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【J1-2nd:第10節 磐田 vs 新潟 レポート】リーグ戦初スタメンの太田が縦横無尽に駆け巡り、磐田が3-1で勝利(04.10.25)

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10月24日(日) 2004 J1リーグ戦 2ndステージ 第10節
磐田 3 - 1 新潟 (15:04/ヤマハ/12,982人)
得点者:'7 藤田俊哉(磐田)、'27 太田吉彰(磐田)、'61 河村崇大(磐田)、'87 オゼアス(新潟)
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 前日の夕方に起こった新潟での大地震。ホームタウンでの大災害に心を痛める新潟の選手たちだったが、応援ツアーが中止になったにも関わらず迂回路をたどりながら新潟から駆けつけた人たちも含めて、しっかりと応援態勢を整えたサポーターにも支えられ、試合は予定通り開催。両チームの選手たちが黒い喪章を腕に巻いて入場し、スタジアム全体で犠牲者に1分間の黙祷を捧げた後、キックオフの笛が吹かれた。

 そんな特殊な状況で始まったゲームだが、主役の座を奪ったのは、磐田に入団して3年目の21歳、太田吉彰だった。磐田は、福西と菊地をケガで欠いたことで、このところ右サイドに入っていた河村がボランチに移り、右サイドのMFとして先発したのが、この太田。昨年までは天皇杯に1試合出場しただけで、今年に入ってもなかなか出番には恵まれなかったが、前節で74分からリーグ戦初出場を果たし、この日がうれしいリーグ初先発。

 その太田自身は初めはかなり緊張していたが、磐田はチームとしては上々の立ち上がり。高い位置からのプレスやテンポの速いパス回しが序盤から見られ、7分には名波の左クロスをファーのグラウが折り返し、最後は藤田が押し込んで早くも先制点を奪った。逆に新潟のほうは、ボールに対するプレッシャーがやや甘く、相手にリズムを作らせてしまったが、やはりブラジル人3トップは強力で、13分のオゼアスのシュート、16分のオゼアスのヘディング、37分のファビーニョのシュートなど、カウンターやセットプレーで惜しいチャンスもいくつか作る。前半のうちに追いついていれば、試合がどう転ぶかわからないような展開だった。

 そんな中、太田が17分に右サイドを長い距離のドリブルで突破してクロスを上げ、藤田のシュートを演出。「あれでいけると思ったし、かなり落ち着けた」(太田)というように、その後は太田の積極的なプレーが目立ち始める。巧みなフェイントや足技があるわけではないが、とにかく労を惜しまずよく走る。スピードも持久力もあって、たとえボールが出なくても、どんどん裏へと走っていき、対面の鈴木慎吾に攻め上がるチャンスを与えない。『ひたむき』という言葉が本当にぴったりくる選手だ。

 そして27分、前田のキープからペナルティエリア手前にボールがこぼれたところに太田が飛びこみ、右45度から思いきりシュート。これが鮮やかにゴール左隅に決まって2点目をゲット。太田にとっては「たぶんあれが(Jリーグで)初めてのシュート」。初先発、初シュートで初得点。もちろんラッキーな面もあっただろうが、本人もよく覚えていないと言う無心のシュートは、彼がこれまでいちばん練習してきた角度でもあった。頭は真っ白でも、身体はしっかりと覚えていた。
 
 これで2点をリードした磐田は、少し余裕が出てミスも減り、新潟のカウンターも未然に防いでいく。そうした良い流れは後半になっても変わらず、16分には河村がドリブルでペナルティエリアに飛びこみ、DFを押しのけるようにボールを運んで、最後はGKの股間を抜くシュート。太田の大活躍に触発されたか、同じ磐田ユース出身の先輩・河村も、これまで見せたことがないような強引なプレーで今季初ゴールを決めた。これで3-0。
 
 その後、20分にグラウが乱暴な行為で退場になり、太田は足をつって28分にカレン・ロバートと交代したが、その後も磐田には「太田効果」が色濃く残った。交代で入った成岡、カレン、西野の若い3人が、勝負に行くこと行くこと。「何も考えずにやっていたと(太田本人も)言っていたし、あれぐらいガムシャラにやればいいんだなと思った」(西野)と、これまで偉大な先輩たちに遠慮しがちで、ミスを恐れたプレーも目立った磐田の若手選手たちが、一皮むけたような印象さえ受けた。
 
 一方の新潟も、3点差をつけられても最後まで諦めることなく、前線に上野を加えて猛反撃に出る。終盤は10人の磐田をずっと押し込み、最後は梅山の右クロスからオゼアスが強烈なヘッドを決めて一矢報いたが(42分)、残念ながら反撃もそこまで。ただ、「新潟の人たちのためにも勇気を持って戦え」という反町監督の言葉には、十分に応えるプレーを見せてくれた。

 試合後「マン・オブ・ザ・マッチ」に選ばれたのは、やはり太田。純粋にプレーでの貢献度から言えば、90分間フルに動き回り、攻守ともに非常に質の高いプレーを見せた名波だっただろうが、今日の太田のプレーには、観ている者にもチームメイトにも忘れかけていた何かを思い出させてくれるような強いインパクトがあった。不調のチームを立て直すきっかけは、案外こんな選手が作るのかもしれない。

以上

2004.10.24 Reported by 前島芳雄

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