったことへの安堵感もどちらも同じではあるのだが。日立柏サッカー場で行われた年間順位15位対16位の直接対決は1-1のドローに終わった。
お互いが勝ち点を1ずつのばし、柏は年間勝ち点を21、C大阪は18とした。柏はここで勝ち点3を得ておけば、入れ替え戦に臨まねばならない確率はぐっと低くなったのだが、引き分けたことによってまだ安心できない日々が続くこととなった。一方C大阪は、勝ち点1を得たものの、次節浦和、次々節磐田と対戦することを考えるとどうしても勝っておきたかった一戦。試合後赤い目をしてロッカールームから大久保が出てきたというのもうなずけなくはない。
ゲーム開始直後リズムをつかんだのは柏。早野監督就任以降、常に意識付けを行ってきた「サイドから崩す」を徹底。開始早々から右SB波戸のクロスに玉田が合わせるシーンが続く。一方のC大阪もディフェンスを通常の4バックから3バックのシステムに変更。前線も西澤のポストに、大久保、古橋2シャドーの3トップ気味の構成で枚数をかけアグレッシブにプレスをかける。その攻撃が功を奏しC大阪はワンチャンスをものにする。
25分、中盤右で酒本からボールを受けた古橋が中央の大久保へ。大久保は正面の柏DFパラシオスをものともせず右足でキープ、冷静に交わし豪快にシュート。「DFがいるのは分かっていたけど思いきって打った」(大久保)というそのシュートはGK南の手をかすり、ゴール左隅に決まる。この日観戦に訪れた大熊清U-19代表監督も「DFは大久保を怖がり過ぎじゃない?」と言うほど大久保は動きにキレを見せた。
柏は後半開始とともに4試合ぶりの出場となる山下を茂原に代える。また名古屋戦と同じタイミングとなる谷澤も投入。前半より攻撃的な選手をピッチに送り込み勝ち点3への意欲を見せる。一方前半攻め立てたC大阪は大久保もチーム全体も足が止まり前半とはうって変わって防戦一方に。交代選手を中心に、右サイド以外にも起点の出来た柏は前線に動きが見え始める。
後半13分、玉田から中央で受けたパスを山下が落とし、前節名古屋戦初ゴールの大谷がシュートを放つもバー上に大きく外れる。その4分後、左サイドでボールを持った大野がファーサイドの谷澤にアーリークロスを放り込む。「GKとバーの間を狙った」という谷澤のヘディングはクロスバーを直撃し「谷澤は折り返すと思っていた」通り、ゴール前左の明神の前へ。DFがいたものの見事なダイビングヘッドが決まり同点に追い付く。「前半、1点取られてからぎくしゃくした部分が出たが、メンバーを2人代えてリフレッシュできたと思う」と早野監督が語ったように選手交代が見事に結果を出した。
しかしながらこの後、柏はチャンスに恵まれながらもなかなかものにすることができない。後半28分、右の玉田からのパスに合わせた山下のシュートはGKがキャッチ。直後、中央で玉田のキープからのスルーパスをポストの山下が谷澤に落とすが、タイミングが合わずシュートを打てない。結局得点はうまれずドローに終わる。
チャンスに対して決定力が圧倒的に低い柏。決定力不足はどうしたら解消できるのかと問われた玉田は「もっと仕掛けるとかリスクを負わないと。練習とかではなく、意識の問題」と激しい口調で一気に話した。波戸も「やっぱり点を取れないからうちは下位に甘んじている」と言う。リスクを負いきれないのは降格への恐怖から「勝つ」ことよりも「負けない」ことが優先されるためなのか。この日の得点者明神は言う「残留の切符を手にしたら自分達のサッカーを突き詰めたい」。精神的プレッシャーは思いのほか大きいようだ。
対するC大阪。「勝ち点1を得たことで次につながる」と小林監督は言う。試合後ロッカールームから大久保の赤い目の理由は引き分けの悔しさだけではないだろう。「ここから何試合かが大事なんで」と大久保。2002年シーズンJ2降格から1年でJ1に這い上がってきた男たちの奮起を期待したい。
セカンドステージも残すところあと5試合。第10節終了時点で柏とC大阪の年間勝ち点差は前節とかわらず「3」。これが「たったの3」なのか「3もある」なのか。どちらに転ぶかはこれからの戦いにかかっている。
以上
2004.10.23 Reported by 了戒美子
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